福島県南にある西郷村、日本最強の村とも呼ばれているこの村をご存じですか?
西郷村にありながら、新白河駅や白河ICといった「白河」を名乗る看板が多く、あまり「西郷」という地名を売り出そうという意識はないのかもしれません。

そんな西郷村、実は移住したいエリアとして非常に人気を集めており、この時代において人口は増加傾向です。
何が日本最強なのか?そして移住したいほどの魅力とは?
その秘密に迫ってみたいと思います。
最強のアクセス

西郷村が最強と呼ばれる理由のひとつが、そのアクセスの良さです。
東北新幹線の新白河駅、東北自動車道の白河ICが揃っていて、新幹線なら東京まで約90分、高速道路なら川口JCTまで約120分!便利なインフラが整備されており、新幹線通勤をしている方も多いようです。
注目したいのは、西郷村にあるのに新白河駅、白河ICと名乗っていることです。
東北新幹線を建設するにあたり、現在の白河駅を増設する案もあったようですが、地図で見てみると、その案ではかなり難しかったことが想像できます。

東北本線がほぼ東西の向きに走っており、その北側には白河小峰城、南側には古くからの味わいのある市街地が並んでいます。この周辺状況において、南北に直線的な線路を造ることは現実的ではありません。
そこで隣にあった、当時の磐城西郷駅が新幹線駅として大抜擢されました。他の自治体の例にあるように「白河西郷駅」といった合体技のネーミングになりそうですが、そうしなかったことが吉となりました。

「白河」と「西郷」を入れると、どっちつかずの中途半端なロケーションが思い浮かびますが、「新白河駅」にしたことで、スッキリわかりやすいのはもちろん、白河ではないにしろ白河に隣接していることが想像できます。
こうして西郷村は日本で唯一、新幹線のある村となりました。
白河ICについては、ほぼ同じ考え方だったのではないでしょうか。ちなみに東北地方の大動脈、国道4号線も西郷村を走っており、北は郡山、南は宇都宮に直通していることも大きな武器です。
最強の工業地帯
地名で「村」と聞くと、農村のイメージが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
仕事がない、だから人も離れる、そんな悩みを抱えた自治体も多いと思いますが、西郷村は財政、そして働く環境も最強です。

消化器の内視鏡で世界シェア70%のオリンパス(上写真)や信越半導体(下写真)を中心とした半導体産業など、他の自治体が喉から手が出るほど欲しい最先端の工場が税収と雇用を守っています。

農業や観光も盛んで、ロケーションとアクセスの優位性を最大限に発揮した成果と考えられます。
大きな工業地帯や発電所がある自治体は、財政が自立しており、地方交付税(普通交付税)に頼ることなく自治体の運営が可能ですが、西郷村はそのひとつです。
この財政の優等生は福島県内で4つの自治体(令和5年度)しかありません。
残り3つは、火力発電所がある新地町と広野町、そして福島第一原発があった大熊町だけであることを考えると、西郷村がいかに一般的な産業のみで自立しているのかわかると思います。
最強の生活環境

人それぞれの状況によって、暮らしやすさの評価は大きく変わりますので、ここではざっくりとした内容しか紹介できませんが、大自然に囲まれて生活費を抑えられて、人生の節目で切れ目のないサポートが用意されているのはうれしいポイントです。
・3歳から5歳までの幼稚園、保育園、こども園の無償利用
・高校生までの医療費補助
このような金銭的な補助だけでなく、支援体制が充実しているため、子育て世代であっても安心して移住してくることができます。
その他、イオン白河西郷店をはじめとした、たくさんの店舗が立ち並び、日常の買い物で困ることはまずないと思います。

南に広がる那須高原、福島最大の都市である郡山まではマイカーで1時間圏内、甲子温泉、新甲子温泉(上写真)もありますので、休日がもっと楽しみになるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたのでしょうか。
西郷村の魅力や強さを紹介してみました。アクセス抜群、周りは自然に囲まれて、生活もしやすい日本最強の村、西郷村での暮らしをこの機会にちょっとでも想像してもらえたらうれしいです。