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キャリア・短編小説・NIKKO・Fukushima

採用はチームを意識する【この時代に飲食で働く提案】

ファミレスで13年以上勤めた経験をもとに「キツイので飲食業は避けたいです」と言われる時代でも、あえて飲食業でのキャリアアップを提案しています。参考にしていただけると幸いです。

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栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。

前職での経験ではありますが、ファミレスでグランドオープンに何度か携わってきました、初めてオープン店長を任されたときは、そりゃ気合い十分で、採用から教育まで全力でやりました。
採用予定25名のところ、100名くらいの面接を行いました。

 

基本的に問い合わせ段階で断ることはなく、たくさんの候補者から選考したいので、どんどん面接です。最強オペレーション軍団を目指していた私は、とにかくリーダー格、バリバリな印象の方を次々と採用したわけです。


大失敗がいくつかありました。

・「なぜこの土地に出店するのか」

・「この新店は何を目指しているのか」

・「私は店長としてどういう店をつくりたいのか」

といった目的や目標は後回しにして面接を行っていました。会社や私の考えに共感をしてもらえるかどうかはどうでもよかったわけです。

 

私の選考基準は

・こなせそうか?

これだけでした。

 

グランドオープンということは、当面は客数も多く忙しいことが予想されるので

「この方、オープンまでに研修終わるかな?」

「忙しくても頑張れるかな?」

「そもそも元気かな?」

そんな視点でしか人を見ておらず、メンバーの全体バランスを考えていませんでした。野球で言えば、4番バッターばかり並べている状態です。サッカーで言えば、エースストライカーを11人並べている状態です。


いざオープンすると、想定よりも客数が少なかったこともあり、いつもぶつかり合いです。忙しくて、人のことなんか構ってられない!くらいなら良かったのですが、ちょっとでも余裕があると、人のことが気になります。
あーじゃない、こーじゃない、と主導権争いが起き、グループができます。
2ヶ月もすると

「なぜこの店で働きたいと思ったのか」

「どこを目指しているのか」

誰も考えてない店になってしまいました。


私はやる気はありました。

しかし、いつも店の中でゴタゴタが起きるので、消防隊のように火消しばかりに追われます。私がつくづく思っていたことはひとつだけです。

「こんなはずじゃなかったのに」

理念が共有されておらず、何のために働いているのかわからない集団です。主張したいキャラクターがぶつかるに決まってます。私の採用方針の大失敗です。

立て直しに2年かかりました。

 

次のグランドオープンでは、みんなを引っ張るリーダー、コツコツ頑張るタイプ、お節介なくらいの面倒見がいいタイプ、若いおとぼけキャラ、無口なフリーター、いろいろですが「その人の長所だけを見て」採用することにしました。


ちゃんと長所を発揮している人たちが集まると、お互いを認めるようになります。
コミュニケーションがちゃんと行われると、メチャクチャ忙しくたって大丈夫です。

 

入口の採用は大切ですね。

「どんな人を採用するか」

も大切ですが

「その方にどのような活躍をしてほしいのか」

がもっと大切です。 

身をもって大きな学びを得た話です。

どの業界でも同じような学びは得られると思いますが、ファミレスはパートアルバイト比率が高く、いつも採用と教育を行っています。自分がトレーナーとして最前線で教えるときにも貴重な経験が得られますし、いざ採用の責任者になることがあればその難しさとやりがいを学ぶことができます。

 

一生モノの体験です。

ぜひ転職を検討するようなら参考にしていただけると幸いです。