日本各地にあるリーズナブルな温泉ホテル、その一角として、不動産の分野からリゾートホテルに進出、拡大を続けてきた「リブマックスリゾート」をご存じでしょうか。
今回の動画では、日光にある2つのリブマックスリゾートを紹介します。この2つの歴史や雰囲気を知ってもらうことで、鬼怒川温泉・川治温泉の歩みも垣間見ることができると思います。
リブマックスとは?
運営会社は株式会社リブマックス、バブル崩壊からしばらく経った平成10年(1998年)の創業です。創業の地は兵庫県芦屋で、不動産仲介やウィークリーマンションといった事業で拡大していきました。
当初からその目論見があったのか不明ですが、全国展開に動き出したのは平成17年(2005年)のことです。
翌年にはホテル事業に参入して、その後に本社機能を神戸、それから東京新宿、現在の赤坂に移して現在に至っています。
2010年代に入って、栃木に進出してきました。
アフターバブルに躍進
バブル経済は素人が振り返っても、ちょっと異常な時代でした。
土地の値段が上がることを前提に、土地が売買され、また土地を担保とした融資、何より得体の知れない「いつまでも続きそうな好景気感」が巷に溢れて、日本中がどうかしていた時代です。
そんなバブル経済が崩壊、不動産業や金融業は壊滅的なダメージを受けますが、それでも「いずれまた景気は良くなるだろう」という不思議な空気が流れていました。
そんな時代に、リブマックスは誕生して急拡大をしていきます。
リブマックスのホテル事業に関しては、撤退した中古物件をリニューアルして、リーズナブルな価格設定で提供するスタイルです。伊東園ホテルズや大江戸温泉物語が競合といったところでしょう。
またペット同伴で宿泊できることも、大きな特徴です。
以前はペットの大きさなど、いくつかの制約はありましたが、現在はほぼすべてのニーズに対応できるのではないか、というくらいに充実しています。アメニティなども取り揃えていて、安心して利用できるのではないでしょうか。
リブマックスリゾートは、そのホテルの前身がどういった建物であったのか知ることで、また違った楽しみがあります。ここからは、日光にある2つのリブマックスリゾートを紹介します。
リブマックスリゾート鬼怒川
お世辞にもリゾートホテルには見えないこの外観は、それもそのはず、当初は栃木県営の宿泊施設「和楽荘」でした。ロケーションとしては鬼怒川温泉の最南端、遊べる施設に囲まれた場所にひっそりと建っています。
同じような県営の施設は、中禅寺湖や塩原温泉にもあったようで、言い方は悪いですが、誰が運営してもそれなりにうまくいきそうな時代だったのだと思います。結局はバブル崩壊の影響が深刻化した、2005年に閉館することになりました。
競売に出されていた建物を落札したのは、意外なことに、建築士や宅建で実績のある日建学院です。
2007年から「ニッケン船見荘」として、研修施設と宿泊施設を兼ねて運営されていました。研修場所という実用的な目的はあったでしょうが、多角経営を狙っていたか、ブランディングの狙いもあったのかもしれません。
このタイミングで、露天風呂や設備をアップデートしたことで、ある意味普通のリゾートホテルっぽくなりましたが、2013年に撤退してしまいます。
その後は、リブマックスリゾート鬼怒川として、現在に至っています。
湯量に不安がある鬼怒川温泉にしては珍しく、源泉かけ流しの贅沢な温泉旅行を楽しめます。
リブマックスリゾート川治
鬼怒川温泉の先に広がる川治温泉は、男鹿川と鬼怒川が合流する景色、そして豊富な湯量で定評がある温泉エリアです。その川治温泉にあるのが、リブマックスリゾート川治です。
このリブマックスリゾート川治、ルーツをたどると、川治温泉でもっとも古い温泉ホテル「近江屋旅館」にさかのぼります。300年ほどの長い歴史があったようで、昭和初期になって「川治温泉ホテル」と名称を変更しました。
その後に「源泉の宿 蘭綾(らんりょう)」と生まれ変わって、100%源泉かけ流しの温泉として広く知られるようになりました。
休館を経て、2017年からリブマックスリゾート川治として運営していますが、圧倒的な温泉の質と量は変わっていません。格安ということ以外にも、この温泉が目的でリピートする方も多いそうです。
川治温泉のルーツであることを、もっとアピールしてもいいのでは。もったいないです。
日光にあるリブマックスリゾート2件を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
それぞれにまったく異なる歴史があって、そのあたりも思い浮かべながら温泉旅行をしていただけると、より楽しめるのではないでしょうか。