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第7回【おだかつながる市】住民ゼロからコミュニティ復活物語(福島復興)

福島第一原発から約20km、南相馬市にあります小高区をご存じでしょうか。

原発事故の避難指示区域に指定されたことにより、この一帯は住民ゼロ、地域コミュニティが消滅してしまう危機がありました。

2016年になって避難指示が解除されても、また地元に戻れる方は高齢の方が中心、社会インフラの整備もまだまだで、いわゆる「普通に生活できる」とは程遠い状況でした。

2024年現在、どのようになっているのでしょうか。そんな場所で開催されている、おだかつながる市にお邪魔した様子を紹介します。

 

おだかつながる市とは?

震災後の小高で、いち早く地域再生に取り組んでいた「小高ワーカーズベース」と南相馬市による起業型地域おこし協力隊事業「NCL南相馬」、無印良品が各地で開催しているマルシェ「つながる市」が、手を組んで2019年に、第1回おだかつながる市が開催されました。

地元を中心に出展者が集まり、そして日本各地からも小高を応援しようと、たくさんの事業者やプロジェクトが参加しています。途中で感染拡大による中止を挟みながら、2024年6月30日で第7回を数えます。

 

現在は、小高つながる市実行委員会によって企画運営されており、1日たっぷり楽しめるマルシェになっています。

 

当日はどんな様子?

会場は、常磐線の小高駅から歩いて5分程度、小高交流センターです。

2019年にオープンしたばかりの、きれいで広々したスペースが、クラフト作家エリア、フードエリア、ワークショップエリアと分かれていました。

10時開始からどんどん来場者が増えましたが、芝生でのんびり過ごせるようになっており、キッズエリア、多目的スペースがあるので意外と混雑している感じはありません。

 

出展者のほんの一部を紹介

どのブースも魅力的で賑わっていました。体験型と物販型がバランスよく出展していたので、誰と来場しても楽しめたのではないでしょうか。ひとつひとつ紹介したいところですが、今回は3つに絞らせていただきます。

 

キャリコンサロン

レゴブロックを使って、親子連れとのコミュニケーションを楽しんでいました。早々に予定数を午前中で完売してしまいましたが、同じブロック素材でも子ども達がそれぞれ全然違うものを作り上げる様子が面白かったです。

 

東京相双化計画

東京と相双地域(太平洋側のいわき市以北の地域)を、様々な形で繋げようと活動しています。相双地域で行われるイベントに参加したり、相双地域の食や文化を東京で発信したり、その名の通り「東京を相双化しよう」というプロジェクトです。

今回は楢葉町にスポットを当てて、オリジナル商品を販売していました。

 

NCL南相馬(Next Commons Lab 南相馬)

おだかつながる市を共催している、NCL南相馬も出展していました。NCL南相馬は、全員が市外から移住して、地域課題の解決や地域資源の活用を目指しているプロジェクトです。

 

その他にも、美味しいランチや、手作りクラフト、かなりお買い得な農産品、見どころがありすぎで、またぜひ遊びに行きたい内容でした。

かつての小高区は、地域コミュニティが消滅してしまい、原発事故により失われた街になってしまう可能性もありました。そこから、日本各地の起業家が集まったり、離れた地域からも注目されることで、新しい小高区が出来上がってきていることを感じました。

こんな経緯を抱えているにも関わらず、個人的には、震災復興のような雰囲気をまったく出していないことが印象的でした。一度失ったからこそ、未来だけを見ている意志を感じます。

 

 

これからも開催すると思いますので、ぜひチェックしてみてください。