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新卒就活と転職活動の違い【書類選考・面接・入社後の成功ポイント】文星芸大④

2020〜2021年、栃木県の文星芸術大学2年生を対象に行うキャリアガイダンス講座、全4回の最終回です。最終回は新卒の就職活動(就活)と転職活動の違いをまとめます。ひと昔前までは「転職するより転職回数が少ない方が絶対にいい」という社会全体の雰囲気でした。皆さんにとって転職ってどんなイメージでしょうか?

「新しいチャレンジ!」

「これまでの経験を活かしてキャリアアップ!稼ぐぞ!」

というポジティブなイメージ?

それとも

「ブラック企業に入っちゃって…もう無理…」

「同僚や先輩とうまくいかなくなって…私が悪いのかな…」

というネガティブなイメージ?

かもしれません。どちらも間違いではありません。ポジティブ転職、ネガティブ転職どちらもありますが、社会的に徐々に転職することに対するイメージが大きく変わりました。男性は50代半ばで2人に1人が転職しています。女性は4人に3人です。公的なデータとして厚生労働省2014年で発表された数値ですが、現在はもっと転職経験がある方が増えていると感じます。

 

就活は、高校生・専門学生・短大生・大学生が卒業直後の就職に向けて活動することです。やがて皆さんも経験することになります。転職活動は、あまりイメージできないかもしれません。就活は一生に一度きりのイベントです。転職活動は、就職から引退するまで1社で働き続ければ経験しないかもしれませんし、何十年のうちに何回も経験するかもしれません。今は副業なども広がってきているし、直接労働をしなくても定期的な収入を得る方法もたくさんあるので回数の問題ではなくなってきました。

 

就活と転職活動、同じように活動して良いのでしょうか?

成功するためのポイントはどうでしょうか?それぞれを比較しながら考えてみましょう。

 

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①就活【活動の流れ】

 

一口に就活と言っても、どのような活動があるでしょうか。

・就活セミナー

・企業説明会

・合同企業説明会

・WEB説明会

・OBOG紹介

・UターンIターン説明会

これらの動き方とは別に、最近は在学中に企業の採用担当者とSNS(Twitterなど)でコンタクトを取り合って「一本釣り」みたいな採用活動を行う企業も目立ってきましたね。

基本的には就活している大学生に数多くエントリーしてもらって、インターン、面接を経て採用するスタイルが一般的ですが、それが良い方法なのかどうか自信がない面接官、採用責任者も多いと思います。限られた空間で数十分話すだけでわかり合えるの?という感覚です。

 

ちなみに新卒一括採用を行う習慣は日本だけのようですね。海外では大学を卒業してからしばらく好きなことをして、それから企業に勤める、とか当たり前のようです。ボランティアをしてから、やりたい研究を進めてから、のように履歴書に「スキマ」があっても違和感がありません。

日本では履歴書に空白期間があると、正直マイナス印象です。

「就職したくても就職できなかったのかな?」

「仕事したくない時期があったのかな?」

と余計なイメージを与えてしまいます。

ざっくりアドバイスですが「無難にいくなら」新卒ですぐに就職して、余計な「スキマ」をつくらないことです。「無難にいくなら」というのは誤解を与えるかもしれませんが、それくらい社会に出てから働いていない期間があると「おや?」と思われてしまうのが日本です。

歴史的に、日本では仕事は食べるためにするもの、キリスト教社会では仕事は神から与えられた罰(だからできれば仕事をしないようにする)という感覚の違いもあるのでしょう。どうしても日本では「働かないでどうやって食べていたの?」極端に表すと、面接官の胸の内はこれが本音です。

 

話が飛びましたが、就活の流れにおいては「焦らない」これに尽きます。年齢問わず、人は誰でも焦ると冷静に判断できなくなったり、後々後悔するほどの妥協をしてしまいます。就活に慣れていない状態で、悔いのない判断なんて難しいはずです。

焦らないためには、スタートを早く切る!これに尽きます。

 

②就活【成功のポイント】

 

大学生の人生経験や能力なんて、実はそんなに大きく変わりません。内定をたくさん取って「どの企業にしようかなぁ」と選べる就職活動をするのか、なかなか内定が取れずに苦渋の決断で入社するのか、この違いは何でしょうか?就活で成功するポイントは、表現力や伝え方がかなり影響します。以下の3つを面接官に感じさせることを意識して準備してみましょう。

(1)可能性を感じさせる「あなたにしかないエピソードを持っているか?」

(2)白紙である「採用する立場としては、ぶっちゃけ自社に素直に染まってほしい」

(3)行動力がある「頭だけ、口だけの社員はいらない」

実は面接官だって「誰を採用したらいいのかわからない」が本音です。「働かせてみなきゃわからない」と誰だって思っています。さらに「予定通りの学生数を採用できないと自分の評価に関わる」という面接官本人の都合があり、それでも「期待外れの学生を採用して、上司や他部署の社員に怒られるのはマジでイヤだ!」という無難な選択をしなければならない事情もあります。

 

面白いことに、就活する大学生も「無難に就職先を選びたい」だし、面接官も「無難な学生を選びたい」そうやって失敗しないことを最優先している現実はあるので、あまりギラギラな個性を面接で発揮するよりは(1)〜(3)を確実に伝えて、ちょっと気になる存在を目指しましょう。

「今が化け物である必要はないけれど、働いてからどのように化けるのか楽しみ」そんな学生に来てほしいのです。

 

そして、あなたが企業や面接官を見るときには「この企業の福利厚生は?優良企業かな?誰でも知る大手だったら安心だな」と今の状態を見るのでなく「今はともかく、5年後10年後に優良企業になっているかな?」このイメージが持てるかどうか考えてみてください。考えてみたら面接官に聞くのが近道です。あなたの想像力と情報収集力でイメージするしかありません。

 

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③転職活動【活動の流れ】

 

転職活動はほとんどの場合で個人的な問題です。会社が事業縮小でリストラを行う…など大きな流れが起きない限り、自分で決めて計画的に動かなければなりません。ここが就活とは大きく変わります。

転職するということは、職場が変わるだけでなく人間関係が変わり、生活が変わり、また新たなチャレンジをすることになります。それがプラスに働くことも多いですが、転職回数が多かったり、在籍期間が短すぎても「続ける力がないのかな?」とか「何か仕事以外で問題を抱えているんじゃないかな?」と企業に対してマイナス影響を与えてしまいます。

慎重に計画的に動き出して

「辞めようと思っている原因を解決するには、どこに転職すれば良いのだろうか?」

「本当にやりたいことに挑戦するには、これで良いのだろうか?」

「仕事を変える前に、自分ができる努力をしてみただろうか?」

と振り返ることが重要です。仕事を変えることが何の解決にもならない、そんな厳しい結末もたくさんあります。転職活動を具体的に進める方法はいくつかあります。ポイントをまとめてみましょう。

・現職中に動くのか、退職してから動くのか、まずはざっくりと計画しておく

・知人紹介

・求人情報(折込チラシ、フリーペーパー、WEB検索、ダイレクトメール)

・ハローワーク

・転職支援サービス

就活よりもたくさん種類があり、進め方もあなた次第です。併用するのもオススメです。個人的には、あなたのキャリアについて客観的な評価をしてくれたり、求人票が出ていなくても企業と相談をしてくれる転職支援サービス(転職エージェント)の活用が間違いありません。特に大手サービスと地域密着型サービスを併用するのが効果的です。

 

④転職活動【成功のポイント】

 

新卒社員とは異なり、途中で入社してくる社員は「中途社員」と呼びます。中途社員に対して企業が何を期待しているのか考えてみましょう。イチから、またはゼロから教えて育てるのでは「だったら新卒社員の方がマシだな…」と思われるに違いありません。中途社員だからこそアピールする武器も必要不可欠です。アピールする内容は以下の6つです。

(1)何かしら実績を出している「仕事上でどのような成果を出してきたのか?」

(2)能力的な魅力があるのか、人間的な魅力があるのか「その成果はなぜ出せたのか?」

(3)過去の転職理由が今回の応募には当てはまらない「結局辞めたらお互い意味がない」

(4)なぜ自社に応募したのか「なぜ他社ではダメなのか?」

(5)行動力がある「経験がマイナス面に働いて、腰が重くなっていないか?」

(6)軸がある「フラフラしないで、自分で考えて決めて動くことができるのか?」

面接する担当者は「なぜこの方を二次面接に進めるのか、理由を上司に報告しなければならない」という「面接官だって仕事をしている」意識すると良いです。多くの場合では一次面接を担当した面接官より上役の役員や役職者が二次面接を担当します。「なんとなく一次突破させました」なんて言ってしまったら、翌年は違う部署にいることでしょう。(1)〜(6)で優先順位はありません。全部重要です。これらをしっかり面接官に伝えることができたら、二次面接に進む可能性はかなり高まります。

仮にどこの会社に入社することになっても、転職する可能性の方が高いわけだから「ただ仕事をする」のではなく「仕事を通じて(1)〜(2)の答えをつくっている」と考えてみれば、前向きに仕事に取り組めるはずです。

 

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⑤働くを考える【仕事で自分をアップデートする】

 

転職を支援している立場から見ると、どこに転職するかどうかよりも「誰と働くか」「どのように働くか」が人生の大きなポイントになります。ここをスルーして転職すると、同じ苦労の積み重ねになってしまいます。「大きい会社に入社すれば安心!」という時代ではありません。10年後も安心の会社なんて世界のどこを探してもありません。「どこに行っても大丈夫」というあなた自身にアップデートする方が確実だし近道です。

・仕事とは何だろう?「目的を考えないから迷ってしまう」

・納得解を考える「学生時代とは違って、完全正解なんてほとんどない」

・キャリアはかけ算をイメージする「自分から希少人材になることを狙う」

・子どもと大人の違い、学生と社会人の違い「社会に出てみないとわからない」

・誰と働くかで決まる「どこに入社しても、当然ギャップはある」

・こんな大人はイヤだ「そう思うなら、そうならないように振る舞えばいい」

・行き先は雲の上まで飛んでから決めてもいい「動いてみないとわからない」

ぜひ学生のうちに考えて、思い切って動いてみましょう。

 

芸術はどこでもどのようにでも続けることができ、世界中に情報発信できる環境になりました。ITの進化により、ますますプロとアマの垣根が小さくなり、何十年も弟子入りしなくてもスキルを身につけることができるようになり、情報発信さえすれば誰にでもチャンスが訪れます。「芸術って将来どんな仕事に活かせるの?」というテーマで第1回、第2回は講座を行いました。芸術は仕事にも応用できます。仕事でなくとも誰かを喜ばせたり、誰かにとって必要な存在になったりします。

 

ぜひここで日々勉強している芸術は、本業なのか、副業なのか、趣味なのか、気晴らしなのか、どのような形でも構いません。一生うまく付き合いながらより良い人生を送るための武器のひとつになることを、私も願っています。

 

動画でも紹介しています。