現在は栃木県で転職支援を行う立場で勤めていますが、いろいろキツイと言われることの多い飲食業界でのキャリアアップを提案するブログです。あなたが飲食業界に興味があったり、応募などを考えているのであれば、参考にしてもらえると幸いです。
様々な業界の企業に訪問する機会があり、採用担当者からヒアリングした結果もとに求人票を作成します。また、今でこそ自分の本を出版するのはキャリアの一部になっていますし、学習塾部門の教材作成も行います。どちらにおいても飲食業界、特にファミレスで勤めていた頃にレシピマニュアルにいつも触れていたことはとても大きく影響しています。
栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。
私が新入社員だった頃です。ファミレスのキッチンで渡されて初めて見たレシピマニュアルの印象は
「殺伐としている…」
「つまらない…」
「紛らわしい…」
でした。何十種類のレシピを暗記するのですが、同じような言葉が並んでおり、数字も多い、キャッチーな表現など皆無なフォーマットだったので、マイナス印象しかなかったですね。
しかし、1年に何回もメニュー改訂を行います。毎回限られた時間のなかでレシピマニュアルをアタマに叩き込んでいるうちに、その殺伐としたフォーマットにたくさんのメリットを感じるようになってきました。
殺伐と感じていたのは
・誤解を招くような余計なことを書かない
・解釈が変わるような情緒的なことを書かない
ことの裏返しです。分量はもちろん、カットした野菜の大きさ、完成した出来栄えも数字を使って表すことで、読み手によってブレがないことを最優先していました。
同じような言葉を繰り返し使うせいで紛らわしい…と感じていたのは
・同じ動作は必ず同じ表現、書き方で表す
・食材の書き方も順序を決めてルールを持たせる
からです。結果的にこの方が混乱が少なくなります。それぞれのレシピマニュアルの「共通するところ」「違うところ」がハッキリします。
「左でフライパンを持ってラードを入れて火にかけます」
という書き方は、持つものが変わっても食材が変わっても一緒です。この書き方のまま暗記して、言葉と動作を一致させれば全店で同じ作り方、同じ出来栄えが実現できます。私もグランドオープンや実験店に携わることが多かったので、レシピマニュアルを作成することも多かったのですが、ここで書いて伝えるスキルを訓練できたことは大きな経験です。
それから10年以上も経って、人材業界で求人票を作成したり学習塾部門の教材を作る立場になりました。書く機会、伝える機会が増えてきて、改めてレシピマニュアルの完成度の高さを思い知ります。
書く相手が主に求職者や生徒なので表面化しにくいですが、求職者が混乱することなく求人票を読んで解釈できるかどうかが大切です。学習塾ではなおさら、生徒が混乱することなく解説を読み取れることが必要です。
飲食業界は人手不足で、最初に覚えることも多いし大変…というイメージが強いと思います。実際に当たっている部分も多いのですが、得られる経験はその何倍もあります。私自身10年以上もファミレスで教わったり教えたり、その積み重ねがなかったら今の働き方はなかったと言えます。
もし仕事を探していたり転職を考えているようであれば、飲食業界も検討してみてはいかがでしょうか。キャリアアップのステージとしては充分なやりがいがあります。
参考にしてみてください。