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「辞めようかな?」その前に…【転職エージェントが考える面接対策⑩】

求職者と登録面談やキャリアカウンセリングを行うときには、応募先をピックアップするために様々な条件や希望を伺います。そのときに面談する相手の方が離職中なのか、または現職中なのかで若干アプローチが変わりますが、忘れてほしくない原則もありますので、紹介したいと思います。

特に転職をすることで「やりたいことを見失ってしまった」とか「転職したのはいいけれど、何も改善しなかった…やり直し?」という方に参考にしていただければ幸いです。

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栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。

転職エージェントの立場で考えると、求職者が今の会社を辞めたい理由は大切です。同じような理由での転職を繰り返さないためです。また次に何をやりたいのか、やりたくないのか、その理由も大切です。

最高の転職をするためのポイントが2つありますので、私なりに紹介します。

①今の会社に感謝する

②今の自分を振り返る

この2つがオーラ、行動になって表れている求職者は、転職のやり直しになる確率は確実に低くなります。それぞれ解説します。

 

何か不満があったり、はっきりとやりたいことが決まっていれば、そこにフォーカスしてモチベーション(動機付け)や解決方法を考えれば先に進みます。ただし、求職者のなかには「何をやりたいかわからない」と正直に話す方もいます。

わからないことを整理してあげると、ざっくりと3パターンに分類されます。

・何をやっても何とかなりそう

   →今まで何とかなってきた

・何をやってもダメそう

   →今までダメなことが多かった

・情報がなくて、何があるのかわからない

   →今まで視野を広げる機会がなかった

と表現できます。意外と「やりたいことがない」と悩んでいる求職者ほど、視線が2m先の自分のことばかりに集中する傾向があります。自分を見つめ直してアップデートすると同時に、周りを見渡す心の余裕がほしいところです。これは意識しないとなかなかできません。

 

①忘れてほしくないのは「今の会社に感謝する」気持ちです。

もしあなたが、今の会社を辞めたくて辞めたくてしょうがないのであれば、不平不満はいくらでも出るかもしれません。このまま転職活動を行うと、怒りや逃げが行動のモチベーションになります。それが絶対に悪いわけではありませんが、必ず思考回路や発言にマイナス表現が入ります。

面接担当者は、応募書類や面接でマイナスやネガティブを察したら、確実に見送ります。極端かもしれませんが、プラスやポジティブを感じる方でないと採用するメリットがありません。つらい状況にあっても笑顔や感謝の気持ちを忘れない方は、会って話せばわかります。スキルはその次です。辞めたくてしょうがない気持ちを一旦リセットして

・大変だったけど、貴重な経験をさせてもらった

・この経験で視野が広がった

と見方を変えられるかどうかが勝負ですね。

「7つの習慣」で言えば、パラダイムシフトです。若干精神論ですが、勤めていた会社に問題があったとしても、お世話になった相手にして感謝の気持ちを持っていれば、明るい転職活動になります。必ず面接時の姿勢、発言にも表れます。

ここができれば、感謝する対象は、自分の家族だったり友人だったり、自然に広がっていきます。良い思考の循環が生まれますね。こういったきっかけを与えてくれるので、転職エージェントやキャリアコンサルタントの活用はオススメです。ただ単に求人情報を紹介するだけでなくて、他人だからこそ、責任感を持って現状の課題を指摘したり、視野を広げるアプローチをしてくれます。

 

②もうひとつ「今の自分を振り返る」そして「今、何をやっているのか振り返る」です。

転職を考えはじめると、意識が「先に先に」「次は次は」と向いてしまいます。だからといって今の会社で、目の前の仕事に対してやる気を失っている求職者も現実的にたくさんいます。

転職エージェントの本音は

「転職したあと、大丈夫かなぁ?」

「ちゃんと普通の責任感を持っているのかな?」

って余計な心配をしてしまいます。辞めることしか考えていない求職者は、結局自分のことしか考えていない求職者です。そこまで精神的に追い詰めてしまう本当のブラック企業もあるでしょうが、意識していないと自然と次のような泥沼にハマります。

→自分からやる気を失う

→それにつられて動きも悪くなる

→それにつられて、もっとやる気を失う

→職場や仲間に対して傍観者になる

→自分は被害者だと捉える

ここまで至ると、マイナスのスパイラルどころじゃないくらい、直滑降スキーみたいな救いのない思考になります。転職エージェントには救えません。


いくら口ではいいこと言っても、今は何をやっているのか?の方が大事です。

・自分で決めたことをやり切っているのか?

・任されたことをやり切っているのか?

・周囲の仲間にも感謝を感じて動く人なのか?

・何に感動して体が動く人なのか?

今の行動の方が大事です。

転職活動がスタートしても「家族のために、仲間に迷惑がかからないように、お世話になった会社のために、お世話になった顧客のために、今の仕事もやれるだけ頑張ってます」と言って行動も伴っている方は、確実に信頼できます。

それがだけが判断材料ではないですが「この人はどこに行っても大丈夫だろう」と第一印象は最高です。周りの状況や今後の変化に振り回されることなく、しっかりと自分の軸で考えて動ける方は、変に転職エージェントに頼りすぎることもありません。

どんな職場でも、どんな仲間とも、転職エージェントが誰であっても、目の前の仕事に対する姿勢が変わらない方は最高です。

かくありたいものです。