地元民でもちょっと行くのが難しい絶景スポット「裏見の滝」をご存じでしょうか。電車やバスで行くにはアクセスが悪く、基本的にはマイカーで行くしかありません。
そのため、あまり混雑しているところは見たことがなく、いつ行っても落ち着いてハイキングからの絶景を楽しむことができます。
マイカーで行くのは難しい、という方もいらっしゃると思いますので、駐車場から500m程度のハイキングコース、そしてそのゴールに待っている裏見の滝、その魅力を紹介します。
ロケーション
裏見の滝に向かうには、中禅寺湖に繋がる国道122号、その途中から北に向かいます。坂道を2km程度進むので、徒歩で行くのはかなり大変だと思います。
10台以上は停められるような駐車場がありますので、そこを出発して裏見の滝に向かいます。
この日は8月の真夏日、遠くの方には野生の猿が見えます。目を合わせたり、エサを持っている様子を見せなければ、基本的には問題ないはずです。その他、熊に関する注意書きもありますので、気になる方は季節をずらして楽しんだ方が安心だと思います。
ハイキングコース
裏見の滝に向かうハイキングコースは500m、平らな場所には板が敷かれていたり、階段には丸太がありますので、個人的にはかなり歩きやすいコースだと感じます。
ほとんどのルートが、右側には何度も安全工事がされている崖、左側には川の流れが響く渓谷という景色なので、どちらを見ても迫力があります。
立ち止まって、あちこちの景色を見ながら歩いても、20分程度で裏見の滝までたどり着くのではないでしょうか。
裏見の滝
川を渡ると、奥には大迫力の裏見の滝が見えてきます。
この日は大雨の翌日でしたので、通常よりは水量がかなり多いように感じました。
裏見の滝だけでなく、周辺にも大小たくさんの滝が流れていて、水しぶきが飛んで気持ちいいです。他の観光客がいないと、360°大自然の絶景と音に囲まれて、日常を忘れてしまうくらいの空間が広がります。
滝つぼが、近い位置から見えることも大きな特徴です。特に裏見の滝は、ブルーの滝つぼ、そこから流れる渓流が美しくぜひ見てもらいたいポイントです。
裏見の由来
裏見の滝の奥をよく見ると、通り道のようなものが見えます。
かつては実際に通ることができて、名前の由来の通り、滝を裏側から見ることができたようです。
元禄2年には、松尾芭蕉が訪れて
暫時は 滝に籠るや 夏の初め
(しばらくは たきにこもるや げのはじめ)
という句を詠んでいます。
奥の細道の長旅に出発して、3日目の寄り道だったようです。
滝の裏側から見た世界は、芭蕉の目にどのように映ったのでしょうか。
現代の表現にすると、「しばらく滝の裏に籠っていると、修行僧のように気が引き締まる」
夏の初め、の部分が僧侶の修行である「夏篭り(げごもり)」にかけていて、これから続く長い旅に向けた決意のようなものも感じます。
現在の姿でも充分に絶景ですが、やっぱり滝の裏から芭蕉がそうしたように見てみたかったものです。
残念ながら明治35年の水害で岩が崩落して、裏側に通じる道が塞がってしまいましたが、いつの日か安全に復活できれば、また違った体験ができるだろうと感じます。
日光にある穴場の絶景スポット、裏見の滝を紹介しました。
険しい場所にあるので、工事による通行止めも頻繁に起きます。もし直接訪れる際には、日光市の公式情報やSNS等で最新情報をチェックすることをおすすめします。