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【いわき震災伝承みらい館】東日本大震災3・11の記憶を伝える

いわき市立豊間中学校で卒業式が行われた、そのわずか数時間後、経験したことがない大地震と津波が東日本を襲いました。

平穏だった街が、まるで映画のように波に飲み込まれ、豊間中学校(下写真)は廃校、取り壊して移転となりました。

震災の記憶を未来に繋げる施設があります。訪れた様子をお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

(2024年1月現在の情報です)

 

震災からすでに4500日が経ちました。離れた住んでいれば、なおさら防災意識や自然の脅威を忘れてしまう頃かもしれません。

今回は震災の年に生まれた長男と一緒に、いわき市の海岸沿いに建つ、いわき震災伝承みらい館を訪れました。

 

アクセス

常磐線泉駅からバスで45分、灯台入口というバス停を降りると、きれいに整備された公園があります。

ここから徒歩で、いわき震災伝承みらい館に到着しますが、ぜひ先に旧豊間中学校の跡地を見学しておくことをおすすめします。

 

いわき震災伝承みらい館

こちら(上写真)の入口から、建物内に入っていきます。

数ある展示のなかで、個人的に心が打たれたのは、こちら(下写真)の黒板です。震災のあった3・11午前中に卒業式が行われ、寄せ書きがされています。

まさか数時間後に、大災害が起きることを想像できた方はひとりもいなかったことでしょう。

月並みな言葉ですが、今ある生活に感謝して、1日1日を大切に送りたいと思い知らされます。

その他にも、震災の様子を大型スクリーンで写したり、大地震を時系列で追いかけるパネル、原発事故からの復興の流れを改めて知ることができます。

この日は「外国人から見た東日本大震災」を特集しているコーナーもありました。

2階の展望デッキに進むと、震災があったとは思えないほどの静かな海が広がっています。

なかなか県外から訪れるには、距離が遠いのですが、機会があればぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

塩屋埼灯台

ここまで来たら、すぐ近くにある塩屋埼灯台にも行ってみましょう。

現在の海岸線、太平洋を一望できます。

見渡したり、下から上まで見上げたり、ぐるっと回ったり、これはこれで楽しいのですが、やはり...この地を大地震と津波が襲った3・11の光景を想像すると、自然の大きさを感じずにはいられません。

忘れてならないのは、さらに追い打ちをかけた福島第一原発事故からの復興です。処理水問題、廃炉、地域再生と課題が数多くありますが、何十年かけても未来を取り戻さなければなりません。

 

 

もうすぐ丸13年、いち個人、いち組織ができることは限られますが、震災の記憶と教訓を風化させることなく、ひとりひとりが前向きに考え、行動を継続することが必要だと思います。

今回の記事を、何か参考にしてもらえるとうれしいです。