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「上司(社長)と合わない」納得してもらえる退職理由とは②

転職活動を検討する際に、実際のところ決定打になっているのは「上司(社長)と合わない」これは多いのではないでしょうか。

「給料が安い…」

「体調不良が続いて…」

いろいろあっても、辞めようと判断する決定打になるのは人間関係になりやすいです。あなたの退職理由が人間関係だとして、面接の場で退職理由をどのように伝えるべきでしょうか。

栃木県の転職エージェントとして10年、1000名以上のキャリアカウンセリングを行った経験から、より良い退職、転職ができるようアドバイスしたいと思います。

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上司(社長)と合わない

どこかの企業に面接に行くと、ほぼ間違いなく退職理由を聞かれますが「上司と合わないからです」とは素直に言えないと思います。面接担当者だって「は?」となります。

あなたが20代なら「上司の言うことにも、たまには耳を貸して言うこと聞きなよ」と思われるかもしれません。

30代なら「中間管理職、中堅社員なんてそんなもんだよ」と共感してもらえないリアクションかもしれません。

40代なら「今の生活を犠牲にするくらいなら、ベテランだし、どうにかできるんじゃない」と妥協を促すかもしれません。

何にしても面接担当者に「あなたに問題があるんじゃない?」とか「あなたがどうにかできなかったの?」と思わせてしまったら、評価をガクンと落としてしまいます。

今回の記事では、あなたの評価を無駄に落とすことなく退職理由を伝えるポイントを解説します。

納得してもらえる退職理由を考えるために、どう伝えるべきか?そのポイントを3つにまとめます。

 

あなたが批判的な人ではないことを伝える

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これは気をつけなければならないパターンです。

実際に退職していたり、退職を念頭に転職活動をしているのでしょうから、前の職場について「こんなひどいルールがありました」とか「社長がこんなことを言う人でした」と言ってしまいたい気持ちはわかります。

ただし悪口にならないことが前提です。

そんな職場に我慢できず、退職した事実があったとしても

「こんなひどいルールがあったのですが、そのルールができた背景を聞いたことがあります。その経緯はわかっていましたが、いつまでもルールを変えない社風に対して希望が持てなくなりました」

のように多角的に物事を捉えているアピールは重要です。

ただし、明らかに職場環境に問題ありという状況だったのであれば正直に伝えるべきです。

大小に関わらずパワハラはNGなので、そのような事実があったのであれば

「職場環境にこのような問題があった」

「このような経緯で体調不良になってしまった」

と伝えて理解してもらって構わないでしょう。

セクハラなどは具体的な内容を伝えにくいかもしれません。伝えられる範囲で事実を説明して、消して前職をバカにするような態度で話さなければ大丈夫です。むしろ面接を通じて、あなたの価値基準、判断基準をしっかり伝えるチャンスになります。

 

何に対しても批判的、ネガティブに捉えてしまいがちな方がいますが、面接担当者にそう思わせないことがポイントです。

「前職はこういう点は良かったのですが、どうしても納得できない上司の言動がありました」

のように、マイナス面ばかりの表現にならないように注意しましょう。

 

あなたが傍観していただけではないことを伝える

あなた自身がひどい上司から、何かされていたわけではなく

「自分には直接関係ないけど、あの人がこの人をいじめている。こんな職場は嫌だ」

「ある社員のせいで、体調不良になってしまった人がいる」

みたいな状況を考えてみましょう。

そんな職場を離れたい気持ちはわかりますが、面接担当者は

「それであなたは、解決しようと何か動いたのですか?」

こう聞きたいのが本音だと思います。

何か課題やトラブルがあったときに、ただ見ているだけの傍観者は評価が下がってしまいます。調子のいいときだけ意見を口出しするけれど、自分に火の粉がかかるのは勘弁、という気持ちはわかりますが、何かしらアクションを起こしていることをアピールしたいところです。

「上司と合わない」の一言で終わらせるのではなく、あなたが影響を与えられる範囲で改善に動いてみる、それでも変わらなかった…というストーリーを説明できると面接担当者は納得できますね。

 

あなた自身にも原因があれば正直に伝える

誰しも相性の問題はあります。

・合う人

・合わない人

・わかっている人

・わかっていない人

いろいろなキャラクターがあって、理想の上司像は人それぞれでしょう。

あなたの強み(ストロングポイント)が上司にとって都合が悪い、やりにくいという現象はよくあることです。

面接担当者の「あなたにも何か原因があったんじゃないの?」という心の疑問を、先回りして説明してしまうのも有効です。

「私は几帳面すぎる面がありまして、売上集計表を2重チェックしながら間違いのないように作成していました。そこまでやらないでいいよ、と上司から言われていましたが、間違いを指摘するたびにとても嫌な顔をされました」

「上司はちょっとした備品は自分で立て替えて買ってしまい、何ヶ月も経ってからまとめて精算するようなタイプの方でした。

実際に私からも都度精算するように提案していましたが、同じようなルーズな部分があり組織全体がルールを軽視するような状況でした」

説明するとなると、このようなイメージでしょう。

注意しなければならないのは、聞いてもいないことをダラダラ喋ってしまうことです。自分自身を守るような発言、初対面の人に言い訳されるのは聞いている方はストレスです。

 

最後のポイントに関しては、退職理由を深掘りされたときに説明すると効果的です。そして具体的なエピソードを添えると良いです。決して「前職の上司がだらしなくて、私には合いませんでした」のようにバッサリ終わらせないようにしましょう。

面接担当者が笑って「その上司はヤバいよね」と乗ってきたら、こちらも少しはざっくばらんに説明して良いと思います。

 

まとめ

退職理由は、面接における一問一答でもかなり重要な確認事項です。

あなた自身の軸を伝える材料になりますし、仮にあなたが入社した場合に、新しい職場で長く活躍できるかどうか判断することができます。採用担当者はあなたの軸を知りたい、そして入社したからには同じような理由で退職することなく、活躍してほしいと考えています。

退職理由は、あなた自身をアピールする場面です。人間関係が背景としてあるのであれば尚更です。遠慮することなく、誤解されることのないように伝えられるように事前にしっかりまとめておきましょう。