栃プロ

栃木発「プロフェッショナルな自分を目指そう!」

皿洗いはバカにできない【この時代に飲食で働く提案】

ファミレスで13年以上勤めた経験から、飲食業でのキャリアアップを提案しています。数ある業界でも、パートアルバイトの構成比率が高くて稼働時間も長いのは飲食業の特徴です。良くも悪くもいつも採用と教育が行われている環境です。

 

栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。

キッチンで採用されると最初に配属されるセクションは洗浄であることが多いですね。レシピを覚える必要がないことですし、他のセクションとの連携がほとんどありません。お客様に直接迷惑をかけることが少ないこともあるでしょう。

 

実際の洗浄は「皿洗い」というだけあって、トレーナー的には教えるのがラクという背景はあります。そもそも採用活動をしている時点でスタッフが不足しているので、そんなに手厚くトレーニングなんてやっていられません

そこそこ早く一本化して戦力にもなりますね。

 

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しかし、洗浄セクションはバカにできません。たかが「皿洗い」と思ってやるのと「キッチンの戦力」と思ってやるのでは、1ヶ月後にはリンゴとアップルパイくらいの違いになります。別に「リンゴが美味しくない」という意味ではないのですが、もぎたてのリンゴで終わるのか、それとも高い付加価値を持つのか、ということです。

 

少し具体的に説明します。前職のファミレスでの話です。
私が勤めていたレストランは和食が中心だったので、キッチン内は以下のようなセクションに分かれていました。

・天ぷら

・ご飯もの

・うどんそば

・スープ

・仕込み

・洗浄

・コントローラー

実際の呼び方は違いますが、このように何の機器の前に立つかで役割が決まります。グランドオープンでもない限り、新人はやっぱり洗浄からスタートです。


この洗浄セクション、業務用洗浄機が1分半まわります。その間に空いているラックに次の洗い物を並べたり、すでに洗い終わった食器を仕分けるオペレーションです。

少し慣れると要領がいい担当者は、洗浄機を休ませません。1分半の間に、食器を仕分けて、次のラックを準備して、洗浄機がピー!と止まった瞬間にラックを入れ替えて、次のラックをまわします。

「洗浄機を休ませない」

とも言えますし

「洗浄機のリズムに合わせる」

とも言えます。

ラックも、食器だけのラックばかりガンガンまわすと仕分けが大変になるので、タイミングよくグラスだけのラック、お盆だけのラックを挟みます。グラスやお盆は仕分けが不要だからです。


中級者になると、ラックの中の並べ方まで決まってきます。

どのように並べれば仕分けるときに速いのか、逆算して並べることができます。ピー!と止まった瞬間に洗浄機からラックを出して、両手で仕分けをはじめます。


さらに上級者は、先読みが入ります。

「◆◆の器、早めに洗ってくださーい」とかコントローラーに指示されるのを嫌います。そのため、自分は調理に関わらなくてもキッチンの様子、声のやり取りから

「今日のオーダーは意外と鍋物が多いな…」

のように出数傾向を察して土鍋を優先的に洗います。

出数に偏りがあると器の使用量も偏ります。早く切れてしまう器がわかるので、優先的に洗います。ちょっと余裕があるときには、その器を使うセクションまで運んであげます。帰り道で、使用済みの器や備品を洗浄に持って帰ります。


結果的に、最前線で調理をしているセクションはどんどんこなせます。先読みできるレベルまで洗浄担当者を育成できるかどうかが、店長やトレーナーの差になります。

たとえ、洗浄セクションの新人でも

「ありがとう、おかげで助かったよ」という感謝と

「先輩達の役に立った」という貢献です。

これらを実感させないと意欲は続きません。

新人アルバイトが「なんだ、皿洗いか」とナメてかかるのか、先輩たちをびっくりさせるくらいまわすのか、圧倒的に大きな差が出るので見ればすぐにわかります。


洗浄で頭角を現せば、調理のセクションに移ってもまず大丈夫です。確実に美味しい料理を作ります。
カンタンだからこそ奥が深い!これが洗浄です。

飲食業は採用と教育の業界です。ヒューマンビジネスと呼ぶ方も多いです。

このような経験はどのような業界で挑戦することになっても必ず活用されます。転職を検討しているようであれば、ぜひ参考にしていただけると幸いです。