栃木県日光市で伝統の原酒を守り続けている、片山酒造を紹介します。明治13年の創業以来、本物の美味しさにこだわった酒蔵で、一般のお店では買うことのできない日本酒、原酒を扱っています。
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・会社行事や地域行事
・日光ならではのおみやげ
にピッタリ!ぜひチェックしてみてください。
そもそも原酒とは?
日本酒の一種ですが、お店に並んでいる日本酒のほとんどが、アルコール度数を調整するために水を加えています。原酒は水を加えないことで、アルコール度数が高くなり、本来の日本酒の美味しさを味わうことができます。
江戸時代以前は、すべての日本酒は原酒でしたが、ふたつの大きな出来事により原酒を製造する酒蔵が激減してしまった歴史があります。
(1)明治政府による酒税の増税
アルコール度数に応じて課税額が決められたことで、水を加えて製造する流れが広まりました。たくさんの酒蔵がアルコール度数の高い原酒から離れて、そのノウハウが失われてしまいました。非常に残念なことです。現在の日本酒の税率は一律になっています。
(2)第二次世界大戦による米不足
日本酒を水で薄めて、醸造アルコールを加えて生産量を増やすことで、米不足に対応しました。「三倍増醸酒」と呼ばれた苦肉の策でした。
様々な経緯を経て、原酒は伝統を守って製造されていますが、現在では容易に手に入れることが難しくなっています。
片山酒造の価値を伝えるために、少し遠回りになりますが、まずは精米歩合についてざっくりと解説をします。
精米歩合とは?
玄米を外側から削り取って、その残った割合のことです。削ることを「磨く」と表現しますので、こちらの方が耳にしたことがあるかもしれません。
磨きが足りないと、雑味が混じってしまいます。
磨きすぎると、旨味まで失われてしまいます。
一般的には、よく磨かれている、つまり精米歩合が低いほど手間がかかっており、高品質、高価格になる傾向があります。この精米歩合に注目して、日本酒の種類を分けると、下のようになります。
日本酒の種類とは?
実際の種類はもう少しありますが、精米歩合が高い方から並べてみると、以下のようになります。米本来の美味しさを追求することはどの種類も同じですが、どのように引き出すかが違う、というイメージですね。
【純米酒】
→精米歩合70%以下の白米+米麹+水
→磨きが適度に少ない
→米の旨味を生かした味わい
【本醸造酒】
→精米歩合70%以下の白米+米麹+水+醸造アルコール
→すっきりとした味わい
【吟醸酒】
→精米歩合60%以下の白米+米麹+水+醸造アルコール
→フルーティーで淡麗な味わい
【大吟醸酒】
→精米歩合50%以下の白米+米麹+水+醸造アルコール
→雑味のないすっきりとした味わい
【純米大吟醸酒】
→精米歩合50%以下の白米+米麹+水
→雑味のない気品のある味わい
上記のそれぞれの製法に対して、水を加えない原酒がありますので、日本酒の世界って複雑で深いですね。ちなみに醸造酒であるワインやビールは、出来上がったものをそのまま飲みますので、原酒という考え方がありません。
こだわりの素材
酒造りに欠かせない良質な水は、明治13年の創業以来、日光連山より流れ出る大谷川の伏流水「千両水」を使っています。この地下16mから汲み上げている軟水は、創業者が新潟県から日本酒にとって良質な水を求めて、新潟県からたどり着いたそうです。
米は、兵庫県産の特Aランク「山田錦」を使用、時代は変わっても先代からのこだわりを守り続けています。
伝統の製法
片山酒造では「佐瀬式」という手法を続けています。もろみをひとつずつ手作業で袋詰めして、丹念に積み重ね、上からゆっくりと圧力をかけて原酒を絞り出します。
多くの大手酒造メーカーでは「薮田式」を採用しており、機械を使用しての圧搾を行います。コストや時間短縮のメリットはありますが、味わいを損ねる可能性があります。
職人の相当な手間がかかって、妥協のない原酒が生まれています。その原酒ですが、お店ではあまり見かけません。そこには直販へのこだわりがあります。
直販へのこだわり
こだわりの製法で日本酒を造っても、流通ルートに乗せてしまうとお店に並ぶのは数週間~1ヵ月先になってしまいます。本来の美味しさを守って出来立てを届けるために、店頭での販売、直販での販売を行っています。
・初代の名を冠した純米大吟醸「初代久太郎」
・純米吟醸「日光路」
・酒類鑑評会にて入賞した大吟醸「素顔」
・看板商品である本醸造「原酒柏盛M」
その他、酒粕を使ったスイーツなど様々な商品を直販で注文できます。
店舗情報
住所 栃木県日光市瀬川146-2
電話 0288ー21ー0039
定休 年中無休(休業日あり)
時間 10:00~17:00
酒蔵見学もできますので、ホームページからお問い合わせください。