自然に囲まれた遊歩道、間近で見る滝の迫力、あまりに険しい場所なので頻繁に通行止めになることで、日光の地元民にはよく知られている【裏見の滝】を知っていますか?
華厳の滝、霧降の滝とともに日光三名瀑に数えられる観光名所ですが、バスが走っていなかったり、周辺に別な観光スポットがあるわけでもないので、足を運んだことがある方は少ないのではないでしょうか。
今回の記事では、土砂崩れから約500日振りに復活したばかりの裏見の滝を紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。
アクセス
裏見の滝は、中禅寺湖に向かう途中で脇道に入った先にあります。日光東照宮から5kmの距離なので、途中でバスを降りて歩いてアクセスすることも一応可能です。
専用の無料駐車場がありますので、こちらから遊歩道に向かっていきます。2022年の夏から2023年12月15日までは工事が行われていたので、実に500日以上、裏見の滝に向かう道が閉ざされていました。
片道15分程度のウォーキングに行ってみましょう。
爽快な遊歩道
少し山を登った場所にありますので、服装には注意です。今回は復活してすぐのタイミングで訪れましたので、山の景色は寂しい感じですが、葉っぱが邪魔しない分、遠くまで見通すことができます。
途中から足元に板が貼られて、歩きやすくなります。新緑の季節、紅葉の季節、さらには真夏の避暑地として、季節ごとに景色を楽しめるのが素晴らしいです。
上を見上げれば、まさに崖が頭上まで広がっているような感覚です。確かに落石で通行止めになるのもわかります。
ここ数年だけでも
2010年 木橋が崩落の恐れがあり通行止め
2011年 橋の架け替えで通行止め
2017年 遊歩道改修工事で通行止め
2022年 落石で通行止め
のように、観光したくても数ヵ月単位で通行止めになることが多いので、チャンスがあれば足を運んでみることをおすすめします。
松尾芭蕉も訪れた
この裏見の滝は、かつて松尾芭蕉が訪れたことでも有名です。
現在の東北地方に向かう際に、わざわざ日光を寄り道したこともすごいですが、元禄2年(1689)に裏見の滝を訪れて一句詠んでいます。
暫時は滝に籠るや夏の初
「しばらくは たきにこもるや げのはじめ」
夏籠り(げこもり)は、僧侶の修行を表しており、この句をざっくり現代風に訳すと
「夏になって、滝の裏に籠っていたら、修行をしている感じがした」
みたいな意味でしょうか。
この句からわかるように、かつては本当に滝の裏側に行くことができたようですが、明治35年の洪水によって滝の上部が崩れて、残念ながら正面から見ることしかできなくなってしまいました。
当時は、華厳の滝よりも有名だったと察しますが、また裏見の滝の名前通り、裏側から見てみたいものです。
裏見の滝に到着
裏見の滝に到着する前から、大小いろいろな滝の様子が見られて、遊歩道も充分に楽しめることがポイントです。岩壁が立ち並び、だんだん滝の音が大きくなってきて、空気がひんやり変わっていくのがわかります。
裏見の滝に到着です。
展望台から迫力のある滝を、全身で感じることができます。
高さ20mの滝は、決して壮大な高さではないのですが、かなり近い距離で流れ落ちて、青い滝つぼに流れる様子が美しく、日常とは違う空間に入り込んだような感覚になります。
水しぶきも飛んでくるので、夏は子ども連れでも楽しいと思います。
かなり近い距離から絶景を楽しめる観光スポット、裏見の滝を紹介しました。日光の旅の途中で、思い出作り、リフレッシュにぜひ足を運んでみてください。
参考にしてもらえるとうれしいです。