宇都宮東高等学校附属中学校(佐野高等学校附属中学校・矢板東高等学校附属中学校)の受験に関するアドバイスをまとめています。
今回の記事では、長女の入学から卒業までの3年間の感想を、親目線で書きたいと思います。
ほとんど日記みたいな内容ですが、長女の中学受験を応援するにあたって、検索してもあまり情報が出てこず、学習塾に通っていなかったので、ほとんどの出来事がぶっつけでした。
今後、受験や入学を控えているご家庭の参考になれば幸いです。
私自身は、会社の学習塾部門で教室長を経験したこともあり、様々な生徒と接してきました。その時の受験指導や進路指導で感じたことも含めて
★どのようなお子さんが中学受験に向いているのか
★改めて入試から卒業までの3年間を見て感じたこと
この2点にまとめてみます。
★どのようなお子さんが中学受験に向いているのか
親目線で考えてしまうと「中学受験させたいなぁ」と思うご家庭は多いと思います。私が勤めていた学習塾でも、ご家庭によっては、早いと小学3〜4年生でそのような希望を保護者面談で受けていました。理由はいろいろです。肌感覚ですが、ざっくりと
・高校受験がないのは安心 50%
・中高一貫校の方が大学受験に有利 25%
・聞いた話によると良いらしい 25%
というところです。
実際どの理由も正解なので、生徒本人がどれだけ熱烈に中学受験をしたいと思っているか、が最大のポイントだと感じています。
親がリードして「理由は後付けでも構わない。しばらくしたら中学受験をしたメリットがわかるはず」と中学受験に意識を向けるのも、特に反対はしませんでした。
やってみなきゃわからないし、よくわからなくても
「なんか頑張ってみようかな…」
といった感じで、本人も割り切ってスイッチが入るなら理想です。
しかしながら、そんな割り切りができる小学6年生がどれだけいるかなぁ…も正直な感想です。
本人の気持ちがなかなか前向きにならなくても、焦らない胆力も必要ですね。
ご家庭で考えてほしいことは、お子さんがどのタイプなのかを見極めることです。
①周りのレベルが高いほど、モチベーションが上がるタイプ(切磋琢磨歓迎)
②周りを気にしないで、何事も楽しめるタイプ(いつも楽天家)
③勉強が得意でも、平均的な集団の中で輝きたいタイプ(鶏口牛尾狙い)
④何事においても、できればラクをしたいタイプ(積極的な脱力系)
⑤実は嫌々勉強したり、塾に行ってそれでも頑張っているタイプ(ある意味素直)
3年間宇東附中の生徒を見てきて、一番向いていると感じるのは①、②、⑤です。
①に関しては、細かい説明抜きでもイメージできそうですが、とにかく生徒も先生も意欲が高いことは間違いありません。何かにこだわって取り組む生徒、ディスカッションできる生徒が多いことは確実です。
公立中学校でもそういう生徒はもちろんいますが、先生がその空気を「積極的に」演出していることが特徴です。
②は成績順位など気にせずに、明るく学校生活を送れるのであれば大化けする可能性が高いと考えます。仕事でも一緒ですね。
私が聞いているだけでも、何かにつけて発表する、そのための準備に時間をかける、クラスメートと役割分担して協力する機会が非常に多いです。そのプロセスに対して「メンドーだな…」とか思うことなく取り組めるのであれば、自然と成長できるはずです。
⑤も気持ちとは裏腹かもしれませんが、勉強する習慣ができていることは大きな強みです。週末課題も多いですし、普段の授業に関しても、精度の高い予習を要求してきます。
特に英語のリーディングなど「授業前にここまで仕上げなきゃダメなの?」というレベルです。高校受験がないから全体的にカリキュラムはゆったり消化しますが、結構勉強している時間は長いです。勉強する習慣があるだけで、かなり入学後の負担感が少ないはずです。
明らかに③のタイプだったら、地元の公立中学校の方が活躍するかもしれません。それは勉強かもしれないし、部活かもしれません。
中高一貫校に入学することで新しいスイッチが入る可能性はあるのですが、周りがグイグイ頑張っている環境でテンションが下がってしまう恐れもあります。
「小学校ではそこそこできた。中学校に行ったらフツーになった。むしろ元気がなくなった。それどころか合格したことで変なプライドだけあって…どうしたんだろうね」
という現象をたくさん見てきました。
向いている or 向いていないに関しては、主観100%で書いていますので、様々な意見があると思います。私が書いている記事が答えではもちろんありません。
しかし3年以上、宇都宮東中の入試から卒業まで見てきて思うことは、願書提出前の学校説明会で
「当校に関しては学習する意欲、大学受験する意欲がないと、入学後にかなり苦労することになります」
「高校受験がないから中高一貫校、それくらいの理由で中学受験を検討されているのであれば遠慮してもらった方が良いと思います」
と念を押されていた理由がよくわかります。
学校説明会で聞いたときには「なかなかズバッと言うもんだな」と感じたものですが、確かに勉強に対するモチベーション維持がかなり重要です。入学後のオリエンテーションでも
「当校に入学すると、小学校では優等生だったのに宇都宮東中に入ると成績や順位が低くてびっくりする生徒がいます。
この環境の変化に関しては、冷静になって長い目でお子さんをフォローしてあげてください」
と説明されました。
入学直後、長女の学年順位を見て「このことか!」と衝撃を受けたことが懐かしいです。今でこそ持ち直していますが、笑ってしまうような順位でした。実際「授業がはじまってから遅れなければ大丈夫だよ」と済ませたことは良かったと思っています。
★改めて入試から卒業までの3年間を見て感じること
英語の4技能という言葉があります。大学入試改革について瞬間風速で騒がれましたが「聞く・話す・読む・書く」のことですが、一般的にこれまでの日本の英語教育は「読む・書く」に特化していることが問題視されていました。
高校入試や大学入試の英語に関しては、読んで書ければどうにかなります。
私が感じる宇都宮東中の教育方針(戦略)は、英語だけでなく何においても「聞く・話す・読む・書く」のレベルを上げることではないでしょうか。実際のところはわかりませんが。
・グローバル人材を輩出する
・リーダーシップを習得する
・文武両道で活躍する
このような宇都宮東中の生徒像があると思いますが、授業をする際の大きな戦略は4技能を伸ばすことだと感じています。この4技能が伸びることで、結果的に英語のスキルも向上し、人に影響を与えられるリーダーシップを習得し、様々な局面で活躍できる人材になることができます。
「▽▽大学に△△名が合格」みたいな短期的な成功よりも、将来活躍できる人材を本当に育てたい、そういう意図を感じています。
まったく個人的な目線ですが、長女を見てきて振り返ってみると、成績がどうなった、順位がどうなった、そんなことよりも新しいことに挑戦する姿の方が圧倒的に記憶に残っています。
「せっかく宇都宮東中に合格したから、なるべく良い大学に行ってくれればいいな」
そんなゴールイメージで受験合格を喜んでいた自分をちょっと反省しています。それくらい学業以外での成長を感じるので、幅広いことにモチベーションを持って頑張れるお子さんであれば、楽しい中学校生活を送れるのではないでしょうか。
最後は脱線しますが、途中から英語ディベート部に入って夢中で取り組んでいます。
誰にでも英語ディベート部をオススメするわけではありませんが(私から見た)長女の場合は
・なぜか発音がちゃんとしている(気がした)
・論理的な説明が好き
・負けず嫌い
といった特徴や性格が「英語ディベートにピッタリじゃないかな?」と思って、割とライトに提案してみたのですが、結果的にはチャレンジして良かったんじゃないでしょうか。
英語力が伸びたり成績が上がったりするのは当然ですが、前向きに頑張っている姿を見ると安心です。帰国子女のように海外経験がある生徒が多く、大会でも本場の英語に触れて刺激を得ることになります。
ちなみに入部する際には、電子辞書だけは最低限必要です。家電量販店で値段を見たときは、プライスカードのケタが間違っているんじゃないかな?と真剣に考えたものでした。
「電子辞書ってこんなにするの?」(2〜5万円)
「スマホ検索じゃダメなの?」
なんて思ったものでしたが
「検索だと間違った情報も出てくるからダメ」
という一言で終わってしまいました。普段の勉強に関しても、最初から高校生用電子辞書を使うのがオススメです。
宇都宮東高校附属中学校・佐野高校附属中学校・矢板東附属中学校の受験を検討しているのであれば、参考にしてみてください。