もし飲食業への就職や転職を検討しているなら、ぜひ参考にしていただけるとうれしいです。ファミレスで13年以上勤めた経験をもとに、魅力とやりがいを伝えたいと思います。
今回はマニュアルについての話題です。お客様目線ではスタッフ全員にマニュアルがきちんと行き届いていて、感じの良いサービスと美味しい料理を提供してほしいですよね。
栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。
「マニュアルは必要ですか?」
マニュアルはどのような業界でも教育やマネジメントをするために大切なツールでしょう。手順を決めないと
・いつもやり方がバラバラ
・結果もバラバラ
・教え方もバラバラ
になるので最低限のルールやマニュアルは必要です。
ファミレスでも細かいものまで合わせると数え切れないくらいのマニュアルがあります。実際、マニュアルが揃っているから違う店に異動になっても、安心してオペレーションやマネジメントができます。若葉マークの店長でもそれなりに店が回ります。
ただし、マニュアル化はふたつの問題があると考えます。どちらも私自身の失敗談ですが。
ひとつは、お客様がいないマニュアルになってしまう問題です。
マニュアルに書かれている手順には、必ずそのように決まっている理由があります。マニュアルに書かれた手順の理由、目的が理解されてないと
「マニュアル通りにやったのにお客様に喜ばれていない」みたいな惨劇が起きます。
そもそもマニュアルを揃えることで、新人スタッフが無意識レベルで動くことができなければ意味がありません。相手を気にする余裕が生まれることが大切です。
レジ担当者は、手早くマニュアル通りに打つことが大切なのではなくて、お客様が満足してお金を払ってくれているかどうか見る余裕が大切です。
オーダーを受ける担当者は、言われた通りに正確に入力することが大切なのではなくて、お客様の様子を見ながら笑顔で伺う余裕が大切です。
トレーニングの段階で目的までしっかり伝えないと「私はマニュアル通りにやってますから」とお客様をこなすことを優先に考える、勘違いスタッフになってしまい軌道修正が大変です。
もうひとつは、マニュアルがないと動けないスタッフになる問題です。
こっちの方が意外と現場では問題化しやすいかもしれません。
「教わってないです!」
なんてビシッと言う新人は危ないです。確かにできもしないことをやって、お客様に迷惑をかけるわけにはいきません。どうすれば話が前に進むのか考えるスタッフでないと先が思いやられます。
「やったことないんですけど、どうやるんですか?」
という返事だとうれしいですね。
ひょっとしてトレーナーの勘違いがあったとしても
「ゴメンゴメン、まだ教えてない仕事だったね」
と建設的なコミュニケーションが続きます。
細かい現象はいくらでもあるのですが、共通するのは
「マニュアルはそれ以上に大切なことのためにある」
「だからマニュアルは必要」
ということです。
ちなみに私もファミレスで働いていたときは
「マニュアルは守りなさい、でも個性は出しなさい」
と教育されるので
「結局どっちなの?」
と思っていたものです。
これが
「個性は一定のルールの中だからこそ輝く」
と理解できるまでに何年もかかりましたね。
野球のルールを無視したイチローを「すごい!」とは思わないですよね。
飲食業はいつも採用と教育が行われる業界です。
接客や調理といった目に見えるサービスだけではなくて、それを支えるマニュアルがあり、さらにそのマニュアルで何を実現したいのか、目的を考えさせる業界です。あなたが希望するキャリアに繋がるのであれば、ぜひ一度チャレンジしてみることをオススメします。
参考にしていただけると幸いです。