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【就職活動】vs【転職活動】それぞれの「失敗しないポイント」(文星芸大キャリアガイダンス2021年)

2021年度も担当させていただいた、文星芸術大学2年生向けのキャリアガイダンスですが、今回の講座で一区切りです。次は3年生になり、もっと具体的な就活に向けた対策になるわけですが、そのための心構え、土台となる考え方を伝えてきました。

 

あらゆる年代の1,000名以上の求職者と面談を行ってきましたが、基本的な作戦は変わりません。就活がうまくいくためのコツ、転職活動がうまくいくコツ、そもそも日々の仕事を通じたキャリアの積み方も含めて大切なことは変わりません。なるべく何年経っても変わらない本質的なことをまとめたつもりです。

 

いきなり余談ですが、どうしても「転職」っていう言葉は「転ぶ」という漢字が入っているのでマイナスイメージになってしまいます。階段を登るように職を変えることを、別な言い方ができれば良いのですが…

話を戻しますが、仕事を決める(企業を選ぶ)仕事を変える(これも企業を選ぶ)について、私なりに解説していますので、あなたが転職を検討しているようなら、参考にしてもらえると幸いです。

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◆就職活動のポイント

【時期】

日本においてはまだまだ新卒の一括採用が主流なので、時期的なゴールが決まっているのは考えやすいですね。大学も背中を押してくれますので、逆らわないことです。

・この時期から情報収集

・この時期からエントリーシート作成

・この時期からインターンシップ

・この時期から面接

と言い方は悪いですが、流れに身を任せて波に乗ってしまえば、どこかにはたどり着くでしょう。デメリットとしては、逆張りみたいな奇策ができないので、学生のうちから働きはじめる、起業するみたいな、流れに逆らうハードルは高いと感じます。

とにかくやってはダメなことは、遅れて選択肢が少なくなることです。これは経験がなくても、わかりやすいのではないでしょうか。就活に関しては、あなたが行きたい企業はみんなも行きたい企業です。残り物には福なんてありません。掘り出し物はあるかもしれないですが、それでも早く行きたい企業を見つけた方が、安全だし作戦変更もしやすいです。

【方法】

ちょっと前までは、就活セミナー、企業説明会、合同説明会、とたくさん動いて「いったいいつ勉強するんだい?」というくらい忙しいのが就活でした。コロナ禍になってWEB説明会やWEB面接がますます増えましたが、これからも主流であり続けると思います。

私自身もたくさんの面接に立ち会ってきましたが、WEB面接の方が相手の顔が近いですし、画面に集中しなければならないし、事前のセッティングが印象を分けますので、練習を重ねた方がいいですね。意外とごまかしが効きません。

個人的にはTwitterでゆるく本命の企業と繋がったりする方法が、失敗するリスクを減らせるんじゃないかなぁ…と思っています。

【コツ】

就活を有利に進めるためには、とにかく行きたい企業を複数見つけて、選考に進んでいくことです。面接をする側である採用担当者、人事担当者は、あなたと同じくらい緊張して臨んでいることを意識すれば、気が楽になると思います。一次面接の担当者は「なるべくたくさん内定を出して入社してほしい」と考える一方、あなたが二次面接でNGだったときに「なんであんな学生を一次OKにしたんだ?」と聞かれるのが最悪です。

つまり一次面接では「あっ、この学生は二次面接に連れていきたい理由がちゃんとあるな」と感じさせることを意識しましょう。以下の点を意識して準備してみてください。

 

①聞かれたことには、エピソードを添えて答えられるように準備する

面接する側は、とりあえず言ってみた程度の内容は一発で見抜きます。

②素直に学ぶ姿勢をアピールする

企業はメンドーな新入社員はいらないです。

③行動力をアピールする

例えば、勉強しているデザインを活かして動画編集にもチャレンジしたいと思っています…みたいな行動を伴っていない回答はマイナスイメージです。「だったらやれば」というツッコミは絶対に避けましょう。

④いい質問で面接を盛り上げる

ちなみに面接をすると質問タイムがありますが、二次面接、最終面接になると聞きたいことは全部聞いてしまった…というネタ切れ状態になって悩むことがあります。もちろん悩んで、別なことを絞り出して聞いてみる、同じことでも違う言い方で聞いてみる、のように対策はいろいろ考えられますが、私のオススメ面接対策は、直球で「同じことをまた聞く」です。

「一次面接をしていただきましたAA様に、御社が大切にしている教育方針を伺ったところ、長所進展という考え方を大切にしていると解説していただき、非常に印象に残りました。ぜひCC様から見た長所進展の教育方針について、お考えを聞かせていただきたいです」

と聞いたとしましょう。AAさんの解説に共感しているあなたの評価が高まることはもちろん、一次面接の場で長所進展について響くほど語ったAAさんに対して、CCさんからの評価が上がります。AAさん嬉しいです。あえてCCさんの考えも聞くことで、CCさんも嬉しいです。面接が盛り上がります。長所進展という教育方針があなたに響いて、みんながハッピーです。

実際のところ企業理念に対する想い、行動指針で何を大切にしているのか、社内でもバラバラだったりします。あえて違う捉え方を拾い上げることで、面接を盛り上げる手法はオススメです。最終面接が社長だったりすると、まず盛り上がります。

 

 

◆転職活動のポイント

【時期】これは就活と違いバラバラですので、転職から1年後くらいまでをイメージして臨みましょう。転職するタイミングをゴールにしないことが重要です。転職直後に仕事に集中できない環境の変化が起きて、詰んでしまうパターンになります。

就活との最大の違いは「あなたが転職しようと思っていることは誰も知りません」ということなので、就活で経験したプロセスを自分で計画的に進める必要があります。

【方法】

・知人紹介(信頼できる人に誘ってもらうのが、やっぱり最強です)

・求人チラシや求人サイトから情報を得る

・ハローワーク(企業目線で考えると、経費がかからないメリットがあるので求人数が多く、緊急性が高くない未経験採用も多い)

・転職支援サービス(キャリア面談を通じて、一緒に転職活動をしてくれますが、企業はあなたのことを採用するときに紹介手数料が発生するので、即戦力採用が前提)

【コツ】

①仕事上の実績を出してから転職する

もちろん限界はありますが、できれば嫌な環境、苦手な仕事だとしても何かしら成果が出るまでは頑張りましょう。次の面接でアピールできるものが弱いのは致命的です。

②その実績を説明できるように準備する

実績が上がったとしても「たまたまじゃない?」と思われたらアピールになりません。それは技術的な成果なのか、誰かの協力を得たのか、何かを変えたからできたのか、プロセスをまとめておきます。履歴書や職務経歴書を作成しながら振り返ってみましょう。

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③転職理由はクリアになるのか

転職は理由があってするものなので、その理由がクリアにならなかったら意味がありません。特に考えてもらいのは、現象よりも感情に目を向けるということです。

「残業が多いから辞めたい」

「ホワイト企業に行きたい」

は現象しか見ていません。

「何も決まらない会議のために残業するのはバカらしい」

「明らかにお客様のためにならない商品を提案するのは、気持ちの整理がつかない」

は自分の感情に向き合っています。

面接の場では、前職の悪口をペラペラ話すわけにはいかないので、表現方法を考える必要はありますが、このように避けたい感情は何なんだ?をクリアにすることを目標にしましょう。

 

 

④なぜここに応募するのか、説明できるくらい調べる

書類選考や面接をする企業の考えていることは

「別にウチじゃなくてもいいんじゃないの?」

「なんでウチに応募する気になったの?」

「ウチがどんなとこか知ってんの?」

です。つまり単に、希望する業界だから、希望する職種だから、だけでは応募しないことです。なぜ数ある企業からここを選んだのか、その企業の履歴書(基本情報や歴史)や職務経歴書(商材や魅力)を作るくらいの気持ちで調べましょう。あなたは履歴書と職務経歴書を作って出しているわけですから、ここまでやって50:50です。

⑤行動力をアピールする

これは就活とまったく一緒です。学生だろうが社会人だろうがベテランだろうが、とにかく動けることは必須です。

・思っていること

・言っていること

・やっていること

これらをしっかり繋げることは、転職活動でなくても成功への王道です。

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就活と転職活動のポイントをまとめましたが、いかがでしたか?こうして改めて考えてみると、就活や転職活動の仕方がそのまま仕事上の成果に直結することはイメージできると思います。

だからこそ、良い準備、早い準備、あらゆる想定、リスクヘッジ、ゴールイメージをしっかり持ってまずはラウンド1、就活に臨んでほしいですね。将来の活躍が楽しみです!

 

 

 

【正社員vs派遣社員】【職能主義vs職務主義】を比較して考える(文星芸大キャリアガイダンス2021年)

2021年度、文星芸術大学(栃木県宇都宮市)にて行いましたキャリアガイダンスの内容をまとめます。2年生に向けた通年のガイダンスということで

・春は適性検査や適正診断で「自分を知る」というテーマ

・夏は「芸大の学びと実際の仕事の関係性」ということで、主にデザイナーの仕事にスポットを当てました。

・秋は自己肯定感アップ、前向きに就活に取り組むための土台となる部分を考えました。

今回の記事は、12月のテーマ「労働市場と雇用形態」をまとめています。

夏と冬の計5回の講座を私が担当しましたが、最終盤を任せていただけることはありがたいですね。「同じ働くでも、どんな雇用形態があって中身はどう違うのか?」を事前に知っておくことはとても重要なテーマなので、なるべくシンプルに、そしてポイントを絞って伝えたつもりです。

将来の安心して働くためには?

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労働市場をざっくりと知るためにデータ(全国就業実態パネル調査2021)を見てみましょう。いざ働いてから定年を迎えるまでに、いったい何社で働くことになるでしょうか?

男性の場合、1社で働き続ける人は29%です。30代後半になると、転職経験のある人がない人を上回ります。

女性の場合、1社で働き続ける人は17%です。30代前半になると、転職経験のある人がない人を上回ります。極端な書き方はしたくないですが、女性はかなりの割合で転職すると考えていいですね。どうしても周囲の環境変化、自分自身の結婚や出産のようなライフイベントによってキャリアが途切れてしまいます。

このデータは全年代を対象に行っていますので、これから転職するカウントは当然含まれていません。

ここは私の肌感覚ですが、男性の転職割合は、公務員を除くと100%近いのではないでしょうか。女性は産休育休制度がしっかり整ってきたこともあり、数年前までは1社10%を切っていましたが結構伸びてきました。同じ職場に復帰する割合が高くなってきたということは「また戻りたい」と思える職場が増えたということなので、傾向としては企業にとっても本人にとっても良い流れです。

数字でざっくり見ましたが、転職自体が良いとか悪いということではなく、転職する方が普通だという意識で就活にも臨んでもらいたいです。

 

こういう講座では私はいつも話すのですが、すでに「大企業に入ったから安泰」という時代ではありません。大企業だって海外との熾烈な競争に疲弊している間に、ベンチャー企業が業界地図を塗り替えてしまう、こんな大逆転は当たり前の世界です。

同じように「公務員になったら安泰」という時代ではありません。公務員が何かのきっかけで転職することになったら相当大変です。頻繁に配属が変わりスキル習得ができない、経営感覚もない、ゼロからイチを生み出すような仕事の経験がない、などマイナス要因だらけです。

真面目に仕事に取り組んでしっかり経験を積んでいる現役公務員もたくさんいるのはわかっています。ただしキャリアの客観的評価となると相当厳しいのも事実です。

結局「どうなるかわからない時代だから、どうなってもいいように準備する」これしかありません。

 

 

どうなってもいいように準備する、とは何をすれば良いのでしょうか?

まずは働くにあたって、どういう環境で自分のためにキャリアを積むのか?を考えましょう。その第一歩が雇用形態の違い、特に正社員と派遣社員の働き方の違いを知ることです。ひとつずつ解説していきます。

 

正社員として働くとは

正社員として働くということは、単に「このくらい働いた」だから「このくらい給料をもらう」という関係では終わりません。国会をはじめ様々な場面で議論になりますが、日本の労働市場は2つの大きな特徴があります。

・正社員という終身雇用が前提の雇用形態がある

・企業は安易に社員をクビにできない

この正社員という雇用形態があまりに労働者を守り過ぎているので、雇用の流動化が起きない→社会人になってからの学び直しがほとんど起きない→結果的に日本全体のイノベーションが起きない、という弊害が目立つようになってきました。とはいえ企業が、正社員という労働者に安定を提供しているのは、良くも悪くも事実です。そのため、正社員として働くということは、次のような関係性も自然と発生します。

・会社は安定を提供する

・正社員は「この会社のために頑張ろう」と感じる

・会社は長く勤めることを前提に考えて、正社員を教育する

・正社員は自分の成長によって会社に貢献する

このような目には見えない、数字には表せない繋がりがあります。

反対にこの関係性に逆らったり無理があると、一気に働くことが辛くなります。古臭い表現ですが「恩は返す」という姿勢を持てるかどうか、これを基準に就活すると良いと思います。

 

同じことの繰り返しになりますが、正社員は長く勤めることが前提です。職場の雰囲気がそれなりに良いことも重要ですが「この会社で成長したい」と思えるかどうか、そして「(自分のことを)成長させた方が良い」と会社に思わせることができるかどうか、こういう視点を働きはじめてからも自問自答してもらいたいですね。

これができれば、日本の正社員はぬくぬくしているだけで成長しない、なんて海外のエグゼクティブに言われません。「終身雇用も悪くないね」なんて思わせるかもしれません。

 

 

派遣社員で働くとは

派遣社員はざっくりと歴史から振り返ります。

派遣という仕組みは古くは江戸時代からあったそうですが、1980年代までは禁止されていました。奴隷のように、という表現が当てはまるかどうかわかりませんが、人や労働というものを軽々しく扱う派遣会社(元締め)もいたりして、人材ビジネスの概念もありませんでした。

 

1986年に13の業種に限って、派遣という雇用形態、働き方が認められるようになりました。

大きな特徴が2つあります。今も根強く残っている悪習のような考え方、そしていつの間にか消えたまずまず良かった考え方です。

悪習は「常用代替の防止」です。簡単にまとめると

「派遣社員が活躍すると正社員のポジションが危うくなるから、そうならないようにしましょう」

という、誰のためなのかわからない考え方です。常用代替の防止があるので、派遣社員の雇用期間は限られていました。今でこそ雇用期間が伸びたり、ある条件が揃うと無期雇用などの働き方もできますが、そうするためには正社員の過半数以上の賛成が揃わないとダメ!みたいな信じられない仕組みが残っています。

 

もうひとつは、今となっては信じられませんが、派遣社員は「スーパーお助けマン」でした。認められた13の業種は、秘書、通訳、添乗員のように特別なスキルが必要なものばかりでした。ですから、有期雇用でいきなり仕事を失っても、どこかで必ずニーズはあります。

「スーパーお助けマン」は常に近くにいるわけではありません。どこか困っている職場で、限られた期間活躍して、収まったら次の職場へ移る、周りの正社員は「派遣さんが来てくれて助かった…」派遣社員はそんなプレミアム感のあるポジションだったわけです。

派遣という働き方がまだまだ認知度が低かったのですが、企業のニーズはありますので徐々に対象となる業種が拡大していきます。

 

1996年には26の業種、インテリアコーディネーター、デザイナー、アナウンサーのように、やっぱり特別なスキルが必要な業種で派遣が認められるようになりました。

ここでも派遣社員はありがたい存在です。派遣として働くプライドもあったことでしょう。

 

1999年、このくらいから派遣という仕組みが変わりはじめます。

日本はバブル経済が弾けて「あれ?いつになったら景気が戻るんだろう?」なんて呑気なことを考えていた頃です。派遣は原則自由化(26業種は最大3年、それ以外の職種も最大1年の派遣契約が可能)となり、企業にとっては派遣社員で必要な戦力を揃えることができるようになりました。企業と労働者が終身雇用となる正社員採用をしなくても、営業、販売、事務などが派遣社員として働けるようになりました。

企業にとっては「スーパーお助けマン」から「便利なハケン」です。ちなみに正社員採用って企業からすると、とても大変なハードルです。新卒一括採用で大量に内定を出して、そこから何年か教育して、いろんな部署を経験させて、しかも業績がどうなるかわからないのに終身雇用、これはものすごいリスクです。

派遣は「4月から営業事務が欲しい、時給は1200円、8時から5時、火水休み」のように条件だけしっかり明示すれば採用活動、雇用手続きをすることなく「営業事務ならある程度できます」みたいな人材を派遣会社が連れて来てくれます。しかも長期的な視点で育成する必要もありません。上手に派遣の仕組みを使う企業も増えました。

 

製造業の派遣解禁は歓迎された

2004年、製造業も派遣OKになったのは非常に大きかったです。

26業種は無期限、その他は最大3年、製造業は最大1年の派遣契約でしたが、この1年間の派遣契約というのが製造業にとっては最高です。景気やヒット商品の有無による忙しさの差が大きい製造業で、労働力を調整することができる派遣はとても歓迎されました。派遣社員が歓迎されたのもありますが、派遣が製造業に適用されたことの歓迎が大きかったと思いますね。

こうなると、忙しい時期だけ揃えたい、そしてヒマになったら減らしたい、毎日単純作業だから正社員がやるのはもったいない、これらを全部解決するのが派遣です。

 

実は派遣という働き方を望む派遣社員が多かったことも、後々の大問題を引き起こしました。

派遣社員は、決まった業務内容を契約で交わした通りの条件で毎日働きます。正社員のように「今日は課長が忙しそうだから、手伝った方がいいかな?」みたいに気を使う必要がありません。「課長がまだ働いているから、お先に失礼します、とは言いにくいな…」みたいな悩みも無用です。明日も明後日も同じ仕事です。「派遣の方が気がラクでいいや」となるのも無理はありません。

「スーパーお助けマン」だった派遣社員は、いつの間にか「便利なハケン」となり、この頃には「誰でもできる仕事はハケンにやらせる」こんなポジションに成り下がっていました。

それでも派遣社員は、派遣契約が終了しても不安に感じることなく、また次の忙しい製造現場に移ればOKでした。リーマンショックが起きるまでは。

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リーマンショックから派遣切りへ

2008年後半から起きたリーマンショック、これは世界全体の景気が悪くなったことが、バブル崩壊とは異なりました。

バブル崩壊は基本的には国内だけの自滅でしたので、海外には景気の良い国があったり、東南アジアのように勢いのある国があったり、まだ活路を見出せたのですが、リーマンショックは製造業全体がダメージを負ったのが痛かったです。

派遣契約の途中でも金銭を払って契約打ち切る「派遣切り」が横行しました。こうなると製造業で何年も派遣で働いてきた派遣社員は、世界中どこを探しても同じような仕事では働けません。製造現場は終身雇用である(つまり解雇できない)正社員の雇用を守らなければなりません。

 

企業は派遣社員を「労働力の供給弁」のように考えていたので、派遣契約を途中で打ち切るのは、当然の判断でもあります。

大問題となったのは、派遣切りで仕事を失った後に再就職できない現象でした。正社員は不景気で辞めないから求人数は増えない、同じような仕事を繰り返していたので30代になっても特別なスキルやマネジメントの経験がない、教育も受けてない、派遣社員にとっては全部が逆風でした。

今でも残っていますが、派遣社員と正社員の壁(ヒエラルキー)みたいなものが生まれたことは、人材ビジネス全体としては悲劇としか言いようがありません。

派遣社員に対する社会の見方は、完全に反対になりました。「派遣社員=正社員になれなかった人」という見方は根強いと感じます。

派遣社員はある意味、自分が望む職種で、自分に合った働き方ができる理想的な働き方です。しかし企業に直接雇用されていない、終身雇用でもないのはリスクがあるので、しっかりキャリアを自分でつくる必要があります。残業がない代わりに、空いた時間で自分で何かしらキャリアアップを狙って成長するしかありません。

 

正社員と派遣社員のどちらが正解ということはありません。それぞれにメリットはあります。特にデザイナーのように限られた職種の場合、最初から派遣社員としてアシスタントの道を選ぶのもアリだと思います。結局のところ、何があっても大丈夫な自分!にすることが一番の安心です。

 

職能主義と職務主義

最後に「職能主義」と「職務主義」について解説します。

いかにもキャリアの講座に出てきそうなタイトルですが、日本が徐々に「職務主義」に移っていることは重要な変化なので、考え方を理解してもらいたいです。

職能主義とは?

「職能主義」とは、平成前半くらいまでは日本の労働市場において主流でした。

あなたの職種が営業だとして、職能主義を一言で表すと

「あなたの営業力に限定して評価しているのではなく、あなた自身の能力を評価する」

という考え方です。

営業として一定の成果を出していたとすると、例えば課長に昇進してチームをまとめるポジションになっても、営業と同じくらいの成果を出すでしょう、人事に移動して採用活動を担当することになっても、営業と同じくらいの成果を出すでしょう、というものです。人事部に異動してもほとんど給料は変わりません。

 

「職能主義」は終身雇用で何十年もかけて、あちこちの部署を経験ながら幹部候補を絞っていく、日本の企業と非常に相性が良いです。短所としては、グローバル化で全世界で人材の流動が起きて、ものすごいスピードで変化する社会には合わないことです。

 

職務主義とは?

そこで「職務主義」です。

諸外国は有期雇用で「職務主義」なのですが、こちらも一言で表すと

「あなたの営業としてのスキルを評価している」

です。スキルと給料が直結しますから、企業はより高い成果を出すためには、本当に成果を出せるスキルを持った人材だけを集めるようになります。その結果「スキル=給料」となり「スキル=より良い転職先を探す力」となります。

この「職務主義」に移行する流れは止まらないでしょうから、この先もっとスキルを持つ、スキルを磨くことが重要になります。

 

どのように就活を乗り切って、やがて転職することになっても困らずに前に進めるのか、次回(最終回)にて解説します。

 

 

 

モチベーショングラフで自分に向いている仕事を探す(文星芸大キャリアガイダンス2021年)

どうやって自分にピッタリの仕事を探せばいいのか…

なかなか自信を持って「こういう選び方が正解です」とは言えないのではないでしょうか?キャリアコンサルタントとして、1000名以上の転職相談をしてきた経験ではっきり言えることは「絶対ダメな会社と絶対向いてない仕事、それ以外は正解にできる」ということです。ということで、絶対ダメな会社を変えることが相当難しいですが、自分の力でどうにかなる「絶対向いていない仕事を避ける」にフォーカスします。

 

2021年9月、栃木県宇都宮市にある文星芸術大学にてキャリアガイダンスを行いました。2年生が対象だったので本格的な就職活動は1年先ですが、手当たり次第に動いてもダメですし、先行き不透明で逆に動かないのもダメなので、仕事を探すためのヒントを解説しました。その内容を改めて今回の記事にまとめています。

仕事を探す第一歩は自己分析です。「入社してからこんな会社だとは思わなかった…」と後悔してしまうのは、会社に問題があるよりも自分のことをよくわかっていないケースが非常に多いです。自己分析をするために、カウンセリングの現場でも活用するモチベーショングラフというツールを使って、仕事をどのように探せばいいのか紹介します。

・初めての就職活動だけど、どんな仕事が向いているかな…

・やりたい仕事を選んだはずなのに、辞めたい…

・自己分析ってどうすればいいの…

と考えているのであれば、参考になると思います。

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まずはPCや手書きで作成した、下のような横軸が時間、縦軸が%となるような表を準備します。私が行ったキャリアガイダンスは2年生向けだったので、大学入学をスタートにして1年半の時間を横軸にしていますが、すでに何年も働いているのであれば、3ヶ月ごと、半年ごとくらいの区切りで構いません。社会に出て働いている期間を網羅することが必要です。

縦軸は0%〜100%で、仕事や勉強に対するモチベーションを表します。この横軸と縦軸を書いたら自分のモチベーションがどのように変化していったのかグラフにしてみましょう。

 

講座でサンプルとして書いたグラフは、以下のようなものでした。大学に入学してから1年が経ち、2年生になって折り返しってタイミングなので、私なりに「自分が芸大生だったらこんな感じかな…」とイメージしながら、モチベーションの変化を書いてみました。

最初の1年間は

①入学しても緊急事態宣言により、ほとんど出席することがない

②どんどんモチベーションが落ちていく…

③徐々に学校に出席するようになって、大学生らしい生活に

④アルバイトをするようになって、新しい遊び仲間が増えた

⑤自分で稼ぐって楽しいな!と思うように

こんなストーリーです。それから2年生になり

⑥課題が難しくなり、デザインに対する自信がなくなってきた…

⑦あまり熱心に勉強しない日が続いた

⑧ちょっとずつ慣れてきて、デザインのコツがわかった気がする

⑨また少しだけ自信を取り戻した

というように、入学直後にガクンとモチベーションが落ちて、でも大学生らしい生活になってきてアルバイトが楽しくなってきて、そこへ課題が難しくなって気持ちが落ちて、でも慣れてきたので、どうにか入学した頃のモチベーションを取り戻してきた、というモチベーションの変化になっています。

モチベーショングラフは、いつが何%だったかはほとんど仕事選びには関係なく、モチベーションが上がったり下がったりするタイミングにフォーカスすることが大切です。今回のサンプルで大切な変化はどこになるでしょうか。

①→②を考えてみると「やっぱり自分は普通に大学に通って、みんなと勉強したい」という気持ちがあるのかな…と自己分析ができるかもしれません。続きを見てみましょう。

④→⑤については「デザインに興味があったけど、そもそもみんなと仕事をするって意外と楽しいな」と改めて発見があります。このように、なぜ自分のモチベーションが上がったのか、起きていた出来事と繋げて考えることがポイントです。

⑥→⑦は難しい壁にぶつかったときに、自分がどのように感じて影響を受けるか知ることができます。壁にぶつかって「やってやろう!」と真正面から戦う人もいるでしょう。反対に、壁の大きさに気持ちが切れてしまう人もいるでしょう。どういう気持ちになるとモチベーションが上がったり下がったりするのか、これを考えやすくするために、先にグラフを書いて「なんで気持ち上がったんだっけ?」とか「この頃やる気がなかったのは、何がダメだったんだっけ?」と振り返る、この順序が大切です。

⑧→⑨コツコツ頑張る自分を発見できるかもしれません。確かにモチベーションが落ちてしまっていたけど、まったくゼロになるわけではなく、コツというか突破口を発見することでモチベーションがまた上がっています。

 

この自己分析を仕事選びに応用します。

このサンプルで考えると、具体的な職種まではたどり着かなくても、こういうタイプの仕事が向いているのではないか、こういう仕事は向かないから避けたほうがいいな、とヒントが見つかるはずです。

・ひとりで取り組むよりは、仲間がいた方が頑張れる

・芸術とかデザインの仕事にこだわらなくてもいい

・難しい仕事でも構わないけど、乗り越えるのは時間かかるかも

向いていない仕事の種類で考えると、ある程度自分で考えて工夫して、あちこち1人で移動するような働き方でしょうか。この先いろんな経験を積んで考え方が変わる可能性は大きいです。経験を積むから自己分析の精度が上がることもありますし、途中で何か新しいモチベーションスイッチを発見するかもしれません。

決めつけで可能性を狭めてはダメですが、ある程度仕事探しの方向性は決まると思います。冒頭に紹介したように、絶対向いてない仕事は避けることを最優先にしましょう。

 

就職活動だけでなく、30代や40代、いくつになってもモチベーショングラフは役に立ちます。「あの頃はこんなことがあって大変だったなぁ」とか「あれは楽しかったなぁ」とふんわり振り返っても自己分析にはなりません。転職するかどうかは関係なく、これまでのキャリアを振り返ったり、これからを考えるときに自分を客観的に見ることができます。

自分に向いている仕事を探す、自己分析をする、いろんな場面でモチベーショングラフを参考にしてみてください。

 

 

 

学生のうちに考えてほしい大切なこと(文星芸大キャリアガイダンス2021年)

キャリアコンサルタントとしての経験も含めて、全3回で「デザインの仕事って何だろう?」を中心に解説してきました。今回の講座ではデザインに限らず、仕事の仕方っていうものにフォーカスしています。

・仕事の現場ってこういう雰囲気だよ

・仕事をするときに本当に大切なことって何かな?

を考えてもらいました。どんな仕事に就いても芸大で学んだ内容を発揮して、そして活躍してほしいと願っています。2021年9月15日に行いました2年次向けキャリアガイダンスの内容をダイジェストで紹介します。ほぼ口語原稿なので読みにくい点もあるかと思いますが、ご了承ください。

 

【ざっくりとキャリアの積み方は2パターン】

私はこれまで1000人以上の転職希望者と面談をしてきました。直接顔を合わせて面談することもありますが、件数では電話面談の方が圧倒的に多いです。コロナ禍、リモートワークもありましたしね。

転職をするということは、人生にとって一大イベントです。ダメならまた探せばいいや…と割り切る人も少数派で存在しますが、仕事は人生の時間で考えると大半を占めますし、生活に直結するので真剣に転職に向き合います。そうやって真剣な転職活動をサポートするべく面談をしていたわけですが、転職希望者のキャリアに対する考え方は大きく分けると2パターンに分かれます。ざっくりですが、以下の通りです。

①自分で決める人

②流されてる人

かなりざっくりですが、私の見解です。

 

①自分で決める人は、周りの意見も聞いたり、時には時間もかけて熟考したとしても、きちんと自分で決断して動ける人です。こういう人は、まず他人のせいにはしません。自分の決断に責任を持って、新しい職場に臨むので活躍する可能性は非常に高いです。完全に自分に向いてない業界や職場に行かない限り大丈夫ですね。

②流されてる人は、進路の決め方、就職活動、転職活動、その他諸々、多くの場面で自分では積極的に決断せず、言われたからこうする、こっちの方が良さそうと聞いたからこうする、のようにどこか他人任せです。それの何がダメ!ということはないのですが、見ている限り新しい職場でも同じことを繰り返します。

「納得できない上司がいる」

「職場にやる気が感じられない」

「みんな辞めた方がいいって言う」

こんなセリフを普通に言ってしまう転職希望者は、ちょっと注意してヒアリングをするようにしていました。もしどこかの企業に面接に行き、同じ転職理由を説明したとしても面接担当者は確実に「それはあなたにも問題があるんじゃないの?」と考えるからです。

 

できれば人生の大きなイベントでは、自分で決める人であってほしいと思っています。その方が後悔もないです。文星芸大でデザインの勉強をしていて、ひょっとしたら「なんでこの大学に入ったんだっけ?」と迷うこともあるかもしれません。流されるように入学した過去があっても大丈夫、今からは「自分で決断して入学したんだ」と決めてしまえばいいのです。

 

 

【デザイナーってどんな仕事があるの?】

前回の講座でも解説したので、今回はまとめみたいな感じです。これも大きく分けると2パターンに分かれるでしょう。グラフィックデザイナーとWEBデザイナーです。

・グラフィックデザイナーはCGを駆使する場面も多いでしょうが、基本は紙媒体です。どんどん紙の需要は減ってきている流れですが、チラシ、ポスター、DM、パッケージ、名刺、数え上げたら紙媒体はキリがありません。需要は続きます。

・印刷に関する知識

・紙に関する知識

・デザインの基本

を抑えておくことが重要です。これらはこの先何年、何十年経っても大きく変わることのない技術です。基本を叩き込まれていると、いざというときに心強いです。

・WEBデザイナーは画面に映る媒体なので、ホームページ、ランディングページ、バナーなどが思い浮かぶでしょう。WEBデザイナーは見た人がその後の操作に続く点が、グラフィックデザイナーと全然違います。クリックしてもらう画面設計、使いやすさが求められます。

「紙に強い」or「WEBに強い」どちらが良いということではなく、どちらかに強みを持っているけど、両方わかる!これなら間違いないですね。ぜひ長い学生生活を送りながら、何かだけを極めるのではなく手を広げてみてはどうでしょうか。

 

【デザイナーになるには?】

いくつか方法はありますが、代表的なものでは

◇プログラミングスクールに通う

◇独学で進める

◇学校で学んで新卒で入る

があります。正直皆さんの性格やライフスタイルによって何が向いている、向いてないがあると思いますが、一般的には以下のようにまとめられるでしょう。

◇プログラミングスクールは、費用がかかるがオンラインで学ぶシステムも増えてきて、かなり受講するハードルは下がっていると感じます。社会人がキャリアチェンジを狙って隙間時間で勉強する例を何件も聞いています。金額的にも時間的にも自分に対する投資になりますが、その分同じ気持ちで頑張る仲間に出会えたり、学校求人もあるので就職には有利な面があります。

◇独学が向いている人は、どんどん時間を惜しんで進めれば良いと思います。リアルな話、そういう人の方がプログラミング系の仕事は向いてます。独学の大変なところは、ある程度できるようになっても、その先に営業力が必要になることでしょう。営業力が低いと新しいクライアントを捕まえることは至難の技です。今は情報発信するツールはメチャクチャあるので、ひょっとしたら誰かの目に留まるかもしれませんが、どんなにいいデザインでも、クライアントの要望が叶っていなければボツです。納期交渉、金額交渉、コンペやプレゼンと自分の想いをぶつける場面は多いですが、ここに苦手意識があるとかなり厳しい戦いですね。

◇新卒で業界に飛び込むのが、どこからどう考えても総合的に安心です。雑に新卒採用をしている企業はほとんどありませんから、きちんと新人研修や育成カリキュラムがあるはずです。現場でバタバタ振り回されて、まったく自分のやりたいことと違っていても、その業界に入っている時点で相当有利です。雑用であっても経験を積んで、デザイナーと知り合える、話が聞ける、これだけでも飛び込む価値はあるでしょう。

以前の講座で皆さんの将来について希望を聞きました。デザイン関係がやっぱり多かったですが、もし興味が多少あるならしっかり企業研究をして迷わずチャレンジしてほしいですね。数年経ってから再チャレンジ、は相当ハードルが上がってしまいます。

 

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【今のうちにやってほしい10のこと】

(ぱちぱちデザイン氏を参考にさせていただきました)

①デザイン完成物を広く見る

→大きく紹介されてない情報も集めて、視野を広げる、つまりいつも「デザイナー目線」を持って街を歩く、建物を見る、洋服を見る、小物を見る、ポスターを見る、そんなイメージですね。

②数冊の専門書を読んでおく

→なんだかんだで専門書をたくさん読んでおくことは自信になります。何よりも「自分に合った1冊」を見つけておくことが大切です。「気に入っている本はありますか?」と聞かれたときに、待ってましたとばかりに答えたいです。何事もカタチから、でいいと思います。

③活躍しているデザイナーを調べる

→「誰々みたいになりたい!」はわかりやすいモチベーションになりますね。なぜ活躍できるのか考えてみましょう。

④既存作品をトレースしまくる

→その制作者の心理を追うことは貴重な経験です。トレースをたくさんするとスピードがどんどん上がる、これも必要なスキルです。

⑤デザイン先進国の情報を収集する

→特に北欧、残念ながら私は行ったことがないので、言えることは少ないですが「社内研修で北欧に行ってきた」という企業は数多いですよね。そうやって、基準を上げることに投資をする企業はやはり魅力的です。目に入るもの全部にデザインを感じる、こんな環境に自分からも足を運べるといいですね。

⑥趣味でも作品を作る

→仕事でデザインを扱うようになると、びっくりするくらい思うようにできないはずです。クライアントや社内の意向が働いて、制約だらけで何かを作ることになります。あえて何の制約もなく作る習慣を持っておくと、何かと救われます。ストレス発散みたいな意味もありますが、意外と制約だらけで作ってばっかりだと「自由に作っていいよ」と言われても手が動かなくなってしまいます。

⑦就活先の情報をしっかり調べる

→メイン商材、サブ商材、他社との違い、そのあたりは少なくとも調べましょう。むしろこの3点をしっかり押さえれば、企業との面接でもそれほど困らないと思います。しっかり調べるときにあちこちに手を広げるのではなく、絞って深く、これを意識しましょう。

⑧業界でのアルバイト経験を積んでおく

→これは長期でもスポットでも構いません。とにかく少しでも足を突っ込んでいるかどうかで、かなり考え方、話し方が変わります。何よりこれも自信になります。

⑨何かを極める気持ちで取り組む

→仕事をするとどうしても、成果を出すことを望んでしまいますが、時間がかかるものを少しずつ極める、この姿勢は忘れたくないですね。目の前の仕事に忙殺されることもあるでしょうが、いつかはこれができるようになりたい!はモチベーションを維持するためにも大切な気持ちです。

⑩仕事の進め方を知っておく

→学校での学びはどうしても個人戦だったりチーム戦です。実務の現場では、周囲との連携や取引先との調整が仕事の成果を分けてしまいます。一言で表すと「作るよりも、作ってからの方が重要」ということです。ちょっとわかりにくいかもしれないので、⑩についてはワークで進めてみます。

 

【ワークA】

・あなたはWEBデザイナーとして、●●工業のホームページを作成しています。

・あなたの上司が、●●工業のホームページ作成についてディレクション(監督)を担当しています。

・あなたがプログラミングを進めているホームページが、やっと全体的なイメージができてきて、後は細かいところを作り込む段階です。

・そんなある日、●●工業に進捗状況を伝えたところ「発注していた雰囲気と全然違う」と指摘を受けました。

・納期が迫っており、すぐに作り直しが必要です。

・上司に相談したところ、上司も何が問題なのか、ピンときていないようです。

・この状況、あなたは「何を反省しますか?」「今から何を行動しますか?」反省、行動を2つに分けて返信してください。

 

【LINE回答(反省)】

・少し違うならともかく、全然違うならそもそもの全体的なイメージが違うんだなと反省する。

・クライアントと直接相談しなかったことを反省する。

・進捗をもっと細かく送れば、もう少し早めにクライアントとのイメージのズレに気づけた。

・全体的なイメージに入る前に、いったんディレクターにこのデザインで問題点はないか?このまま作業を進めて良いのか?を確認する。

・もっと早くイメージを固めて、余裕が持てるスケジュール管理をしていなかったことを反省する。

・クライアントにホームページの制作の途中経過やラフ案を見せて、雰囲気やデザインが合っているかの確認を聞くべき。また上司から、どのようにデザインするのかを詳しく聞く必要があったと思う。

・クライアント(●●工業)と上司と自分の意思疎通、コミュニケーションが上手くいってなかった、足りていなかったことを反省する。

・クライアントと上司を通して、細かくイメージを共有しておくべきだった。

・全体的なイメージがまとまった段階で、クライアントにフィードバックしなかった。そもそも最初にイメージ案をいくつか提示し、共有しておくべきだった。

・ホームページ制作の半分になったときに●●工業に確認する。

・制作初期にクライアントに確認するべきだった。

 

【LINE回答(行動)】

・上司がクライアントから受け取ったプログラミングが、ちゃんと合っているか直接クライアントに確認する。

・可能であれば延期、無理なら完成しているところ以外のプログラミングを変更して、クライアントが言っていたものに変更していく。

・上司と自分で何が違うのかをお互いが納得するまで話し合う。そのうえで、自分のデザインの意図を説明する。それで上司が納得すればそれで良いが、指摘されるのであれば修正する。

・違うものを作ってしまったことを謝罪し、クライアントに細かくイメージを教えてもらう。

・クライアントの話を聞きながら、できるだけ要望通りに修正する。

・クライアントの求めるイメージとこちらのイメージが、どうズレているのか、こと細かに確認し直す。

・何がダメなのかをディレクターに聞いて、短い期限の間にどう修正するのかを相談する。

・可能であればどこが違うのかクライアントに聞き、ディレクターに方針を提案する。

・上司に何が問題かを明確に伝える。クライアントに状況を話し交渉する。

・今からクライアント(●●工業)とできるだけ多く確認を取りながら、現在できているホームページを元に、少しずつ取引先の希望に沿うようにプログラミングを進める。

・クライアントの要望を具体的に聞き直す。

・大至急、クライアントとのイメージのすり合わせを行い、イメージを修正。すでにコーディングの枠組みは終わっている段階であろうことから、そのプログラミングをできる限り再利用し、デザインの修正に集中、時間を節約する。

・直接●●工業と上司と自分で一緒に相談する。もう1回真剣に確認する。

・クライアントに「発注していた雰囲気」を確認しに行く。

 

回答を見る限り、皆さんのポイントは押さえてありますね。きちんと行動まで考えてくれています。このワークでは「報告・連絡・相談」よく言われる言い方では「報連相」の大切さを学んでほしいと思います。特に新人のうちは「相談」です。自分からどんどん相談する、これが大きく迷惑をかけないコツです。もうひとつ、こんな状況であなたならどうする?というワークを考えてみましょう。

 

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【ワークB】

・あなたは●●工業のホームページを作成していますが、次回打ち合わせまでにある程度は完了させなければならないので、作業に追われています。

・実は前日、後輩が「忙しすぎて仕事が嫌になっている。会社を辞めようと思っている」と相談してきました。今日どこかのタイミングでゆっくり話をすることになっています。

・そこへ、以前担当した◇◇産業から相談があり、顧客管理システムの修正依頼が届きました。個人情報のデータ化にエラーが起きており、早急な対応が必要です。

・今日の午後は月に1回の経営会議があり、夜遅くまでかかってしまうかもしれません。あなたならこの状況、どのように対応しますか?

 

【LINE回答】

・後輩には「仕事にことで」ということで、また別の日に変えてもらい、まずクレーム対応を優先し、次に会議の順で対応する。

・申し訳ないが、後輩には「会議で今日は難しい」と日程をずらしてもらう。◇◇産業の対応をし、午後会議に参加する。帰ってホームページの作業を少しやって早く寝る。早く起きて作業をする。

・夜遅くかかってでもやる。時間をずらすなど調整して終わらせる。

・優先順位を決めて、できそうにないことは断る。

・先輩に相談する。

・代わりにできそうな人がいないか相談する。今この作業があって(会議に)出るのが難しいと連絡する。後輩に関しては「また今度」と別の日にしてもらう。

・後輩との話を明日にできるか、こちらの事情を含めて相談する。エラー対応は自分の他にできる人に相談し、その人が向かうことを相手側に伝える。午前中にホームページをある程度完成させ、午後は会議に出席する。

・エラーの対応は早急なので一番に優先し、会議が終わった後に別日に後輩の相談とホームページ制作の時間を見つけつつ進める。

・エラー対応を早急に行い、午後の会議までにホームページ制作をできるところまで行う。会議は遅くなると予想されるので、後輩の相談には昼食時かホームページ制作が落ち着いてから。

・経営会議には参加。後輩には申し訳ないが「ゆっくり話をする」ことが大切だと考えるし、タイミングがないため翌日にできないかどうか連絡。どうにかして翌日に時間を設ける。後輩の都合がつけられなければ別の形で。

・会社のことを最優先して、その後先輩、そして後輩のこと。

・エラーの対応を最優先(会議の出席については上司に相談する)→後輩に夜遅くなるけど、それでも大丈夫か連絡しておく→ホームページの作業をする(おそらくまだ時間に余裕がある)

 

このような状況はよくありますね。ここでこのトラブルが起きるのか…と天を仰ぐ経験は誰だってあります。回答は【ワークA】よりもバラついたイメージですが、時間を犠牲にしても仕事を進める回答が多いですね。それが良いかどうかは難しいですが、少なくても「最後は自分がどうにかするんだ!」という意識は絶対必要です…

何人か回答してくれていますが、この状況をしっかり上司に伝えて相談するのが間違いがないです。確実にダメな例は、全部やろうとして空中分解することです。そうならないためにどうするか?これを考えなければなりません。しかも数分で。実際のところデザインどころじゃないですよね…

 

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続いては、公務員の仕事でケーススタディをしてみましょう。皆さんは芸大でデザインを学んでいるので、デザイナーを前提に仕事の話をしてきましたが、もう少し一般的な誰にでも当てはまりそうな状況でワークを考えます。実際にあったエピソードを元ネタにしていますが、かなり設定は省略して数字もわかりやすくデフォルメしています。

 

【ワークC】

・大地震が起きて、あなたは避難所を管理する担当になりました。

・体育館に400人が避難しており、老若男女、健康な人も病気がちの人もいます。

・そこへ少し離れた町の食品工場から、ケーキ300個の差し入れがありました。

・個数が合わないからといって、違う避難所に持って行くことはできません。

・400個に揃えることも難しいです。

・この状況、混乱なく収めるために避難所担当のあなたはどうしますか?

 

【LINE回答】

・健康な人はなるべく2人で1つ、または家族で一まとまりとして家族何人に対して何個など数を決める。数は体調、年齢に伴ってそれ相応の数にする。

・300個のケーキを全部小さく切る。400個の器に均等に盛って渡す。

・まずは子どもに与えてから、その後は動けなそうな人に欲しいか聞いて、余ったものは元気そうな人達でジャンケンなどする。

・販売する。

・ケーキをすべて4等分して、1200個の一口サイズのケーキとして1人3個ずつ配る。

・子ども(18歳未満)、60歳以上の老人を優先する。

・アレルギーのある人の人数を調べて、その人を除いた子どもにまずケーキを配り、余ったらもらっていない家族に1つずつ配る。

・全員が1人1個ではなくて、家族などの団体に対しては2人につき1個などにする。

・子どもから優先的に配り、残りは2等分して配る。

・1人、1/2と1/4ずつ食べる。

・まずは幼い子どもから配る、その後順当に配り、配れなかった人には次の支援物資を多めにする。

・優先する人は、おなかが減った人、元気のない人、子ども、老人、健康な人。

・1個人ではなくグループで割れるように配る。

 

やはり「均等に分ける方法を考える」とか「優先順位を決める」という回答が多かったですね。真剣に考えてくれていました。公務員であるあなたが避難所を担当しているわけですから、ある程度公平性を持って、でも善意のケーキを無駄にすることなく、みんなに喜んでもらいたいですね。

大正解があるわけではありませんが、実際にうまくいった例として以下の方法を紹介します。

・400個のケーキを200個ずつの段ボールに分ける。

・体育館の両端から200個入った段ボールを回していく。

・2つの段ボールが中心付近で合流するはずなので、余った分はもう一度体育館の両端から回す。

この解決方法すごくないですか?

とにかく端から回していくと、勝手に「あ、俺は別にいいよ」と次に回したり「ウチは家族で1個で大丈夫です」となって、自動的に奪い合いにならずに調整されます。これこそ「奪い合えば足りず、譲り合えば余る」の考え方ですね。しかも全員に段ボールが回っているので、公平性も保たれています。誰からも文句は出ません。

きちんと考えて、計画的に物事を進めていくことは大切ですが、意外と人の善意を信じて「エイッ」とやってしまってもいけるもんですね。仕事ってこんな発見もあるから、大変でも楽しさがあります。

 

全3回で、芸大での学びと実際の仕事の関係性をテーマに講座を行いました。仕事の中身については、結構厳しい側面も紹介したつもりです。安易に業界を選んで「こんなはずじゃなかった…」と早期に辞めてしまい、芸術から一切身を引いてしまうのはホントにもったいないです。極端にダメな企業以外は、基本的にどこに就職しても大丈夫です。大正解を探して自分を見失ったり、内定が取れなくて悩むくらいなら、就職先を好きになってしまった方が確実にエネルギーを無駄にしません。どんな業界にも楽しさ、やりがいがありますので、勇気と元気を持って社会に飛び込んでほしいですね。

最後のパートでは、より自分に合った就職先を見つけるためのヒントを紹介します。

 


 

芸大の学びって将来どう活かせるの?②【デザイナーを目指すポイントとは?】

「デザイナーを目指したいけど、何を勉強すればいいの?」

2021年7月21日、文星芸術大学で行いましたキャリアガイダンスの動画紹介です。全3回シリーズのうち2回目ですが「芸大で学ぶ内容は仕事にどう生かせるのか?」私なりにまとめました。

前回行ったアンケートの結果、就活で製造現場を希望する学生は1人もいなかったので、何人か興味があるようだったデザイナーに特化して構成にしています。まずは日本の製造業をざっくり解説です。

 

 

製造業の全体像を知ってもらったので、デザイナーについて以下の4つの職種に絞って、その職種を目指すスキル上のポイント、目指すメリットを解説しました。

・WEBデザイナー

・イラストレーター

・アートディレクター

・インダストリアルデザイナー(工業デザイナー)

イラストレーターは幅広い表現ツールがあるので、自分が得意な方法でクリエイティブなことにチャレンジしたいのであれば魅力的です。しかしながら、どの道を進みにしてもITスキルは必須ですね。長い目で見れば、ITに詳しい方が圧倒的に可能性が広がります。

 

「デザイナーを目指しています」とひと口に言っても、そのために必要なスキルや考え方があるので、まだ具体的に動いていないのであれば、少しでも将来を意識して手を動かしてもらいたいです。

 

 

芸術に関する知識や経験を活かせるので、芸大からデザイナーを目指す方は多いですが、結果を出し続けて活躍するのは大変です。もちろん芸術に関する経験はあった方が良いのですが、実際に活躍するために必要なポイントを伝えています。

ひょっとしたら「そんなに大変だったら、デザイナーを目指すのはどうしようかな…」と弱気になってしまうかもしれない内容ですが、働くようになってから理想と現実のギャップに悩んだり、就活の後半で進路変更を余儀なくされるのは避けてほしいです。やっぱりある程度の情報を得た状態で、覚悟を持って業界に飛び込んでほしいですね。

 

 

実はどんな仕事をするにせよ、営業力があれば怖いものなしです。営業職は「ガンガン売る」というイメージを持っている学生もいると思いますが、営業力とは「何を言っているのかしっかり聞き、伝えたいことをしっかり伝える」これに尽きます。

もちろん芸術系の仕事であっても「クライアントの要望を理解して、自分の作品を正確に伝える」これができないと、残念ながらその他大勢に埋もれてしまいます。

 

 

今後の講座は就職活動、転職活動の中身について解説してます。

 

 

 

芸大の学びって将来どう活かせるの?①【デザインで人に喜んでもらおう】

栃木県宇都宮市にあります文星芸術大学にて、2021年6月にキャリアガイダンス講座を行いました。本格的な就活までは1年近くあるわけですが、私の経験も踏まえて「芸術を学んで、どのように社会で活躍するのか」を伝えることが目的です。

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栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。全3回で芸術(デザイン等)と様々な仕事との関係性を紹介するシリーズですが、イントロダクションを挟み初回のテーマは

・芸大での学びとサービス業の関係性

・芸大での学びと事務職の関係性

です。90分の講座ですが、4つの動画に分けてまとめています。もし芸術大学で学んでおり、将来のことを考えなきゃ…と考えていたり、サービス業や事務職に興味を持っているのであれば、参考にしてもらえると幸いです。

最初の動画は、イントロダクションとして自己紹介が中心です。

 

 

中盤では、具体的な仕事の中身に入る準備として

・あなたにとって仕事のイメージは?

・あなたの就活成功とは何ですか?

・就活成功のポイントは何だと思いますか?

を考えてもらいました。昨年度に続いてラインを使って一斉にアンケートを送って、自由に意見を集めて共有する、そのようなスタイルで生徒全員に片足突っ込む程度の参加型で進めていきました。

 

 

いよいよ本題のサービス業です。サービス業は店舗型の働き方だと、チラシやPOPを作ったり、何かとデザインスキルを発揮する機会は多いのではないでしょうか。芸術にチャレンジしたくて大学を選んでいる時点で、芸大の生徒は活躍する可能性は非常に高いです。

それは単にデザインを学んでいるというだけではなく、何かにハマる能力が非常に高いと期待できるからです。そういう意味でも勉強は勉強で頑張ってほしいですね。

 

 

アンケートの結果、事務職を目指す生徒は(昨年度に続き)ゼロだったのですが、何か人生のターニングポイントで選ぶことは多いと思います。社内外に関する事務処理に追われる事務職ですが、意外と作成物も多いのでクリエイティブなマインドがあると仕事を楽しめると思います。

 

 

次回7月の講座では、営業職と製造業に関してまとめます。 

 

 

 

「残業が多すぎる」納得してもらえる退職理由とは④

転職エージェントとして日々転職のサポートをしていますが、退職理由は本当に大切だと実感しています。面接でもほぼ必ず聞かれる退職理由ですが、あなたの退職理由が「残業が多すぎる」であった場合に、どのように伝えるのが効果的でしょうか、考えてみたいと思います。

例えば「残業が多すぎる」という退職理由をストレートに伝えてしまうと、面接担当者に「この方はあまり働きたくないのかな?」と心配される恐れがあります。これは避けたいですね。

企業側の目線を考えてみる

猛進型でバリバリ働きます!までの心意気は必要ないでしょうが、企業側の目線で考えると「少なくとも仕事に積極的に向き合う方を採用したいな」が本音でしょう。仕事に対して消極的、会社に貢献する気持ちが1ミリくらいしかない新入社員は、現場に配属されても迷惑です。

面接において、あなたの退職理由をどのように伝えるべきでしょうか。

 

「残業が多すぎる」という退職理由を誤解されることなく表現を変えて伝えるには、いくつかパターンが考えられますが大きく2つに分けてまとめます。参考にしていただけると幸いです。

 

感情論でなく、客観的に残業が多すぎる事実を伝える

「残業が多いので辞めようと思いました」と言うのは簡単ですが、面接担当者は「多いってどのくらい多いの?」と当然思うはずです。

ひょっとしたら「オマエさんよりオレの方がよっぽど働いていると思うよ」と心の中で思いながら「そうなんですね」と笑顔で返してくるかもしれません。面接担当者に「そんなに大変なら、そりゃ辞めたくなるよね」と共感してもらうにはどうすれば良いでしょうか。

忙しい時期はどの企業だってあります。

あなた以外の社員も退職したり入社したりで戦力は変わるので、どうしたって残業が発生するのはしょうがありません。こういう状況の残業は納得して対応できる、納得できない残業がある、先の見えない残業は厳しい、など目の前に座っている面接担当者が納得できる退職理由を伝えましょう。

「忙しい状況で残業が発生するのは、まったく問題ございません」

「日中ダラダラ仕事をするせいで夕方以降の無駄な残業が発生しており、問題意識を持った同僚と改善を提案してきたが、まったく現状を変えようとしない現場の雰囲気でした。少なくともこの環境が原因で先輩社員が2名辞めており、現場発信で現状を打破するのは難しいと感じています」

「明らかに必要な人員が揃っておらず、慢性的に1日3時間以上の残業が発生しており人員補充が必要な状況でした。会社として自動化やシステム導入など環境改善をする考えもなく、新しい社員を採用する動きもないので、このまま働き続けることに不安を感じていました。辞めたかったら辞めていいよ、と上司はいつも口走っており現場の雰囲気は殺伐としていました」

ここまで模範的な回答をする必要はありませんが

・現象だけを見て「残業が多い」と言っているわけではなく

・客観的な事実を伝え、あなたがその事実に対してどう感じているのか(つまり、どういう感情を避けたいのか)

このセットで伝えるようにしましょう。

事実と感情のどちらかだけでは言葉足らずになります。少なくともあなた自身が原因で残業が発生しているわけではなく、誰が聞いてもその状況は厳しいね、と共感してもらえる伝え方を考えておきましょう。

 

プライベートに対する必要性や価値観を伝える

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「ワークライフバランスを改善したい」という退職理由は多いです。

我々のような転職エージェントとの登録面談で聞く場合もありますし、面接時に退職理由を聞かれて回答する場合もありますが、ひょっとしたら面接担当者は「仕事から早く帰って、何をそんなにやりたいことがあるの?」と思っているかもしれません。

・保育園の迎えがある

・家事との両立をしなければならない

・何か勉強や通学をしている

のように、強制的な理由があるのなら問題ありませんが、独身で何か働く時間に対して制約があるわけでもなさそう、そのような環境だとしたら注意が必要です。

私自身も一定のラインを超えた長時間労働は反対です。効率が悪くなるだけですし、心身に負担がかかります。何かをプラスアルファで勉強しよう、実践してみようと考えても時間に余裕がなければ無理が出てしまいます。

ワークライフバランスは人それぞれの考え方、価値観、経験、環境、タイミングで決まるので「このバランスが最適じゃないか」という正解はありません。その代わり納得解を準備しておくようにしましょう。

「ワークライフバランスを改善したい」という退職理由を伝える際は、改善することで何がしたいのか答えられるようにしておきます。

・誰かと過ごす時間を確保したい

・趣味の動画編集をもっと勉強したい

・本を読んだり誰かを会ったり自己投資に費やしたい

このように何かしら説明して納得してもらわないと、無駄にあなた自身の評価を下げてしまうのでもったいないです。

 

一般論ですが、ざっくりと「あなたのことを知りたい」と思ったら「あなたのお金と時間の使い方」を教えてもらえれば充分です。しかし、ストレートに「お金と時間を何に使っていますか?」と聞くのも漠然としていて、どのようにも答えられるので難しい質問だと思います。

残業に対する質問は、あなたがどれだけ残業に耐えられるのか聞きたいのではなく、時間に対する考え方、価値観を聞いていると思って答えると良いです。そうすることで「できれば月間20時間以内に抑えたいです」みたいなツッコミどころ満載の回答にはなりません。

 

「残業が多すぎる」この退職理由について、中身をしっかり伝えることであなた自身の評価を高めて、その一方で面接している企業が残業に対してどのようなスタンスで対策を講じているのか確認できると理想的ですね。参考にしていただけると幸いです。

 

 

 

「将来性に不安」納得してもらえる退職理由とは③

「今の業界の先行きに不安を感じています」

「会社の将来性に不安を感じています」

「会社のシェアが大幅に低下していて業績が厳しい」

転職エージェントとして求職者の方と面談をすると、このように退職理由を説明していただくことがあります。先々に不安があるのは共通していますが、ざっくりと3つのパターンに分けて考えてみます。

①勤めている業界に対して不安を感じているのか

②現職の会社に対して不安を感じているのか

③あなた自身に対して不安を感じているのか

今一度考えてみましょう。

今回の記事では、①〜③の退職理由を面接の際にどのように伝えれば良いのか、それぞれのポイントをまとめてみます。あなたの転職理由の本音の部分に「不安」があるようでしたら参考にしてもらえると嬉しいです。

転職エージェントとして1000名以上の求職者をサポートしてきた経験から、退職理由に対する考え方と伝え方を解説します。それぞれのパターンで考えてみましょう。

 

勤めている業界に不安を感じる

これだけ業界の動きが早い時代なので「この業界って10年後どうなるんだろう?」と漠然とした不安を感じている方は多いかもしれません。実際に10年前、20年前を思い返すと当時最先端だった業界が今はそうでもない、という流れを実感できると思います。

駅前の大型デパートがファッションの最先端で、情報はテレビか新聞、固定電話の連絡網がネットワークを支えて、夜遅くまで営業マンが自宅に押しかけ、子どもは野球かサッカーが花形、そんな時代でした。

 

時代の流れはどんどん変わって、しかもスピードアップしているのは誰だって実感しています。面接で「今勤めている業界に不安を感じます」や「将来性に不安を感じます」とストレートに気持ちを伝えるのは考えものです。

面接担当者は「業界の見通しが悪くなったら、また辞めてしまうのかな」と考えることでしょう。

ぜひ「不安を感じる」よりは「どうしてもチャレンジしたい業界がある」のような表現をオススメします。その方が「だからウチに応募したいんだな」と納得してもらいやすいですし、何よりも「不安を感じる」はネガティブな気持ちなので、初めて会ったあなたに対してそのようなキャラクターだと伝わってしまいます。これは非常にもったいないです。

 

「◇◇業界にどうしても挑戦したいと考えております。御社は◇◇業界において△△のような強みを持っており、非常に魅力を感じております」のような切り出しが良いでしょう。これであれば、面接担当者は「確かに転職しないとそれは叶わないよね」と同調しやすくなります。あなたの前向きな考え方や姿勢を伝えることができればOKです。

 

 

現職の会社に対して不安を感じる

これは深刻な問題です。

「とりあえず今の会社で頑張るしかないか」

「会社の言う通りにやっていればいいや」

ならまだマシですが、現職の会社に不安を感じていたら気持ちを込めた仕事は難しいと察します。業績が悪い、社員の定着が悪い、給料が下がった、職場の雰囲気が悪い、不安を感じるきっかけはいろいろあるでしょう。

面接で「退職理由を聞かせてください」と聞かれて、シンプルに「環境が悪いからです」と回答してしまうと、面接担当者は「環境のせいにしているのかな?」と捉えてしまいます。

面接担当者の本音の部分では「それであなたは何か行動したの?」です。これでは「いつも環境のせいにするのかな?」とか「否定的に受け取ってしまう傾向があるのかな?」といったネガティブな印象を与えてしまいます。

環境が悪かったことを伝えたいのに、あなた自身の評価を下げてしまっては自滅してしまいます。

 

「現職では▽▽といった問題点がありました。この環境を改善するために、私なりに◇◇のような努力や工夫をしてきましたが、なかなか改善されないことが続いたので転職を決意しました」

このように、コンパクトにストーリーにして伝えると効果的です。

ダラダラ説明するのはNGですが、言葉が足りないと面接担当者は「その状況を傍観していただけなのかな?」さらには「被害者意識になっているんじゃないかな?」と捉えられてしまいます。あなた自身の行動も付け加えないと「評論家みたいに、他人事だったのかな?」とこれまたマイナス評価です。

当事者意識で問題意識を持って、行動することは非常に素晴らしい働き方です。聞かれているのは退職理由でも、あなたが現職でどのように関わっていたのか伝えるとプラス評価に変わります。ぜひ行動力があるところをアピールしましょう。

 

あなた自身に対して不安を感じる

数字的な成果を出せない、周囲とうまくやっていけない、営業に向いているかと思ったら違かった、このようにあなたが自分自身に対して不安があるときは、退職理由の説明が難しいかもしれません。

どうしてもマイナス面を説明することになるので、どのように面接担当者に納得してもらえるか考えなければなりません。大きく分けると2通りの伝え方があります。

・現職を選んだ判断が甘かったと素直に認める

・やりたいことを見つけた

この切り口がオススメです。

どちらであっても明るく前向きに伝えることが大切です。ざっくりとした一般論ではありますが、人の強みは武器になりますが、弱みは愛されポイントになります。選択が間違いだったと素直に認めることも、あなたの人間性を伝えるチャンスです。そして無理に言葉であなたを飾るよりもずっとスムーズに納得してもらえます。

 

「コミュニケーションに自信があったので営業にチャレンジしましたが、数字を追うことのストレスが大きくて、自分には向かないと考えるようになりました」

のような素直な表現でも構わないでしょう。あまりに短い在籍期間だと「判断が早すぎるんじゃない?」と思われてしまうので注意です。ある程度「成果が出るまで勉強したり、先輩のマネをして頑張りました」と言えるくらいエピソードをまとめておきましょう。

 

①〜③に共通するのは、退職することをあなた自身がネガティブに捉えずに、チャンスだと考えていると伝えることです。

面接担当者はもちろん自社で同じことの繰り返しにならないように退職理由を確認しますが、それ以上にあなたの人間性、キャラクターを見ています。

・マイナス表現がちょいちょい出てしまう

・ネガティブな表現が多い

・現職批判が強すぎる

そんな求職者を採用したいとは思わないはずです。ぜひ採用者目線で退職理由を言葉にできるように準備しましょう。

参考にしてみてください。

 

 

 

「上司(社長)と合わない」納得してもらえる退職理由とは②

転職活動を検討する際に、実際のところ決定打になっているのは「上司(社長)と合わない」これは多いのではないでしょうか。

「給料が安い…」

「体調不良が続いて…」

いろいろあっても、辞めようと判断する決定打になるのは人間関係になりやすいです。あなたの退職理由が人間関係だとして、面接の場で退職理由をどのように伝えるべきでしょうか。

栃木県の転職エージェントとして10年、1000名以上のキャリアカウンセリングを行った経験から、より良い退職、転職ができるようアドバイスしたいと思います。

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上司(社長)と合わない

どこかの企業に面接に行くと、ほぼ間違いなく退職理由を聞かれますが「上司と合わないからです」とは素直に言えないと思います。面接担当者だって「は?」となります。

あなたが20代なら「上司の言うことにも、たまには耳を貸して言うこと聞きなよ」と思われるかもしれません。

30代なら「中間管理職、中堅社員なんてそんなもんだよ」と共感してもらえないリアクションかもしれません。

40代なら「今の生活を犠牲にするくらいなら、ベテランだし、どうにかできるんじゃない」と妥協を促すかもしれません。

何にしても面接担当者に「あなたに問題があるんじゃない?」とか「あなたがどうにかできなかったの?」と思わせてしまったら、評価をガクンと落としてしまいます。

今回の記事では、あなたの評価を無駄に落とすことなく退職理由を伝えるポイントを解説します。

納得してもらえる退職理由を考えるために、どう伝えるべきか?そのポイントを3つにまとめます。

 

あなたが批判的な人ではないことを伝える

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これは気をつけなければならないパターンです。

実際に退職していたり、退職を念頭に転職活動をしているのでしょうから、前の職場について「こんなひどいルールがありました」とか「社長がこんなことを言う人でした」と言ってしまいたい気持ちはわかります。

ただし悪口にならないことが前提です。

そんな職場に我慢できず、退職した事実があったとしても

「こんなひどいルールがあったのですが、そのルールができた背景を聞いたことがあります。その経緯はわかっていましたが、いつまでもルールを変えない社風に対して希望が持てなくなりました」

のように多角的に物事を捉えているアピールは重要です。

ただし、明らかに職場環境に問題ありという状況だったのであれば正直に伝えるべきです。

大小に関わらずパワハラはNGなので、そのような事実があったのであれば

「職場環境にこのような問題があった」

「このような経緯で体調不良になってしまった」

と伝えて理解してもらって構わないでしょう。

セクハラなどは具体的な内容を伝えにくいかもしれません。伝えられる範囲で事実を説明して、消して前職をバカにするような態度で話さなければ大丈夫です。むしろ面接を通じて、あなたの価値基準、判断基準をしっかり伝えるチャンスになります。

 

何に対しても批判的、ネガティブに捉えてしまいがちな方がいますが、面接担当者にそう思わせないことがポイントです。

「前職はこういう点は良かったのですが、どうしても納得できない上司の言動がありました」

のように、マイナス面ばかりの表現にならないように注意しましょう。

 

あなたが傍観していただけではないことを伝える

あなた自身がひどい上司から、何かされていたわけではなく

「自分には直接関係ないけど、あの人がこの人をいじめている。こんな職場は嫌だ」

「ある社員のせいで、体調不良になってしまった人がいる」

みたいな状況を考えてみましょう。

そんな職場を離れたい気持ちはわかりますが、面接担当者は

「それであなたは、解決しようと何か動いたのですか?」

こう聞きたいのが本音だと思います。

何か課題やトラブルがあったときに、ただ見ているだけの傍観者は評価が下がってしまいます。調子のいいときだけ意見を口出しするけれど、自分に火の粉がかかるのは勘弁、という気持ちはわかりますが、何かしらアクションを起こしていることをアピールしたいところです。

「上司と合わない」の一言で終わらせるのではなく、あなたが影響を与えられる範囲で改善に動いてみる、それでも変わらなかった…というストーリーを説明できると面接担当者は納得できますね。

 

あなた自身にも原因があれば正直に伝える

誰しも相性の問題はあります。

・合う人

・合わない人

・わかっている人

・わかっていない人

いろいろなキャラクターがあって、理想の上司像は人それぞれでしょう。

あなたの強み(ストロングポイント)が上司にとって都合が悪い、やりにくいという現象はよくあることです。

面接担当者の「あなたにも何か原因があったんじゃないの?」という心の疑問を、先回りして説明してしまうのも有効です。

「私は几帳面すぎる面がありまして、売上集計表を2重チェックしながら間違いのないように作成していました。そこまでやらないでいいよ、と上司から言われていましたが、間違いを指摘するたびにとても嫌な顔をされました」

「上司はちょっとした備品は自分で立て替えて買ってしまい、何ヶ月も経ってからまとめて精算するようなタイプの方でした。

実際に私からも都度精算するように提案していましたが、同じようなルーズな部分があり組織全体がルールを軽視するような状況でした」

説明するとなると、このようなイメージでしょう。

注意しなければならないのは、聞いてもいないことをダラダラ喋ってしまうことです。自分自身を守るような発言、初対面の人に言い訳されるのは聞いている方はストレスです。

 

最後のポイントに関しては、退職理由を深掘りされたときに説明すると効果的です。そして具体的なエピソードを添えると良いです。決して「前職の上司がだらしなくて、私には合いませんでした」のようにバッサリ終わらせないようにしましょう。

面接担当者が笑って「その上司はヤバいよね」と乗ってきたら、こちらも少しはざっくばらんに説明して良いと思います。

 

まとめ

退職理由は、面接における一問一答でもかなり重要な確認事項です。

あなた自身の軸を伝える材料になりますし、仮にあなたが入社した場合に、新しい職場で長く活躍できるかどうか判断することができます。採用担当者はあなたの軸を知りたい、そして入社したからには同じような理由で退職することなく、活躍してほしいと考えています。

退職理由は、あなた自身をアピールする場面です。人間関係が背景としてあるのであれば尚更です。遠慮することなく、誤解されることのないように伝えられるように事前にしっかりまとめておきましょう。 

 

 

 

「給料が低すぎる」納得してもらえる退職理由とは①

どこかの企業に応募して面接をすると、必ず聞かれるのが「志望動機」と「退職理由」です。今回の記事では退職理由「給料が低すぎる」を、誤解を与えずに、でも本当の背景も含めてどのように伝えたら良いのか紹介します。

労働に対して「給料が低すぎる」という状況は、パワハラの一種だと考えることができます。よくある状況ではありますが、現職(前職)でパワハラがあったとしても

・現職の批判をせずに

・誰かのせいにすることなく

・でも会社を辞めたい気持ちは伝えたい

これは難しいところですが、解説していきます。キャリアコンサルタントとして1000名以上の求職者との面談を通じて、私なりに感じた内容をまとめます。

 

会社を辞めるのは余程のこと?

会社を辞めるというのは、2020年代に入っても「それなりに余程のこと」なので、面接担当者だって「余程のことがあるのかな?」と思って聞きます。

ここで「なるほどね」と納得してもらうのか「それは辞めるほどのことなのかな…」と思わせるのか、大きな分かれ道になります。

細かい言い回しはその場の流れで構いませんが、以下の内容を参考にして、スムーズに説明できるようにキーワードは決めておきましょう。

 

給料が低い

ここでは、あなたの退職理由の本音が「給料が低い」だとして考えます。これは「社内でパワハラがある」のケースと、ほとんど同じように考えてもらって大丈夫です。

面接の場で「転職理由を教えてください」と聞かれてストレートに「給料が低いからです」とは言えないと思います。さすがに面接担当者だって

「スキルが低いからじゃないの?」

「何か他に課題があるんじゃないの?」

のように、その背景を探りながら聞くのが普通です。

本当に給与水準が低かったり、まったく昇給がない企業もありますので「給料が低い」が正しい回答になる場合もあります。しかし面接担当者に対して、変な誤解を与えることは避けなければなりません。

ストレートに「給料が低いからです」伝えるのではなく、あなたなりに努力をしたり、企業側にアプローチをしていることを伝えましょう。実際に行動していたことが前提にはなりますが、嘘にならない程度に膨らませるのは問題ないでしょう。

面接時のポイントは以下の2つです。

 

①結果と給与が比例していないことを伝える

会社が提示している目標に対して、あなたがどれだけ達成に向けて努力をしているのか伝えると良いでしょう。

「上司とも相談しながら新しい新規開拓を行って、予算達成をしたのにまったく賞与に反映されなくて、本当に残念で悔しかった」

仲の良い先輩社員の給与を聞いて

「あんなに頑張っているのに、これしか上がらないのか、と希望が見えなくなってしまった」

のようなエピソードがあると、共感をされやすくなります。事実や起きている現象だけでなく、それによってあなたがどのように感じたのか、その人間性も伝わるようにまとめてみましょう。

 

②関係部署に掛け合って、改善提案していることを伝える

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こちらの方が①より重要です。

もっとも良くないのは、ひとりで「給料が安い」と思い込んで、勝手に被害者気分になって、仕事に対して冷めてしまった状態です。

このマイナスのスパイラルを起こしてしまうと、面接担当者は確実に「ウチに来ても、何かあったらモチベーションダウンになるんじゃないか?」と考えます。

・この会社のここが問題だな

・ここを変えた方がいいんじゃないか?

という状況でも、冷静に相談できる相手を見つけて、コミュニケーションしながら動ける大人をアピールする必要はあります。面接での回答としては次のような言い回しが良いでしょう。

「四半期に1度行われる上司と面談では、今後の待遇に関しても正直に相談していました。結婚して子育てなど出費は増える一方なので、きちんと生活設計をしなければならないと考えていたからです。

どのくらい成果を上げれば、どのように給料が上がっていくのか、これまでの実例などを聞いてきました。上司も真摯に向き合って、私の疑問に回答してくれていたのですが、どうしても10年後、20年後の将来をイメージできませんでした」

「現在の待遇について、自分に何が足りないのか考えながら、また上司にも相談しながら、アドバイスされた内容を改善できるように努力をしてきました」

これらはかなり丁寧な回答例ですが、とにかく勝手に「給料が安い!」と決めつけないで、あなたなりに改善に向けた具体的な行動をしていることを伝えましょう。

 

まとめ

あなたが「給料が低すぎる」という理由で、退職を検討していたり、転職活動をしているのであれば、参考にしてもらえるとうれしいです。

退職理由を給料にフォーカスしていますが、言葉を変えれば「パワハラがひどい」にも応用できると思います。

 

改めてですが「スキルと年収は比例する」というのが一般的な見方です。きちんと説明できるように事前準備をしましょう。面接担当者に「あなたに原因があるんじゃないの?」と誤解されないことが最低限必要です。そしてプラスアルファです。

・改善するために、あなたは何をしたのか?

を伝えることで、あなたが何を大切にしているのか、人間性を伝えることができます。ここをチャンスと考えてみましょう。