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キャリアカウンセラーの仕事とは【転職エージェントとの違い】

キャリアコンサルタントとして働いてきた経験をもとに、人材ビジネスに関わる職種と内容を紹介したいと思います。今回の記事では主に「キャリアカウンセラー」「転職エージェント」についてまとめます。あなたが人材ビジネスに興味を持っているのであれば、参考にしてくれるとうれしいです。

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現在私は栃木県宇都宮市で勤めています。行政の委託業務で就職支援を行うときには「キャリアカウンセラー」としての役割を果たします。

人材紹介の現場では「転職エージェント」として求職者に代わり転職先を探したり、企業の採用担当者に代わり良い人材を探します。まさに代理人として仲介役のポジションですね。お見合いでいう仲人、アパートでいう不動産仲介に近いイメージです。

 

どちらも人材ビジネスにおいて、ひとつの職種として成り立っています。しかし、目指す方向が違いますので比較しながら解説します。

 

「キャリアカウンセラーの役割」とは・・・・・

キャリアカウンセラーと呼ばれる方は、ハローワークのような【公的機関】や【人材ビジネス】のひとつの役割として活躍する方が多いです。なかには独立系でキャリアカウンセリングのみに特化して活躍する方や、社内カウンセラーとして自社をバックアップする方もいます。

ここでは【公的機関】【人材ビジネス】それぞれのキャリアカウンセラーの内容を紹介します。

 

【公的機関でのキャリアカウンセラー】

★仕事の概要

キャリア(仕事、環境、人生)について相談を希望する方と基本的には1対1の面談を行います。他の行政機関などからキャリアカウンセリングを提案されて訪れるパターンも多いですね。

★面談の回数

30分~60分で何回かに分けて実施します。

★面談の内容

面談希望者からのヒヤリングが中心。本人とのコミュニケーションを繰り返しながら、徐々に根本的な原因と潜在的な要求を把握していきます。徐々に心を開いて具体的な行動に移れそうであれば、日々の生活を改善させたり具体的行動を提案します。

★必要な能力

面談希望者と辛抱強く対話を繰り返すコミュニケーション能力が必要です。効果的な質問を投げかけたり、アセスメント(分析ツール)を使って根本的な問題が見えるようにします。

本人の言葉が中途半端だったり、オブラートに包んで伝えることもありますが、効果的に言い直して「つまり、あなたは△△について▽▽のように感じているということでよろしいですか」と本人の感情を整理してあげられる日本語力(言い換える力)はあった方がいいですね。

キーワードは「答えはクライアント(面談希望者)が持っている」です。キャリアカウンセラーが答えを提示してしまわないことが最大のポイントです。

★面談の詳細

周りの環境が原因であることもあるし、自分自身の言動が引き金になっていることもありますが、原因と対策について面談希望者本人が納得してキャリアカウンセラーと共有することが重要です。

次の一歩についてはケースバイケースですが、大きく分けて3つの手段①~③を使い分けます。

 

①面談希望者の物事の捉え方を変える

この対策が件数としては最多であり、最初の一歩を設定しやすいです。

「あの上司の要求が厳しくて心が折れそうだ」という悩みに対して

「上司の言葉の大切なポイントだけを聞いて、ひとつだけ行動してみよう」

のように、言葉本体からのダメージを受けないように捉え方を変えてあげます。また言葉だけをずっしり受け止めてしまうと心が重くなるので、具体的な行動に移すことでストレスを軽減します。

ストレスマネジメントという表現もできますが「相手は感情で伝えている、自分は行動で解釈する」とわざと真正面から受け止めないことがポイントです。

認知療法という言葉がこれに当てはまります。 

 

②周囲の協力を仰ぐ

キャリアカウンセラーに相談する前に、もっと近い人に悩みを正直に打ち明けていないことが普通にあります。家族、友人、同僚など相談できる人に頼ってみてフォローしてもらいます。気持ち的にもかなりラクになります。具体的に手助けしてくれることもあるでしょうし、大きな対策としては人事異動などを検討してくれる組織もあります。

 

③面談希望者の行動を変化させる

ここがキャリアカウンセラーによって大きな差が出ると思います。レベルの高い低いではなくて、行動の種類にはたくさんの種類があるからです。

「明日からは、嫌かもしれませんが自分から元気に挨拶してみましょう」

のようにちょっとした変化を提案することもありますし

「転職する可能性も視野に入れて、求人情報を探してみましょう」

のように根本的な解決を提案することもあります。

一見すると全然違う提案ですが、具体的な行動を提案していることは一緒です。

考えれば考えるほど、自分のカラの中でそれこそ空回りになります。行動してみると

「自分はやれるだけのことはやっている」

「今の会社も悪いことばかりではないので、少し感謝しなきゃな」

と気持ちも変わります。

行動療法という言葉もあるくらい具体的な行動は重要です。動いているうちに見方が変わったり、さらに動けるようになるのでキャリアカウンセラーとしてはここをひとつのゴールにします。

 

★支援の終了

キャリアカウンセラーとしては

①本人の捉え方を改善して

②周囲の協力を活用して

③具体的な行動に移す

ここまでヒヤリングを通じて提案しますが、それ以上の心のダメージがあったり環境に法的問題があったりした場合は、各専門機関にバトンタッチします。精神的な疾患をフォローしたり、労働環境の改善することは明らかに専門外なのキャリアカウンセラーとして関わることはできません。

やがて精神的な自立が見えて自走できるようになれば、キャリアカウンセラーの役割は終了です。多くのキャリアカウンセリングの場面では「自分が何で悩んでいるのか整理できていない」という現象が見られます。ここを時間をかけて面談希望者本人の気づきを促してあげます。

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【人材ビジネスでのキャリアカウンセラー】

★仕事の概要

人材紹介会社や人材派遣会社にキャリアカウンセリングを希望する方は、基本的に就職や転職を前提とした状態で申し込んできます。HPなどでも「登録はこちら」「転職相談申し込み」という表現で受け付けています。面談自体は転職を前提に行われるので「なぜ転職したいのか」「条件や希望は何なのか」というテーマが中心になります。

★面談の回数

60分前後で基本的には1回です。遠隔地であったり都合がつかないと電話で行うこともありますが、電話の場合は30分程度で終了します。求人の提案などを面談後にメール送信して検討してもらったりするので、実質同じく60分程度と考えてよいでしょう。

★面談の内容

前半は転職希望者からのヒヤリング中心、後半はキャリアカウンセラーからの質問や提案が中心です。ヒヤリングではその方のキャラクターを把握して、何を大切にしているのか、スキルや経験の強みを発見します。キャリアに関する相談に終始する場合もありますが、多くは現職で活躍するためのアドバイスを送ったり、求人情報を使って具体的な転職活動をスタートします。

★必要な能力

転職希望者の話をよく聞き、その方の「絶対譲れない条件」「別に譲れる条件」「どうしても叶えたい希望」「できれば叶えたい希望」をしっかり把握する情報整理力が必要です。ここさえ間違わなければ、転職希望者は「このキャリアカウンセラーは自分のことをよくわかってくれている」となります。こちらから提案する求人情報も本人希望から大きくずれることはありません。

さらにプラスですが、いろいろな業界の方と業務を中心とした話をするので業界知識は必要です。次に面談する方の事前情報から、あらかじめ業界情報と現在勤めている企業の情報を掴んでおかないとヒヤリングがうまくいきません。特に技術職では自分の知らない用語が出てくるので要注意です。

そういう意味では、勉強好き、広く興味関心を持っていることは必要な能力です。

★面談の詳細

前半のヒヤリングがポイントです。ここで信頼関係を築いておかないと転職支援が進まなくなります。転職支援のステップに移ったらキャリアカウンセラーから転職エージェントに役割が変化します。

キャリアカウンセラーは「答えは転職希望者が持っている」のスタンスで条件や希望をヒヤリングします。転職エージェントは、転職希望者の分身(代理人)となって転職支援を行います。つまりヒヤリングがしっかりできていないと、本人が望まないような求人ばかり探すことになるので分身の意味がありません。

・本人の希望に沿った求人を探す

・本人の可能性を広げるような求人を探す

・もし希望が叶わないときの次の手を探す

これらを並行して考えながら企業の採用担当者にアプローチします。このステップまで進むとすでにキャリアカウンセラーとしての役割は終わっていますが、転職活動の途中で別な相談をしたりされたりするのでカウンセリング自体は続くイメージですね。

★支援の終了

キャリアカウンセラーとしては

①本人の捉え方を改善して

②周囲の協力を活用して

③具体的な行動に移す

ここまでヒヤリングを通じて提案します。ここは公共機関で行うキャリアカウンセリングと変わりません。決定的に違うのは③のゴールが転職成功であることです。転職先の企業で活躍することが理想的なゴールです。

もちろん全員の転職希望者を支援できるわけではありません。人材ビジネスは紹介する企業側から報酬を支払ってもらうので、企業にアピールできるだけのスキル、経験、人間性を持っていることが大前提になります。また転職希望者が、自分自身で動いた転職先で入社決定してしまうこともあります。

どちらにしてもしっかり信頼関係を築かないと、タイムリーに連絡や相談ができなかったり本音を話してもらえずに転職希望者の方から支援が途切れてしまうこともあるので注意です。 

 

「転職エージェントの役割」とは・・・・・

この記事ではキャリアカウンセラーにフォーカスを当てていますので、詳しい内容は「転職エージェントの仕事とは」を参考にしていただきたいと思います。

 

しかし上記で触れたように、転職エージェントのゴールは転職希望者と二人三脚で転職を成功させることです。 しかも転職を成功させないとまったく自分自身の売上になりません。そういう意味では

・転職希望者をスキル、経験、人間性を見極める

・その方の市場価値を確認する(転職市場におけるキャリアの希少性)

・その方の絶対条件と絶対希望を把握する

・スピードを意識して動くことで信頼関係をさらに太くする

・本当に入社したくなるような求人を提案する

といったポイントが外せなくなります。

 

転職エージェントが転職支援するときにも、当然キャリアカウンセリングは行うのですが、次の一歩のために行うという側面が非常に強くなります。また大手企業になると転職希望者(キャンディデイト)担当と企業担当に分かれて分業するようになります。そのため

・社内で情報をいかに早く正確に伝えるか、といったデジタル的要素

・転職希望者の印象や人間性、書面では表せない魅力を表すアナログ的要素

どちらも大切です。

ここに強い転職エージェントは転職希望者からの信頼が厚く、結果的に活躍しますね。

 

 参考にしていただけると幸いです。