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転職エージェントの仕事とは【人材紹介会社 一気通貫型の場合】

私は栃木県でキャリアコンサルタントとして勤めています。

転職エージェントの経験を経て、現在は求職者の第一対応を行っていますが「転職エージェントってどんな仕事なの?」という質問はとても多いので、私なりにまとめた記事です。

もしあなたが、人材業界や転職エージェントという仕事に興味を持っているのであれば参考にしてもらえるとうれしいです。あくまで北関東のいち企業の例なので、各地方での役割とは多少のギャップがある点はご了承ください。

 

 

栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。

転職エージェントは直訳すると転職代理人です。

求職者と面談を行うことで、その方の転職する背景今後の希望を伺います。ここで正確な情報取集をすることで、求職者本人に代わって動くことができるのが転職です。情報量や転職活動の動き方などはプロに任せた方が確実っていう考え方ですね。餅は餅屋です。何よりも求職者は信頼できる転職エージェントがいれば、働きながら転職活動を進めることができます。遠くの地へのUターンもいちいち自分が動かなくていいですし、遠くにあるどうしても入社したい企業への転職も可能となります。

このようにうまく活用すれば求職者の大きな味方になる転職エージェント、自分が転職することでもないとなかなか接点がないですね。今回の記事はその仕事の中身を紹介します。

転職エージェントの仕事は大きく分けて5つの役割で成り立っています。

 

①キャリアカウンセリング

求職者との面談を通じて、転職の背景、転職先を決める条件、転職後のイメージを共有します。実はこの共有が非常に重要で、転職エージェントの能力を決めると言ってもいいですね。経験や価値観が違う求職者と面談するわけですが、どうしても自分のモノサシが入ってしまいます。

「えっ、そんなことで辞めちゃうの?」

「いきなりその希望年収、無理じゃない?」

とか思っても、まずは一度そのまま受け止めないと転職活動が具体的に進んでから急ブレーキがかかったりします。求職者の軸を共有しながら、今後の企業への提案を念頭に強みを探る、転職支援の入口は大切です。

 

②マッチング

企業の求人とのマッチングを考えます。いくら転職エージェントが「これはベストマッチングだ!」とか思っても、求職者本人と企業担当者がそう感じなかったら意味がないです。求職者には最低でも3つ以上の求人を提案してみて、フックしそうな求人を絞り込みます。フックしなければ、求人の選択が悪いだけなのでまた違う求人を提案してみます。

断る求人と前向きになる求人の両方があると思いますが、その理由を確認していくことで、さらに深く求職者の軸を把握することができます。

 

③転職活動のサポート

ここでは応募書類のブラッシュアップ、面接前のアドバイス、場合によっては退職交渉の方法を教えたりします。すでに転職エージェントのフィルターを通って企業に推薦しているので、0次選考、1次選考は終わっているようなものです。

実際に面接の場で会ってみて、お互いに「あれ?」とならないように情報交換をしておけば面接は答え合わせみたいなものです。求職者の望む絶対条件をその求人が満たしているかどうかがポイントですね。

 

④求職者の登録を増やす

自社HPや転職サイトを使って転職希望者を集める動きを行います。ヘッドハンティング型の集め方もありますが、北関東では基本的にインターネット経由が大多数です。過去の求職者から紹介を受けることもありますが、とにかく有力な転職希望者をたくさん抱えることは業績を安定させるためのポイントです。

 

⑤企業の求人を増やす

良い求人がなければ良い求職者が登録してくることはありません。日々これまで取引があった既存企業だけでなく、新規企業の開拓も行います。求人は埋まってしまえばクローズとなります。求職者の確保と同じくらい新規企業の開拓は重要です。

 

これら①〜⑤を同じ担当者が行うスタイルは「一気通貫型」と呼びます。

一気通貫型の1番のメリットは、求職者情報と企業情報を同じ転職エージェントが持っていることです。それによりマッチングの精度が高くなることでしょう。求職者には「この企業はこういう魅力がありますよ。ここは懸念点です」企業には「この方はお会いしたらこういう印象の方です。強みはここです」と具体的な情報交換が可能になります。

そして、転職エージェントも「この方とこの企業は両想いになるんじゃないかな」と論理的にも直感的にもマッチングさせることができます。これは大きいですね。

デメリットは、業務量が膨大になることです。結果的に抱えられる求職者や企業が少なくなりますし、優秀な転職エージェントほど新規開拓まで手が回らなくなります。求職者との面談準備とその後の登録や求人提案だけでも時間を割かれます。企業訪問の準備とその後の求人票作成まで行うと、ふたつは全然違う業務なのでどうしても時間がかかります。

ここを解決するひとつの方法は分業です。人材担当と企業担当を分けるスタイルですが、この記事ではこれ以上触れません。一気通貫型で成果を出すためには、いかに自動化できるような事務処理を手離れさせて求職者や企業へのフォローに注力できるようにするか、を考えればいいですね。

④求職者の登録を増やす

⑤企業の求人を増やす

をパート社員などに振り分けて、転職エージェントの時間的な負担を減らすのも有効です。いかにボタンひとつで関連するすべての帳票に反映させるのか、IT化も必須です。

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当社でも一気通貫型のスタイルで転職支援を行っていますが、なんとか事務処理を90%削減させたいですね。クラウドもエクセルもその他アプリも使って新人研修が大変な状況ですが、徐々にクラウド機能をフル活用、足りない部分はプログラミングで対応する方向で動いています。

参考にしていただけると幸いです。