転職エージェントについて私なりにまとめた記事です。
もしあなたが人材ビジネスに興味があったり転職を検討しているのであれば、参考にしてもらえるとうれしいです。転職支援をする際に、求職者の転職サポートも企業の採用サポートも同じ転職エージェントが行うスタイルを「一気通貫型」という呼び方をします。これについては別の記事でまとめていますので、今回は「分業型」つまり、求職者の転職支援と企業の採用支援を別々の担当者が行うスタイルを紹介します。
キャリアコンサルタントの吉田です。
現在は栃木県で、キャリアコンサルタントとして人材ビジネスに関わっています。北関東の転職市場が前提の内容なので、地域的に内容が合わない可能性がある点はご理解ください。
少し規模の大きい人材紹介会社は「分業型」で進めるスタイルが多いですね。
「一気通貫型」は、ひとりの転職エージェントが求職者と企業、両方と顔を合わせていますので
「この方とこの会社は相性いいんじゃないかな?」
「この方のスキルは完全にハマるけど、社風に合わないだろう…」
とかなり精度の高いマッチングが期待できます。
しかし、良いことばかりではありません。
ひとりの転職エージェントが求職者と企業の両方のサポートをするので、準備の効率が悪くなります。事務処理も時間がかかります。何人エージェントがいても、それぞれが幅広い業務をこなさなければならないので作業量には限界があります。対応できる求職者の数も限られますし、求人の数も限られます。
エージェントは誰かの「代理人」ですので、代理できる限界があるということです。
「一気通貫型」でサービスする人材紹介会社は、ある業界に特化したり、地域密着でサービスすることで大手との差別化を図りますね。
転職エージェントが求職者担当、企業担当と分かれて担当するのが「分業型」です。
求職者と面談を行い、キャリアを活かせる求人、希望に沿う求人を提案するのがキャリアアドバイザー(CA)と呼ばれます。転職エージェントという言葉がこのCAを指すことも多いです。
きちんと転職の背景を理解して信頼関係を得ることは最低条件です。さらにCAにとって重要な仕事は、担当する求職者の強みを掘り起こしてプレゼンすることです。
この社内でのプレゼン能力が低いと、なかなか良い求人とのマッチングができません。求職者にイマイチな求人を提案しても首を横に振られるだけです。企業担当との連携がポイントですね。
企業の採用支援を行うのが、リクルートアドバイザー(RA)です。こちらはざっくりと「営業」と呼ばれることも多いです。新規開拓を行い、新しい企業の新しい求人を獲得することが重要です。同時にこれまでお付き合いのあった企業とパイプをつくり、新たに発生する求人を把握したり「こっそり採用したい」非公開求人を確保します。
新規営業とルート営業のどちらも行うイメージですが、求人の数が多いことがそのまま成約に繋がるので情報取集する能力が必要です。応募したくなるような魅力的な求人をたくさん抱えていれば、自動的に売上が上がると言ってもいいでしょう。
行動力が何より重要です。
そして企業の魅力、求人の魅力を言葉にできることが必要です。CAと一緒ですね。
ここまで求職者を支援するCA、企業を支援するRAをまとめました。
もし、あなたが人材紹介会社に転職したいのであれば以下を考えると良いでしょう。
・自分がやりたい業務は「一気通貫型」「分業型」どちらなのか?
・「分業型」であれば、CAとRAのどちらを希望するのか?
・その人材紹介会社は何に強みを持っているのか? エリア? 業界? 情報量? スピード?
・実際に自分が求職者として登録してみて、信頼できる企業なのか?
・公開されている求人を見て応募してみたいと感じるか?
といったところです。
もし入社したとしたら、CAであれば面談の経験を積みながら、キャリアコンサルタントの資格取得にチャレンジするのがオススメですね。キャリアのプロはあらゆる人の生涯に関わる、そして時代が変わっても必要とされる存在になります。
RAであれば様々な企業とパイプをつくれるのが魅力です。経営層との接点も多いと思います。刺激を受けるだけでなく、各方面に人脈ができるのは目に見えない財産になりますね。
単純に業務の中身で比べるのではなく、あなた自身がどのように成長するのか、転職エージェントとして何を実現したいのか考えることが大切です。とはいえ、あまり考えすぎずに人材ビジネスに飛び込んでから考えても、充分に間に合います。
人材紹介会社で働くということは、求職者の人生を決める仕事をすることになります。企業の業績を決めることもあります。そこにやりがいを見出してもいいのですが、あなた自身の成長にフォーカスすると結果的に良い仕事ができると思います。
あなた自身のキャリア形成についても、真剣に相談できそうな人材紹介会社であれば安心です。ここはぜひ、面接の場面で聞いてみてはどうでしょうか。