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令和3年度宇都宮東高等学校附属中学校(矢板東中・佐野中)適性検査の問題と解説(2021年1月)

令和3年度(2021年1月)に行われました栃木県立中学校(宇都宮東高等学校附属中学校・佐野高等学校附属中学校・矢板東高等学校附属中学校)の受験問題(適性検査)と模範解答を紹介します。

「受検」という書き方もあるのですが、この記事では受験問題で統一しています。

数年前ですが長女が入学したので、それ以来過去問を見るようになりましたが、相変わらず読解力を必要とする良問が多いです。特に長女は100%独学で本番に臨んだので、6年生になって過去問に挑戦しても、独特の問題形式に慣れるのに苦労していました。

小学校で100点取るのが当たり前の生活を送っていると

「わからなかったり、自信がない問題は思い切って飛ばす」

という判断が最初のうちはできないかもしれません。大人になると、資格試験は大抵そのような作戦が必要になりますが、難しいですよね。ぜひ過去問を通して対策をしてもらいたいと思います。

さっそく適性検査の解き方、解く際のポイントをまとめます。鉄則のような解説もあれば、個人的に「こうやって解くのがいいだろうなぁ」というラフな表現もありますので、必要に応じて参考にしてください。

さっそく問1です。個人的な感覚では、問2よりも問1の方が、慎重に考えるんじゃないでしょうか。グラフを読み取るときに、左のグラフは世界と日本の比較、右のグラフは日本だけに注目した食料自給率、と分けて考えなければなりません。あまり気にせずに問題文まで一気に読んだ方がいいですよね。解き方は次の通りです。

・小麦が下位3か国に入る、野菜が上位3か国に入る、から「ウ」と「エ」を選ぶ

・右のグラフで日本の魚介類が50%ちょっとなので、左から「ウ」を選ぶ

答えさえ選んでしまえば確信が持てたと思います。

問2では、それぞれのグラフが何を説明しているのか読み取ることがポイントです。グラフのタイトルは必ず確認です。実はタイトルの言葉だけでも充分選んで解答することができます。わざとグラフの種類をバラバラにしているのでしょうが「何がどのくらいの量」を繋げて落ち着いて考えましょう。

解き方としては、グラフをガン見するのではなく、図2の発表原稿に沿って「この説明を表しているのは…これかな?」と探していきましょう。この問題は間違えられないですね。

発表原稿では

・いちごをトラックで宣伝している →ア

・農産物の輸出額が年々増えている →ク

・何がどれくらい輸出されているのか →オ

ここから国内の話になります。

・栃木県の米は県外と県内にどれくらい出荷されているのか →ウ

 ・都道府県別のいちごの生産量 →イ

 

栃木県大好き!って問題でしたね。次に大問2です。

次の大問は、理科と算数の融合問題です。問1は解きやすいのではないでしょうか。温めると膨らむっていう現象を素直に答えれば「エ」を選べると思います。問2は一気に違う話になりますね。

味噌汁の塩分の話です。

調理実習で使った味噌と家にある味噌で味噌のしょっぱさ(塩分濃度)が違うシチュエーションです。少し注意が必要なのが、味噌汁に入れる「味噌の量」と「その味噌に入っている塩分の量」を混乱することなく読み取ることです。ここは国語力です。理科と算数の融合問題ですが、適性検査は基本的に国語力、特に読解力を試す問題が多いので、個人的には高校入試より良問だと考えています。

解き方ですが、順番に見ていきましょう。

①は家の味噌(図3)です。100gあたり食塩相当量は12.0gなので塩分12%です。ヒントとして、調理実習のプリントにも求め方を書いてくれています。

②がこの問題の最大のヤマ場です。ここを間違えると③と④もまったく違うことになります。ここで聞かれているのは、調理実習のとき(図2)に使った味噌の「塩分の量」です。味噌が4人分で60gだから1人分は15gだ!なんてやってしまうと以下全滅です。4人分の味噌汁に入っている塩分の量は60gの8%なので4.8gです。つまり1人分の塩分は1.2gとなります。

ここが正しく求められたら③は余裕でしょう。5人分で6gです。

④はまたちょっと難しくなります。比の問題に慣れていれば楽勝かな? 

100:12=[?]:6 という関係になるので[?]は50gです。ここまで解いたらぜひ①から④まで問題文に数字を書き込んで、上から一気に読んでみましょう。大きすぎる数字、小さすぎる数字がないかチェックすると良いです。

ヤマ場の②ですが、もし勘違いして15gと求めてしまっても「1人前の味噌汁に使った味噌の塩分の量は15g…」となって「どう考えても味濃すぎでしょ!」となります。

 

続いて大問3は資料の活用です。

夏休みに涼しく過ごすための方法を考えている資料です。

意外とどう書けばいいかな?と迷うかも。あまりいないと思いますが、帰国子女の受験生にとっては「What‘s?」となったかもしれません。少なくとも見たことがないと、どうにかして資料からイメージを膨らませて答えることになります。問題文に戻って「涼しく過ごすための知恵」が話題なので「室温を上げない方法」を考えると良いです。

①は「直射日光をさえぎること」

②は「風通しをよくすること」が模範解答です。

ちょっと普段の会話では出てこない言い回しなので、難しいですね。言葉が繋がるように「こと」で終わる点も注意です。

続いて展開図の問題です。適性検査によく登場する新しいルールかと思いきや、組み立てたときに「KEN」が見えるように展開図に書き足す問題です。「Z」はすぐにわかると思います。図2の「K」のすぐ隣、しかも見える向きも図1と一緒なので大丈夫でしょう。ここまでサッと終わらせて「E」を慎重に考えたいところです。

最初に「E」がどこの面になるのか探します。展開図では1番右の面になるので、そこに向きを考えていきます。立体のイメージの仕方は人それぞれだと思いますが

①正方形の頂点同士を結んで「K」から追っかけて「E」の向きを考える

②最初にテキトーに「E」を書いちゃって、この向きで組み立てたらどうなるか?のように組立図から考える

③下の図のように、展開図と組立図を対応させながら矢印を付け加えて考える

どれかのパターンではないでしょうか。個人的には③の方法がオススメです。組立図の奥の面に矢印を書くのが難しいですが、最後の矢印が「E」の背中に刺さることがわかれば自信を持って答えられるのではないでしょうか。

大問3は立体が苦手なら1回飛ばしてもいいと思います。続いて大問4です。

大問4も資料の読み取りです。ここはスピード勝負です。まずは問題文が1ページ丸々あるので、サーッと読んでいくわけですが、最終的に選択問題なので「ア」から「オ」の選択肢に注目することがポイントです。

つよしさんを選ぶ理由は…ゆうやさんを選ぶ理由は…たけしさんを選ぶ理由は…なんて考えていたら相当時間がかかってしまいます。「ア」に当てはまるのは誰かな?「イ」は?「ウ」は?と考える順番を反対にすることができれば早く解くことができます。

問2はテイクオーバーゾーンなんて言葉が登場しますが、リレーのバトンパスをするエリアのことなのでそれほど違和感はないのでは。リレーの順番を決めるわけですが、問題文を読みながら第二走者と第四走者は確定できます。平均を求めるのがちょっと大変ですが、暗算でおおよその時間がわかればいいので手間をかけずに計算してしまいます。

[?]→ A →[?]→ B

このように、わかっていることを図にして考えてみましょう。どの組み合わせのバトンパスが早いのか調べます。[?]→ A では第一走者が C でも D でも変わりません。 A →[?]と[?]→ B の両方のバトンパスの時間を比べると第三走者が D と決まります。第一走者は残り C です。表4を見たときに記録が早い組み合わせ(3秒台)をチェックしておけば迷わずに選ぶことができます。

 

大問4は多少時間がかかるかもしれませんが、見直しまでしっかり行って満点でいきたいですね。最後の大問5です。

これはパズルですね。偉そうな言い方ですが良問だと思います。まずはルールを理解する、そのルールに沿って資料をまとめる、という仕事でもやるようなことです。とにかく条件一から三に沿って表を埋めるしかありません。

 

条件一により、A〜E の各チームの合計ポイントが同じであることがわかります。1人も消されていない A チームを見るとポイントを合計すると(各学年を合計すると)16ポイントとなります。合計して16ポイントになることから、E チームの最後の空欄は2年生とわかります。

条件二により各チームが4人または5人、さらに5人のチームは D チームなのでここに1年生(北地区)が入ります。

条件三により各チームの北地区と南地区の人数(ポイントではない!)が同じになることがわかります。B チームには北、北と書き入れます。C チームは学年はともかく北2人、南2人とわかります。D チームはすでに北が2人と南が1人なので、残りは北1人と南1人です。E チームは南で確定です。

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ここまで埋めたら図1と照らし合わせながら、順番に埋めていきましょう。結構時間がかかりますが、後戻りしないように慎重に。6年生は全部で4人です。すでに3人は表にありますので、残り北地区の6年生は C チームです。このとき、B は空欄が南地区であることに注意しましょう。「ここになるはずがない!」という消去法も一緒に考えます。

5年生もすでに3人は表にあります。3人とも北なので、残りは南地区の5年生は B チームか C チームです。しかし B チームに入れると合計16ポイントにするためには3年生、しかも北地区が必要になりますがすでに A チームに入っています。よって C チームの上から2番目に南地区の5年生が入ります。同じように E チームも合計16ポイントとなるためには4番目は2年生と決まります。ちょっと難しいですが、B チームも合計16ポイントとするためには、残り2人はどちらも4年生でなければなりません。

 

4年生までは全員表に入ったので、C チームの残りも3年生と2年生で決まりです。すると D チームの残りも3年生と2年生です。文章で書くとわかりにくいのですが、条件一から三を常に忘れずに使うことが重要です。

1回でも混乱したら飛ばした方がいいのか、もう1回チャレンジした方がいいのか、難問ではないだけに迷うと思います。ちゃんとルールを理解しているのにおかしくなってしまっただけなら、チャレンジした方がいいと思いますね。

最後は数字の組み合わせです。「飲み物をどのように組み合わせて買ったら、この金額で買えるのか?」というパターンをいろいろ考える問題ですが、①より②の方が考えやすい気がします。

まずは何人分を買うのかですが、前の問題で人数は合計21人とわかります。一応500mlで70円のペットボトルが21本で1,470円になるので、問題文の通りですね。1人500ml飲むことが前提です。とにかくどういう組み合わせでもいいから、500mlを21人で10,500mlの飲み物が必要です。これを買いすぎて余ることがないようにしましょう、というのがルールです。

 

①に関しては合計840円で買える組み合わせを探します。

2,000mlが3本、1,500mlが3本で合わせて10,500mlになることに気づくかどうかがポイントですが、実際に金額を計算すると840円です。

②の方は、2,000mlを余らないよう最大限の5本買って、足りない分を500mlペットボトルで埋める感じです。もっとも安く買う組み合わせを考える問題だったら難しかったと思います。答えが出ても「これ以上安くならないかな?」という確認が大変だからです。この問題では金額は決まっているので、自分が考えた組み合わせが正しいのかどうか確認できますので、とにかく10,500mlになる場合を書き並べましょう。

 

模範解答は以下の通りです。


以下も続きです。令和2年度は大問ひとつを丸々落としても合格点は超えるんじゃないかな。極端に難しい年度だと答えまで出せるかどうかが重要ですが、今回は解けた問題がちゃんと当たっているかどうかが勝負だったと思います。

以下、実際に活用した2冊です。毎年難易度が変わりますし、出題傾向も様々です。ものすごい難問に当たることもあると思いますが、長女に伝えていたアドバイスは、みんなが解ける問題を落とさない!これだけです。サラサラと解ける問題もありますが、そういう問題で失点をすると、平均点や合格点を超えるのが難しくなります。解ける問題にしっかり時間をかけて、自信を持って解答する練習をすると良いと思います。

参考にしてもらえると幸いです。