tochipro

キャリア・動画編集・NIKKO・Fukushima

明日には忘れるホテル名?【復興御宿 富双江葉大馬】その歩みとは?

復興御宿 富双江葉大馬(ふっこうおやど ふそうこうようおおま)このインパクトありすぎな看板で、栃木県に最大6軒が営業していたホテルグループをご存じでしょうか。

東日本大震災からの復興を願い、被災された方の憩いの場、そして働く場を提供するという強力な理念のもと、異業種からの参入で2012年に開業しました。

残念ながら現在は、すべてのホテルが閉館してしまいましたが、その足跡を追ってみたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。

 

那須湯本十石(なすゆもとじっこく)

復興御宿の歴史は、2012年までさかのぼります。震災のあった2011年には本格的な準備やリニューアル工事をしていたでしょうから、当時かなり早いタイミングで、ホテル業界にチャレンジすることを決断したことがわかります。

工事に関しても、その多くは福島県の業者に依頼をしたようです。

1950年代に建設された建物は、かつては那須十石荘として営業していました。この一帯の高雄温泉で名門老舗の存在感を放っていましたが、2006年に閉館。

2012年3月11日、震災からちょうど1年後に「復興御宿 富双江葉大馬 那須湯本十石」としてリニューアルオープンしました。

外装、内装ともに雰囲気のある仕上がりです。

バブル崩壊後に全国一斉に広がった、低価格路線のホテルチェーンに対抗できる格安温泉旅館として出発しました。

正確なタイミングは不明ですが、おそらく2020年前後には閉館してしまいました。

 

秘極の湯 葵(あおい)

開業した年のうちに、早くも塩原温泉に進出します。

2軒目で開業したのは、楓川楼→JR東日本の保養所「びゅう塩原」→おおるりグループの「ホテル岩獄」の流れを引き継いだ「復興御宿 富双江葉大馬 秘極の湯 葵」です。

ここから毎回使われるようになる秘極(ひごく)という言葉も、一般的には使われない造語なので変換泣かせです。

2012年10月に開業して、2017年まで営業していたようです。

 

秘極の湯 紅(くれない)

先ほどの葵に続いて、同じ塩原温泉に「復興御宿 富双江葉大馬 秘極の湯 紅」が開業します。2012年12月に開業して、同じように2017年まで営業していました。

 

秘極の湯 風(かぜ)

鬼怒川温泉の北側に位置しており、東武鬼怒川線からも見ることができます。外観もかなり攻めている建物ですから、一度目にして覚えている方も多いかもしれません。

こちらは、鬼怒川一柳閣→おおるりグループの「ホテル沢風」を経て、2014年10月から「復興御宿 富双江葉大馬 秘極の湯 風」としてリニューアルオープンしました。

鬼怒川公園駅の目の前、鬼怒川らしい岸壁に沿った建物など、アピールポイントは多々あったと思いますが、2020年ごろには閉館しています。おそらく6軒のうち、最後まで営業していたのがここのホテルでした。

 

秘極の湯 興(かしら)

次に紹介するのは、中禅寺湖エリアです。

2005年まで営業していた日光保養所「幸の湖荘」→「龍頭温泉館 憩いの湯」を経て、2014年から「復興御宿 富双江葉大馬 秘極の湯 興」として営業していました。観光名所、龍頭の滝に隣接していて、戦場ヶ原にも繋がる好立地でした。

かなり強引に漢字を当てはめた「興」については、こちらも変換泣かせです、おそらく深い想いがあって、この漢字、この読み方なんだろうと察します。

 

秘極の湯 隠(ふくよ)

こちらも読み方は、キラキラネームのような難易度です。

川俣温泉にあった「復興御宿 富双江葉大馬 秘極の湯 隠」は、ほとんど情報が残っておらず、おそらく2010年代の前半に開業して、最初に閉館したと思われます。

川俣温泉自体は非常に良質な温泉ですが、被災地エリアからは200km以上離れており、4時間前後かかることを考えると、被災者を招待するにはちょっと無理があったかもしれません。

 

富双江葉大馬

復興御宿はいいとして、ホテル名に毎回入っている富双江葉大馬。こちらは福島県沿岸で特に被害の大きかった、富岡町、双葉町、浪江町、楢葉町、大熊町、南相馬市から一文字ずつピックアップして繋げています。

現場で勤めていた方も、ホテル名をスラスラ言えるように相当練習したのではないでしょうか。

そんな復興御宿 富双江葉大馬は、残念ながら2020年前後にはすべて閉館してしまいました。他の格安ホテルチェーンが拡大しているなかで、なかなかブランディングできなかったでしょうし、コンセプトを広く共感してもらう難しさもあったと思います。

泊まった翌日には忘れてしまうようなホテル名も、本当に残念なポイントでした。

 

 

感染拡大による自粛ムードが、トドメを刺した感じになってしまいましたが、このような熱い想いを持ったホテルチェーンがあったことを、ぜひ知っていただきたいと思い紹介しました。

今回の動画、良かったよという方は、チャンネル登録、高評価お願いします。