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転職成功の条件14【転職失敗かな?と心配になったら】

日々栃木県を中心に転職支援をしています。転職エージェントとして転職支援をしていると、求職者の人生の大きな節目に立ち会うわけですが、転職後も接点はあります。定着支援という表現だとプレッシャーみたいなものを感じるかもしれませんが、要は情報交換とか近況報告です。

転職エージェントは当然「この転職は求職者にとっても企業にとってもWINになるだろう」と思ってサポートします。しかしながら「本当にそうなのか?」という確認は必要でしょうし、想定していたなかった思わぬところでギャップを感じるケースも多々あります。

極端な例では「転職しない方が良かったかな?」とか「もっと良い転職先があったんじゃないか…辞めるなら早い方が迷惑をかけないんじゃないか…」と考えてしまう可能性もあります。

 

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今回の記事では、そんなときに伝えているアドバイスをまとめています。あなたが転職活動中、または転職して働きはじめたタイミングで思うところがあれば参考にしていただきたいと思います。

 

栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。

転職することで、転職しようと思った原因やモチベーションが叶ったかどうかが重要です。「とりあえず働かなきゃ…」という状況で割り切って入社すると意外とうまく馴染んだりしますが、想いを持って転職するほど考え直すケースが多いです。

 

①転職しようと思った原因がまったく解決されていない

②あなた自身が会社を選ぶ基準を間違っていた

③懸念があっても大丈夫だろうと楽観的すぎた

転職先で悩む主な理由は、およそ上記の3パターンに当てはまるのではないでしょうか。

 

もちろん①〜③までのトラブルが起きないように転職活動をするのが理想ですが、ここでは「もう入社しちゃったし…どうしよう…」というケースを考えてみましょう。

 

①転職しようと思った原因がまったく解決されていない

 

これは例えば、残業がメチャクチャある製造業で「体調が心配になって転職してみたら、結局環境は変わらなかった、むしろ慣れていないのでさらに大変…」とか「トップダウン型の企業でかなり嫌な思いもしたから、心機一転転職してみたら、変わらずトップダウンだった…会社ってどこもこうなの…?」みたいなイメージで考えるとわかりやすいと思います。

 

そうならないように事前情報を入れて転職活動をすれば済むことですが、入社してしまったら当然「次探そ…」となります。転職しようと思った原因が変わらないのだからしょうがありません。辞める前にせめて、その会社で良いところを探してみるのはオススメです。

・忙しいけど意外とみんな苦もなく頑張っている

・3年間働けば退職金があるらしい

・ひょっとしたら、ここならではのスキルがマスターできるかも

前職で我慢できなかったから、そして次へのチャレンジ精神が湧き上がって転職してきて、そこからのギャップなので、なかなか客観的にメリットを探せないかもしれません。話せる社員に相談してみるのもいいでしょう。前職の元同僚に話せるならそれでもいいでしょう。あなた自身の気持ちを吐き出して、なるべく客観的に現職を見てみて気持ちが上がらないなら、次の職場を探すことを視野に入れる段階です。

 

人材紹介会社(転職支援会社)に登録して、キャリア相談をしてから動くことも有効です。必ずしも人材紹介会社のキャリアカウンセラーが提案する求人に就職する必要はないですし、むしろ初めて会ったまったくの他人にあなたの印象を聞いてみるのはオススメです。求人の探し方から教えてくれるはずです。

 

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②あなた自身が会社を選ぶ基準を間違っていた

 

とにかく残業はしないでワークライフバランス重視で働きたい!と思って転職した先で「まさかやってみたら、事務の仕事がこんなに私に向いてないとは思わなかった…」なんてことはあるあるです。ファッションに興味があるからアパレル業界に就職したら、自分が好きとそれを販売するのは全然違っていた、こんなエピソードはザラです。

 

①〜③のうち、私が思う絶望的に転職した方が良いケースは②です。こればかりは失敗してみないと、あなた自身も自分の基準がわからないかもしれません。私にも経験があります。私が「自分は商材は何でもいいんだ!自分らしい提案で相手に影響を与えられるのであれば!」と選ぶ軸を理解したのは3社目、現職に入社してからでした。

 

ここからはサンプルです。

あなたはひょっとしたら、残業が厳しいことが我慢できずに退職したのかもしれません。しかし長い時間をダラダラ働いて疲れていたのは、あなたの先輩社員が全然魅力的ではなくて、どうでもいいような愚痴を聞かされていたことがきっかけかもしれません。または全然重要ではない書類を手書きで書いてばっかりで、誰も仕事を早く終わらせようと思っていない、無駄に見える仕事が多すぎるから残業がバカバカしいのかもしれません。

つまりこうです。あなたが思っていた退職理由「残業が多い」は、決定打になっていただけ、追い討ちをかけていただけで、そもそもギャップを感じていたもっと大きな土台があったということです。部活だって「筋トレが多すぎる」という理由だけで嫌いにならないはずです。

次の求人を探す前に「こんな会社は嫌だ」をしっかり考えてみましょう。その反対が選ぶ基準としてはわかりやすいです。「ダラダラ残業している職場は我慢できないけど、忙しいときに2時間くらい伸びて達成感を味わうのは実は何とも思っていない」のような感じです。

 

破壊的な解決方法として、短期的に軸を変えてしまうのもアリです。

「ここでは稼ぐことに集中して、次こそ理念に共感できる会社に行こう」

「人脈を築けるだけ築いて、次に活かそう」

「とにかくやりたかった経理ができるんだから、業務だけに集中しよう」

悪くないと思います。大切なことは「転職失敗かな?」と思ってもあなた自身が損をしないことです。

 

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③懸念があっても大丈夫だろうと楽観的すぎた

 

これは残念ながら、事前のシュミレーションが甘かったか、そうしなければならない状況だったのでしょう。通勤距離、年収、未経験職種など条件について、入社を決断する前に「ちょっと無理があるけど、しばらく経って慣れたら大丈夫かな?」と思ったけれど、どんどんキツくなっていく…これもよくあることです。

本当に慣れてきて大丈夫になることもありますが、思わず「転職失敗かな?」と振り返ってしまうほど絶望することもあるでしょう。

「資格取得に向けて勉強しながら働こう」

「ノルマが大変でも、稼がなきゃならないんだから負けないだろう」

当初は意気込んで転職しても、キツい状況が続くと気持ちが折れてしまうかもしれません。

 

様々なケースがあるので、一概には言えませんが「素直に相談してみる」とにかくここからです。特に意気込んで転職すると無理をしがちです。身体か心がボロボロになるまで頑張って、取り返しがつかないダメージを負うこともあるでしょう。正直に、懸念があっても大丈夫だろうと楽観的すぎました…と相談することで転職先の社風、スタンスもわかります。意外とそんなあなたに理解を示してくれるかもしれません。冷たい反応かもしれません。バカにされるかもしれません。それでも抱えるよりはマシですね。

キャリアカウンセラーに相談できる環境であれば、活用してみることもオススメです。リモートでもできる時代なので、いろいろな意味で相談するハードルが下がっています。何か別な不満にすり替えて、新入社員のあなたが文句を言ってもしょうがありません。話を聞いてもらう、この切り替えが一番傷口が小さくなるでしょう。

①と②のケースとは異なり、無理をして頑張らないことが大切です。

 

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今回の記事はネガティブな状態がスタートなので、全体的にワクワクするような内容ではなかったと思います。非常に厳しい状況になっても、あなた1人で抱えることなく「これは将来のネタになりそう」とか「これより大変な環境は経験しようと思っても無理じゃないかな?」と少しでも楽しく過ごす、ちょっとの余裕があるといいですね。

 

参考にしてもらえると幸いです。