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人材紹介会社の登録面談⑤人材紹介会社の情報が役に立たない…使わない?

人材紹介会社の転職エージェントとして、様々な求職者の転職支援を行ってきた経験から、人材紹介会社を上手に活用する方法を紹介している記事です。これから人材紹介会社に登録して転職しようかな…という方はもちろん、人材紹介会社に勤めている方、ハローワークなどで転職相談をする方にとっても、何かしら参考にしてもらえると幸いです。

いらない求人情報がメールで届く

今回のテーマは、人材紹介会社や転職サイトを使ったことのある方なら、実感があるかもしれません。メールで次から次へと機械的に求人情報が届くけど、全然希望に合ってない…というパターンです。

最近ではターゲット(あなた)に沿った、精度の高い情報提供を行う営業支援サービスも多いので、以前ほどではありませんが、これはイライラするのではないでしょうか。受け取るあなたは、以下のような感情だと思います。

①メールの開封や確認が面倒…

②機械的に処理されている気がする

③とりあえず関係を繋ぎたいのかな?

④担当が直接連絡するような熱い求人でもないのかな?

⑤偶然にも求人がヒットするのを狙っているのかな?

⑥紹介できる求人がないし、とりあえず情報提供で納得してほしいのかな?

②~⑥は、ほぼほぼ転職エージェントの本音だと思います。

人材紹介サービスの限界

実は、人材紹介会社に登録しても、そこからの紹介や支援を受けて転職できる方は一握りです。おそらくですが、大手になればなるほど転職できる割合は下がってしまいます。登録する方の母数が多いので、転職する方が一定数確保はできるでしょうが、登録しただけで何も起きない…という方が大半(ほとんど)になっているはずです。

人材紹介会社は、入社が決定した企業に紹介手数料を請求する仕組みなので、求職者と企業のマッチングだけでなく、そこに紹介手数料の価値を感じてもらえるかどうかの課題も発生します。ですので、ハローワークや求人媒体(ネットやフリーペーパー)よりも転職するハードルは高くなってしまいます。

まったく魅力的な求人情報を送ってこないじゃないか…自動メールばっかり送ってこないでほしい…となった場合にどうするか、と考えてみたいと思います。

 

 

大きく分けて対策は2つです。

対策①人材紹介会社を変える

これができるのであれば、改善する可能性が高いです。規模の大きい人材紹介会社だと、確かに求人数は多いのですが(表現は悪いですが)求人と求職者をマッチング処理するのに限界が起きてしまいます。

そこで切り替えて、まったく違うタイプの人材紹介会社にも登録してみることもおすすめです。特に「求人情報をやたらに送られて困っている」という悩みであれば、地元の小規模~中規模の人材紹介会社を活用するのが良いでしょう。規模が小さくなると、扱っている求人数が少ない、求人情報が弱い、大企業の求人がない、のような不安はあるかもしれませんが、地元ならではの隠れた求人を紹介してくれたり、求人がないのに周辺企業にあなたを紹介してくれたりします。

確かに求人数は多いに越したことはないのですが、比例して求職者の登録も多いはずなので、埋もれてしまう状況を避けるのは有効です。

対策②転職エージェントに要望する

これはダイレクトに「希望や条件に合うような求人はありますか?」や「どの条件がネックになっていますか?」と聞いてみるイメージです。これで解決するなら、直接聞いてみるのが良いでしょう。多くの場合は、強みやアピールポイントが一般的すぎて、他の求職者に埋もれてしまっている可能性が高いです。

あまり食い下がるのは、担当する転職エージェントからの印象を悪くするだけなのでNGですが、前向きに相談しながら求人を探っていく動きができれば、印象に残りますし、気持ち的には応援したくなりますね。ちょっと営業的な要素がありますが、結局のところ、転職エージェントも人なので、気持ちによって優先順位や動き方が決まる部分も大きいです。(こういう表現をすると、非難を受けることもありますが、企業に自信を持って紹介できる人を優先するのは、市場原理として当然です)

対策③人材紹介会社を使わない

これは書いちゃっていいものか悩むところがありますが、人材紹介会社に登録しても、そよ風すら吹かないのであれば、違う転職方法を考えた方が良いです。ここでムキになっても、結果的に貴重な時間や労力を使うだけなので、自滅してしまいます。

これはあなたのスキルや経験、人柄に懸念があるのではなく、どうしても無理な絶対条件があったり、一般的に人材紹介会社を使わない業種だったりすることが多いです。

無理な絶対条件とは、極端ですが以下のようなイメージです。

「接客サービスの経験しかなくて、これからも続けたいけれど、どうしても土日休みを叶えたい」のような条件です。

絶対に叶わないわけではありませんが「子育てがひと段落した主婦が土日にバリバリ働いてくれるので、平日勤務だけでも大丈夫です!」とか、近くに大学があって「土日は学生で回しているので平日勤務がむしろ助かります!」のように、偶然と環境が重ならないと難しいです。そのような求人を、これまた人材紹介会社が扱っていなかったらアウトです。

そして、接客サービス(飲食店や小売店など)のように、客単価が低い業界だと人材紹介会社を使う可能性は非常に低くなります。客単価が低いと、売上ボリュームも小さくなりますし、採用にそれほどお金をかけられません…となる傾向は強いです。よほど人が集まらない業種やエリアだったり、商品開発のような特別なスキルがあれば別ですが、その他大勢のようなポジションに有料の人材紹介会社を使うことはレアケースであることは知ってもらえると良いと思います。

そうすると、ハローワーク、求人媒体、SNS、HP、貼り紙などを使って、自力で転職することになりますが、ひとつだけアドバイスすると、転職エージェントに「(人材紹介会社を通さずに)自分で応募できる求人ならありますか?」と聞いてみると良いかもしれません。

対策④転職エージェント活用の奥の手

この背景をカンタンに解説すると、転職エージェントがある企業に求人をもらいに営業したとします。その打ち合わせの場で、企業の担当者から「この職種は人材紹介を使わないよ」と言われてしまうことが多々あります。募集はしているけど、その他大勢が働く職種だったり、あまり探すのに苦労しないポジションだと、紹介手数料を払ってまで採用することはない、ということです。

こういった求人は、募集しているのに人材紹介会社の求人情報にも掲載されないし、当然転職エージェントから提案してくることもありません。(親切心で積極的に教える担当もいます)

ですので、人材紹介会社を最後に活用しようと思ったら「自分で応募できる求人ならありますか?」と聞いてみるのも一手です。

 

いかがでしたでしょうか。人材紹介会社に登録して転職することは、人によってはストレスになってしまうかもしれません。ちょっとだけ人材紹介会社の実情であったり、対策について解説しました。参考にしてみてください。