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【就職活動】vs【転職活動】それぞれの「失敗しないポイント」(文星芸大キャリアガイダンス2021年)

2021年度も担当させていただいた、文星芸術大学2年生向けのキャリアガイダンスですが、今回の講座で一区切りです。次は3年生になり、もっと具体的な就活に向けた対策になるわけですが、そのための心構え、土台となる考え方を伝えてきました。

 

あらゆる年代の1,000名以上の求職者と面談を行ってきましたが、基本的な作戦は変わりません。就活がうまくいくためのコツ、転職活動がうまくいくコツ、そもそも日々の仕事を通じたキャリアの積み方も含めて大切なことは変わりません。なるべく何年経っても変わらない本質的なことをまとめたつもりです。

 

いきなり余談ですが、どうしても「転職」っていう言葉は「転ぶ」という漢字が入っているのでマイナスイメージになってしまいます。階段を登るように職を変えることを、別な言い方ができれば良いのですが…

話を戻しますが、仕事を決める(企業を選ぶ)仕事を変える(これも企業を選ぶ)について、私なりに解説していますので、あなたが転職を検討しているようなら、参考にしてもらえると幸いです。

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◆就職活動のポイント

【時期】

日本においてはまだまだ新卒の一括採用が主流なので、時期的なゴールが決まっているのは考えやすいですね。大学も背中を押してくれますので、逆らわないことです。

・この時期から情報収集

・この時期からエントリーシート作成

・この時期からインターンシップ

・この時期から面接

と言い方は悪いですが、流れに身を任せて波に乗ってしまえば、どこかにはたどり着くでしょう。デメリットとしては、逆張りみたいな奇策ができないので、学生のうちから働きはじめる、起業するみたいな、流れに逆らうハードルは高いと感じます。

とにかくやってはダメなことは、遅れて選択肢が少なくなることです。これは経験がなくても、わかりやすいのではないでしょうか。就活に関しては、あなたが行きたい企業はみんなも行きたい企業です。残り物には福なんてありません。掘り出し物はあるかもしれないですが、それでも早く行きたい企業を見つけた方が、安全だし作戦変更もしやすいです。

【方法】

ちょっと前までは、就活セミナー、企業説明会、合同説明会、とたくさん動いて「いったいいつ勉強するんだい?」というくらい忙しいのが就活でした。コロナ禍になってWEB説明会やWEB面接がますます増えましたが、これからも主流であり続けると思います。

私自身もたくさんの面接に立ち会ってきましたが、WEB面接の方が相手の顔が近いですし、画面に集中しなければならないし、事前のセッティングが印象を分けますので、練習を重ねた方がいいですね。意外とごまかしが効きません。

個人的にはTwitterでゆるく本命の企業と繋がったりする方法が、失敗するリスクを減らせるんじゃないかなぁ…と思っています。

【コツ】

就活を有利に進めるためには、とにかく行きたい企業を複数見つけて、選考に進んでいくことです。面接をする側である採用担当者、人事担当者は、あなたと同じくらい緊張して臨んでいることを意識すれば、気が楽になると思います。一次面接の担当者は「なるべくたくさん内定を出して入社してほしい」と考える一方、あなたが二次面接でNGだったときに「なんであんな学生を一次OKにしたんだ?」と聞かれるのが最悪です。

つまり一次面接では「あっ、この学生は二次面接に連れていきたい理由がちゃんとあるな」と感じさせることを意識しましょう。以下の点を意識して準備してみてください。

 

①聞かれたことには、エピソードを添えて答えられるように準備する

面接する側は、とりあえず言ってみた程度の内容は一発で見抜きます。

②素直に学ぶ姿勢をアピールする

企業はメンドーな新入社員はいらないです。

③行動力をアピールする

例えば、勉強しているデザインを活かして動画編集にもチャレンジしたいと思っています…みたいな行動を伴っていない回答はマイナスイメージです。「だったらやれば」というツッコミは絶対に避けましょう。

④いい質問で面接を盛り上げる

ちなみに面接をすると質問タイムがありますが、二次面接、最終面接になると聞きたいことは全部聞いてしまった…というネタ切れ状態になって悩むことがあります。もちろん悩んで、別なことを絞り出して聞いてみる、同じことでも違う言い方で聞いてみる、のように対策はいろいろ考えられますが、私のオススメ面接対策は、直球で「同じことをまた聞く」です。

「一次面接をしていただきましたAA様に、御社が大切にしている教育方針を伺ったところ、長所進展という考え方を大切にしていると解説していただき、非常に印象に残りました。ぜひCC様から見た長所進展の教育方針について、お考えを聞かせていただきたいです」

と聞いたとしましょう。AAさんの解説に共感しているあなたの評価が高まることはもちろん、一次面接の場で長所進展について響くほど語ったAAさんに対して、CCさんからの評価が上がります。AAさん嬉しいです。あえてCCさんの考えも聞くことで、CCさんも嬉しいです。面接が盛り上がります。長所進展という教育方針があなたに響いて、みんながハッピーです。

実際のところ企業理念に対する想い、行動指針で何を大切にしているのか、社内でもバラバラだったりします。あえて違う捉え方を拾い上げることで、面接を盛り上げる手法はオススメです。最終面接が社長だったりすると、まず盛り上がります。

 

 

◆転職活動のポイント

【時期】これは就活と違いバラバラですので、転職から1年後くらいまでをイメージして臨みましょう。転職するタイミングをゴールにしないことが重要です。転職直後に仕事に集中できない環境の変化が起きて、詰んでしまうパターンになります。

就活との最大の違いは「あなたが転職しようと思っていることは誰も知りません」ということなので、就活で経験したプロセスを自分で計画的に進める必要があります。

【方法】

・知人紹介(信頼できる人に誘ってもらうのが、やっぱり最強です)

・求人チラシや求人サイトから情報を得る

・ハローワーク(企業目線で考えると、経費がかからないメリットがあるので求人数が多く、緊急性が高くない未経験採用も多い)

・転職支援サービス(キャリア面談を通じて、一緒に転職活動をしてくれますが、企業はあなたのことを採用するときに紹介手数料が発生するので、即戦力採用が前提)

【コツ】

①仕事上の実績を出してから転職する

もちろん限界はありますが、できれば嫌な環境、苦手な仕事だとしても何かしら成果が出るまでは頑張りましょう。次の面接でアピールできるものが弱いのは致命的です。

②その実績を説明できるように準備する

実績が上がったとしても「たまたまじゃない?」と思われたらアピールになりません。それは技術的な成果なのか、誰かの協力を得たのか、何かを変えたからできたのか、プロセスをまとめておきます。履歴書や職務経歴書を作成しながら振り返ってみましょう。

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③転職理由はクリアになるのか

転職は理由があってするものなので、その理由がクリアにならなかったら意味がありません。特に考えてもらいのは、現象よりも感情に目を向けるということです。

「残業が多いから辞めたい」

「ホワイト企業に行きたい」

は現象しか見ていません。

「何も決まらない会議のために残業するのはバカらしい」

「明らかにお客様のためにならない商品を提案するのは、気持ちの整理がつかない」

は自分の感情に向き合っています。

面接の場では、前職の悪口をペラペラ話すわけにはいかないので、表現方法を考える必要はありますが、このように避けたい感情は何なんだ?をクリアにすることを目標にしましょう。

 

 

④なぜここに応募するのか、説明できるくらい調べる

書類選考や面接をする企業の考えていることは

「別にウチじゃなくてもいいんじゃないの?」

「なんでウチに応募する気になったの?」

「ウチがどんなとこか知ってんの?」

です。つまり単に、希望する業界だから、希望する職種だから、だけでは応募しないことです。なぜ数ある企業からここを選んだのか、その企業の履歴書(基本情報や歴史)や職務経歴書(商材や魅力)を作るくらいの気持ちで調べましょう。あなたは履歴書と職務経歴書を作って出しているわけですから、ここまでやって50:50です。

⑤行動力をアピールする

これは就活とまったく一緒です。学生だろうが社会人だろうがベテランだろうが、とにかく動けることは必須です。

・思っていること

・言っていること

・やっていること

これらをしっかり繋げることは、転職活動でなくても成功への王道です。

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就活と転職活動のポイントをまとめましたが、いかがでしたか?こうして改めて考えてみると、就活や転職活動の仕方がそのまま仕事上の成果に直結することはイメージできると思います。

だからこそ、良い準備、早い準備、あらゆる想定、リスクヘッジ、ゴールイメージをしっかり持ってまずはラウンド1、就活に臨んでほしいですね。将来の活躍が楽しみです!