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「給料が低すぎる」納得してもらえる退職理由とは①

どこかの企業に応募して面接をすると、必ず聞かれるのが「志望動機」と「退職理由」です。今回の記事では退職理由「給料が低すぎる」を、誤解を与えずに、でも本当の背景も含めてどのように伝えたら良いのか紹介します。

労働に対して「給料が低すぎる」という状況は、パワハラの一種だと考えることができます。よくある状況ではありますが、現職(前職)でパワハラがあったとしても

・現職の批判をせずに

・誰かのせいにすることなく

・でも会社を辞めたい気持ちは伝えたい

これは難しいところですが、解説していきます。キャリアコンサルタントとして1000名以上の求職者との面談を通じて、私なりに感じた内容をまとめます。

 

会社を辞めるのは余程のこと?

会社を辞めるというのは、2020年代に入っても「それなりに余程のこと」なので、面接担当者だって「余程のことがあるのかな?」と思って聞きます。

ここで「なるほどね」と納得してもらうのか「それは辞めるほどのことなのかな…」と思わせるのか、大きな分かれ道になります。

細かい言い回しはその場の流れで構いませんが、以下の内容を参考にして、スムーズに説明できるようにキーワードは決めておきましょう。

 

給料が低い

ここでは、あなたの退職理由の本音が「給料が低い」だとして考えます。これは「社内でパワハラがある」のケースと、ほとんど同じように考えてもらって大丈夫です。

面接の場で「転職理由を教えてください」と聞かれてストレートに「給料が低いからです」とは言えないと思います。さすがに面接担当者だって

「スキルが低いからじゃないの?」

「何か他に課題があるんじゃないの?」

のように、その背景を探りながら聞くのが普通です。

本当に給与水準が低かったり、まったく昇給がない企業もありますので「給料が低い」が正しい回答になる場合もあります。しかし面接担当者に対して、変な誤解を与えることは避けなければなりません。

ストレートに「給料が低いからです」伝えるのではなく、あなたなりに努力をしたり、企業側にアプローチをしていることを伝えましょう。実際に行動していたことが前提にはなりますが、嘘にならない程度に膨らませるのは問題ないでしょう。

面接時のポイントは以下の2つです。

 

①結果と給与が比例していないことを伝える

会社が提示している目標に対して、あなたがどれだけ達成に向けて努力をしているのか伝えると良いでしょう。

「上司とも相談しながら新しい新規開拓を行って、予算達成をしたのにまったく賞与に反映されなくて、本当に残念で悔しかった」

仲の良い先輩社員の給与を聞いて

「あんなに頑張っているのに、これしか上がらないのか、と希望が見えなくなってしまった」

のようなエピソードがあると、共感をされやすくなります。事実や起きている現象だけでなく、それによってあなたがどのように感じたのか、その人間性も伝わるようにまとめてみましょう。

 

②関係部署に掛け合って、改善提案していることを伝える

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こちらの方が①より重要です。

もっとも良くないのは、ひとりで「給料が安い」と思い込んで、勝手に被害者気分になって、仕事に対して冷めてしまった状態です。

このマイナスのスパイラルを起こしてしまうと、面接担当者は確実に「ウチに来ても、何かあったらモチベーションダウンになるんじゃないか?」と考えます。

・この会社のここが問題だな

・ここを変えた方がいいんじゃないか?

という状況でも、冷静に相談できる相手を見つけて、コミュニケーションしながら動ける大人をアピールする必要はあります。面接での回答としては次のような言い回しが良いでしょう。

「四半期に1度行われる上司と面談では、今後の待遇に関しても正直に相談していました。結婚して子育てなど出費は増える一方なので、きちんと生活設計をしなければならないと考えていたからです。

どのくらい成果を上げれば、どのように給料が上がっていくのか、これまでの実例などを聞いてきました。上司も真摯に向き合って、私の疑問に回答してくれていたのですが、どうしても10年後、20年後の将来をイメージできませんでした」

「現在の待遇について、自分に何が足りないのか考えながら、また上司にも相談しながら、アドバイスされた内容を改善できるように努力をしてきました」

これらはかなり丁寧な回答例ですが、とにかく勝手に「給料が安い!」と決めつけないで、あなたなりに改善に向けた具体的な行動をしていることを伝えましょう。

 

まとめ

あなたが「給料が低すぎる」という理由で、退職を検討していたり、転職活動をしているのであれば、参考にしてもらえるとうれしいです。

退職理由を給料にフォーカスしていますが、言葉を変えれば「パワハラがひどい」にも応用できると思います。

 

改めてですが「スキルと年収は比例する」というのが一般的な見方です。きちんと説明できるように事前準備をしましょう。面接担当者に「あなたに原因があるんじゃないの?」と誤解されないことが最低限必要です。そしてプラスアルファです。

・改善するために、あなたは何をしたのか?

を伝えることで、あなたが何を大切にしているのか、人間性を伝えることができます。ここをチャンスと考えてみましょう。