2020年度に文星芸術大学2年生を対象に行った講座内容をまとめています。
下書きと結果をミックスさせていますので、実際に話した内容と異なる箇所もありますが、伝えたいメッセージは一緒です。毎日の勉強、特に芸術大学で学ぶ内容と実際の仕事を繋げるきっかけにしてもらえると幸いです。
栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。
★私がこの講座を担当することになり、達成したいミッションは1つです。それは
「将来みなさんに仕事で活躍してもらうこと」
です。これしかありません。いろいろ話しますが「こうすれば成功する確率は上がりますよ」「みなさんはその活躍に片足をすでに突っ込んでいますよ」という2点を理解してくれたら、とりあえずOKです。
私はキャリアコンサルタントという資格を活かして、宇都宮市が本社の株式会社キープキャリエールで転職支援を行っています。ちょっとカッコよく表現すると、転職エージェント、転職代理人という仕事です。この仕事、みなさんは聞いたことがありますか?
自己紹介も兼ねて、転職エージェントという仕事をちょっとだけ紹介します。
みなさんの中には、県外から来てひとり暮らしの部屋を探した人も多いと思います。
「では実際にアンケートを行ってみましょう。こちらの芸大に入学するためにひとり暮らしのアパートを探した人はどれくらいいますか?みなさんのスマホにラインで質問が届いているはずです。届いたラインメッセージに答えてください」
こんな感じで授業中、たまに全員に対してアンケートをしながら進めていきます。挙手にしたり指名したりすると、なかなか緊張すると思いますし、その方が全員参加で正確な数字が見れますからね。途中で寝たり、ぼんやりしていると合計数が合わなくなるので注意してくださいね。
アパートを探すときに、まさか自分の足で歩いて
「あっ、このアパート、入居者募集って書いてる!」
と思って、看板に書いてある電話番号に電話して、なんてやった人はいないと思います。こんなことやっていたら、いつまで経っても住みたいアパートが決まらないと思います。なぜなら、看板だけでは家賃もわからないし、部屋の様子もわかりません。
じゃあどうするか?不動産屋に行って聞いてみるのが間違いないですね。不動産屋に行けば、あなたの予算がいくらなのか、どういう部屋に住みたいのか、どのあたりのエリアに住みたいのか、希望を伝えればいくつか候補が出てくるはずです。 そこからあなたの条件のうち、優先順位を考えて、不動産屋の意見も聞きながら決めるのが安全です。
不動産屋の存在価値は3つあります。
・情報がたくさんある
・そこから条件に合うものをピックアップしてくれる
・プロのアドバイスもしてくれる
これの仕事探し版が転職エージェントです。
私たちは県内たくさんの企業の担当者とコンタクトすることで、できるだけ多くの求人を確保して、求人が出ていなくても相談できる関係性を築いています。私たちの会社に問い合わせてくる求職者は、不動産屋の相談と構造は一緒です。
仕事の情報なんて、雑誌を見ても求人チラシを見ても、ネット検索してもいくらでも出てきます。だからといって何でもいいわけではありません。仕事を探すにも
「このあたりのエリアがいいな」
「給料はできれば年収400万円以上がいいな」
「営業でバリバリ稼げる会社がいいな」
「大きい会社よりは地元の小さい会社がいいな」
当然、いろいろな希望があります。その希望をなるべく叶えながら求人を提案して、転職を成功させるのが私たちの仕事です。あるときは
「あなたのこのキャリアで転職して年収400万円は難しいですよ」
「残業が少ない方がいいでしょうけど、やりがいもなくなってもいいんですか?」
といった厳しいアドバイスをすることもあります。しかし、それも転職を成功してほしいからです。私たち転職エージェントはそのような仕事をしています。
★ところで、さっきから転職成功って私は言っていますが、転職成功って何でしょうか?反対に、転職失敗って何でしょうか?今日は
「こういう人は仕事で失敗する!」
という話も思い切ってしたいと思います。
「こうすれば成功する!」という話は溢れていますが、私の経験上
「こういう人は失敗する!」
の方がみなさん前のめりで話を聞いてくれる気がします。なぜでしょうね。
今日は初回なので、転職成功って何?という大きなテーマにも触れながら、なるべく具体的なエピソードも紹介したいと思います。転職って当然仕事の話ですから、仕事で成功するには?仕事で活躍するためには?と噛み砕いてみます。
仕事で活躍するためのポイントって何でしょうか?
そもそも仕事って何でしょうか?
私がこれまで1000人以上の転職希望者を支援してきた経験では
「芸術大学に進学しようと思った時点で、活躍できる可能性が大きい」
「芸術大学で勉強したことで、社会で活躍できる可能性が大きい」
これは間違いありません。
私が日々業務として、転職支援を行ったりキャリアカウンセリングを行っていますが、そこから得た「将来活躍するためのポイント」を学んでもらいたいと思います。
★多くの社会人はこんなことを思っています。
「小さい頃から勉強してテストばっかりして、良い点を取れば親が喜び、悪い点を取れば怒られ、成績が良いときは学校も勉強も楽しいし、悪くなるとつまらなくなる…
なるべくいい高校に進んで、今思えば数学ができるかできないだけで文系か理系か決められて…いい大学に進んで、サークル入ってアルバイトはじめて、だんだん大きくなるにつれて、自分のやりたいこと、自分に向いていることが見つかるんだろうな…と思っていたけど全然見つからない。
それどころか、もっと優秀な同級生を見て進路をあきらめたり、いろんな選択肢が増えすぎて自分探しをはじめたり、ナンバーワンではなくてオンリーワンを目指そうとか言いだすし。自分はいったい何がやりたんだろう…自分は何が向いているんだろう…」
おおよそこんな感じです。ここまで真剣に悩んでいたらむしろ良い方です。何も考えずに30代、40代になってしまい「自分はどうしてもこれがやりたい!」と思った頃には家族もできて落ち着いて会社にすっかり溶け込み、言うことを聞くことに慣れすぎて、牙をとっくに全部抜かれちゃっている状態です。
はたまた「この会社では成長できない気がする」「あの上司とは働けない」「給料が全然上がらない」のように様々な理由で転職を繰り返す方もいます。いざ転職をするときになっても「自分は〇〇という会社にいました」とは言えるけれど「自分は◇◇ができます」と自信を持って言える方は本当に少ないです。
多く社会人は結局こんなことを思います。
「これで良かったんじゃないかな、たぶん」
「こんなはずじゃなかった」
「なんでこんなことになってしまったんだろう」
こう思うこと自体が問題あるわけではありません。でも社会に出たら、起きている時間の半分以上は仕事に費やすはずです。起きている時間の半分以上、アタマの中に???がある状態では、人生を楽しむことはできないと思います。
これじゃ、仕事で活躍しているイメージとはかけ離れていますね。みなさんにはできればこんな思いをしてほしくない、そう思ってこの講座を担当させていただきます。
★私が冒頭で「芸術大学を選んだ時点で、将来活躍できる可能性が高い」と伝えたのには、もちろん理由があります。将来活躍できる人、それはズバリ
「ハマることができる人」
これが必要条件です。
芸術大学に進学している時点で、みなさんは自分の軸を持っています。とりあえず大学に行けばどうにかなるかな、と思って進学しているごく普通の大学生とはワケは違います。
そして芸術です。芸術の種類は問いません。マンガ、絵画、彫刻、造形、CG、デザイン、文芸、どんな芸術であっても、暇つぶしでは完成できないはずです。本当にやりたくて集中して臨まなければ、気持ちが持たない、それが芸術だと思います。
仕事も趣味も、それが続けられるかどうか、ある程度の成果を出せるかどうかは、ハマることができるかどうかで決まります。もしあなたがマンガを書くことが本当に好きで好きでしょうがなく、ハマっていたとしたら
「マンガを書くのは1日に8時間までです」
「1週間のうち5日しか書いてはいけません」
なんて言われたら「えーっ?」ってなると思います。今の労働基準法は仕事にハマることを制限していると解釈することもできますが、このあたりの話は別の機会にしたいと思います。つまり、仕事にハマることさえできれば、仕事している時間は楽しい時間に変わり、1日のほとんどの時間を楽しく過ごすことができるということです。
ハマるってそういうことですよね。
このハマる、という感覚は人にはなかなか教えられません。
「仕事にハマりなさい!」
なんて注意する先輩がいたら、かなりヤバいですよね。感覚としては、好きな人がいないのに「恋愛しなさい」と言われても困りますよね。
ハマる感覚は、それまでに何かにハマったことがあるかどうかで決まります。何かにハマったことがある人は、確実に別のことに対してもハマることができます。そしてハマると時間を忘れて没頭することができます。当然ダラダラやるよりも上達します。決して長い時間を仕事に使ってほしいということではありません。
みなさんは高校までの何年間は芸術にハマり、さらに4年間ハマろうと思って、こちらの芸大に進学したんですよね?ということでいいんですよね?
大丈夫です。
冒頭に話したように、みなさんは芸術の道に進んでも、それ以外の仕事に就いたとしても、このハマる感覚さえ忘れなければ確実に活躍できるはずです。これは自信を持ってください。その前提で進めていきますので、よろしくお願いします。
★さて前置きはこのくらいです。残り60分くらいありますが、今日は3つの仕事について紹介して考えてみたいと思います。
みなさん、芸大で勉強しているわけですが
・本当に芸術に関わる仕事に就きたい人
・本当に芸術に関わる仕事に就く人
はどれくらいの割合しょうか。あなたはどうでしょうか?
はい、またアンケートです。
みなさんのうち、本当に
「将来は芸術の仕事に就くんだ!」
「芸術の仕事で食べていくんだ!」
と考えている人はどれくらいいますか?またラインでアンケートが届いていると思います。答えてみてください。衝撃的な結果にならなきゃいいんですが。
結果は75.9%です。ほぼ4人に3人ですね。
例年の実際の進路実績、就職率はもっと下がっていますね。つまり、大学にまで行って専門的な知識を勉強したけど、その道のプロになる人は一握りということです。
芸術について毎日のように勉強して、楽しみながら悩みながら課題を作り上げても、もしあなたが芸術以外の仕事に就くことになったら、それらの努力は無駄になってしまうのでしょうか?
★この講座は全部で3回のシリーズですが、初回は
①芸大の学びとサービス業の関係性
②芸大の学びと事務職の関係性
③芸大の学びと営業職の関係性
について紹介します。芸大で勉強したことが、サービス業、事務職、そして営業職で役に立つんでしょうか。活かすことができる知識や考え方を伝えたいと思います。
①芸大の学びとサービス業の関係性
そもそも、サービス業ってどういう種類があるでしょうか?
代表的なものでは、飲食業はわかりやすいですね。その他買い物に行く先、コンビニや小売店も馴染みがあると思います。バスやJRに乗る人も多いですよね。それもサービス業です。学習塾で教えるのもサービス業、メルカリもAmazonもサービス業、アンケートで今まさに使っているラインもサービス業です。
つまり、食べ物や商品のように形があるもの、情報を提供したりする形がないもの、どちらにしても顧客にサービスを提供したらサービス業ですね。
ここまで話したところで、アンケートしてみましょう。みなさんのうちサービス業で働きたいと考えている人はどれくらいいますか?またラインのアンケートで答えてみてください。
結果は10.3%です。この数字はどうでしょうか。10人に1人ですから、私の予想にはかなり近いですね。
では、具体的にサービス業で働いてきた方の職務経歴書を見てみましょう。
職務経歴書ってわかりますか?社会に出て転職をするときに、履歴書に書いてあることは基本情報だけです。どこで生まれた、どこの学校に行った、何の資格を持っているとか、実は履歴書に書いてあることはそれほど重要視されません。なぜなら、履歴書だけを見ても
「前の会社でこの方はいったいどんな活躍をしてきたのか」
「ウチの会社に入ったとしたらどんな活躍をしてくれそうなのか」
全然わからないからです。つまりそれを埋めるのが職務経歴書です。
多くの場合は、転職するときに履歴書と職務経歴書をセットにして企業に提出して、書類選考や面接を行います。では実際に、私が転職支援をした方の職務経歴書を見てみましょう。もちろん個人情報は伏せてあります。
https://townwork.net/magazine/knowhow/shokureki/93888/
どうでしょうか。サービス業で活躍した方の職務経歴書を読んでみると、やりがいや大変さ、具体的な仕事内容が見えてくると思います。サービス業のやりがいはズバリ
「人に喜んでもらうこと」
です。そして喜んでもらうために工夫をすることです。
対面していても画面越しでも、サービス業でサービスする相手は基本的には人です。人に喜んでもらう、そのために笑顔で感じの良い接客をするのは当たり前ですが、実際に働いている人は、POPを作ったりポスターを貼ったり、プラスアルファの工夫をしています。
サービス業で勤めていると、こんなことがあります。
「POPを作って、パッと見て新製品であることをわかるようにしよう」
「ポスターを作るから、みんなで原案を考えてみようよ」
「SNSも活用して売上アップを狙おう」
こんなことばっかりです。
ここでみなさんの出番です。このときに
「まぁ、仕事だからやるしかないな…」
では絶対に仕事はつまらないし、お客さんに何も伝わりません。
何か新しいPOPを作って、お客さんにアピールしよう!となったときに、みなさんのようなハマれる社員はどうなるか?
「ようし、みんながビックリするようなPOPを作ってみよう」
「テッパンのポスターも考えるけど、社内で誰も考えないような案も出そう」
「このチャンスでSNSを使った演出を極めよう」
こんな感じでテンションが上がると思います。やっている時間はあっという間に過ぎていき、当然出来上がりもより良いものになりそうですね。これは本当のことです。
どんなにつまらない仕事でも、どんなにイヤな上司の指示でも
「どうせなら、自分のやりたいことに繋げて考えよう」
「新しいことできるならチャンスかな」
と受け止められたら、こんな社員は絶対成長するしかありません。そして自分がハマったことで結果が出たり、その努力を褒められたらサービス業は辞められません。
私自身も13年以上飲食業の最前線で働いてきましたが、飲食業は大変な面も確かにありますが、本当に報われる瞬間もたくさんあります。ぜひ人に喜んでもらうとテンションが激!上がるという方、人に喜んでもらうために何かを作るのがまったく苦にならない方には、ぜひチャレンジしてほしいです。
繰り返しになりますが、その要素をみなさんはすでに充分持っています。
②芸大の学びと事務職の関係性
事務職ってどういう種類があるでしょうか?
求人を検索してみれば、たくさん種類が出てきます。主な種類としては、一般事務、経理事務、営業事務、総務、人事、秘書、受付、その他いろいろあります。
これもアンケートしてみましょう。みなさんのなかで事務職に就こうと思っている人はどれくらいいますか?これはどうでしょう。
結果は3.4%です。もう少し多いかと思っていましたが、意外と少なかったですね。
ここでも実際に事務職で働いてきた方の職務経歴書を見てみましょう。
https://townwork.net/magazine/knowhow/shokureki/92314/
いかがでしょうか。職務経歴書っていうのは何年も働いてきた仕事の中身をギュッと凝縮した内容ですから、ざっくりとどんな仕事なのか確認できると思います。
事務職ってコツコツ、パソコンと向き合っている仕事のイメージでしょうか。実際に職務経歴書を見てみると、パソコンを使ってデータ入力や文書作成をしているのは当たり前、それ以外で個性を発揮しているのがわかりますか?
職務経歴書を作成するときに「私は経理事務として4年働いてきました」の一言で紹介することはありません。4年働いた経理事務はいくらでもいるからです。ここで
「私はひと通りの経理業務ができるだけでなく、同じような書類を効率的にまとめることで事務処理時間を半分にしてきました」
こんなエピソードがあれば、働く時間が短くなったり、無駄な仕事が半分になるので、一緒に働く社員に喜んでもらっていることでしょう。
「私は事務職として教育係も担当しており、さらに事務所の整理整頓を徹底するために啓発ポスターやマニュアルを作成して、社内に徹底させることができました」
こんなエピソードがあれば、社内がキレイに片付けられるので、これまた一緒に働く社員に喜んでもらえるでしょう。これも
「部長に指示されたからマニュアル作らなきゃ…」
「こんなの意味あるの?」
なんて思いながら作成したマニュアルは、部長はOKを出すかもしれませんが、はっきり言ってみなさんの貴重な時間がもったいないです。
ハマれる社員はどうするか?
「どうせ作るなら、イラストも入れてキャッチーにしてみよう」
「こんな面白いマニュアル見たことない、と言わせてやろう」
のように、指示されたことにプラスアルファで取り組めれば確実に仕事を通じて成長します。多少手がかかっても時間が早く感じるでしょう。デキも素晴らしく仕上がりそうです。
事務職は、コツコツと事務処理するだけでなくプラスアルファの行動が必要です。その行動によって一緒に働く社員が喜んでくれることが重要です。誰も喜んでくれないのであれば、ひょっとしてやらなくてもいい仕事ですね。
ここで考えてみると事務職も活躍するポイントはサービス業と一緒です。事務職の仕事も大切な考え方は
「人に喜んでもらう」
「そのために工夫をする」です。
③芸大の学びと営業職の関係性
最後は営業職です。営業職ってみなさんどういうイメージでしょうね?ガンガン何かを売り込んでいるイメージ、売上目標に追われてヒーヒー言っているイメージ、企業の看板としてイキイキを飛び回っているイメージ、いろいろあると思いますが、おそらく全部正解です。
営業職は大きく分けると2種類です。企業相手に営業する法人営業と、個人のお客さん相手に営業する個人営業です。それ以外にも、自動車に使う金属部品や住宅営業のように目に見える、形があるものを売る有形商材営業、保険、宅配、ITサービスのようにそれ自体は目に見えない無形商材営業があります。
一口に営業職といっても本当に幅広いのですが、いったんアンケートを取ってみましょう。またラインでアンケートが届いていると思いますので、答えてみてください。みなさんのなかで、将来営業職として働きたいと思っている方はどれくらいいますか?
結果はゼロです。
これは正直驚きです。一番稼げるのは営業なので、何人かギラギラした学生がいても面白いのですが、もう少し卒業が近くなったら変わるかもしれません。
では、実際に営業職で働いてきた方の職務経歴書を見てみましょう。
https://townwork.net/magazine/knowhow/shokureki/96054/
営業職は、会社のブランド力、商材の魅力をうまく表現しながら、お客さんに納得してもらう必要があります。ダマして売ったらオレオレ詐欺と一緒ですからね。
営業職もあちこち飛び回っているだけでは仕事になりません。相手に伝えるにしても何かしら提案する資料がないと話が進みませんね。
「新製品が出ました!」
「こんな機能が搭載されました!」
と言うだけで飛びついてくれるなら、こんなラクな仕事はありません。
「弊社のサービスを導入することで、業務の流れがどのように変わるのか図にしてまとめてみました」
「弊社のこの製品を使っていただいた場合、御社のコスト削減がどのようになるのかシュミレーションをしてみました」
このように、お客さんのメリットが予感できるように提案する必要があります。
「どんな資料を作ればお客さんは喜んでもらえるだろうか」と企画を考えて調査して、提案資料を作る流れは、サービス業や事務職とやっぱり変わりませんね。
もう言いたいことは察していると思いますが、サービス業、事務職、営業職、これらの仕事は一見全然違うようですが
「人に喜んでもらう」
「そのために工夫する」という活躍するためのポイントはまったく一緒です。
今日初めて会ったみなさんに何度も同じことを繰り返していますが、芸大で勉強している時点で将来活躍できる可能性が非常に高いはずです。
★今日のまとめです。
人に喜んでもらうって芸術と一緒ですよね。芸術作品を作り上げる人は、多くの場合は見た人に喜んでもらうためにやっているはずです。
まさか「私のマンガでテンション、ダダ下がりにしてやろう」なんて思いながらマンガを描いている人はいないはずです。そもそも人気も出ないし続けられないはずです。自分勝手な作品も確実に埋もれますし、誰も相手にしません。
人気のあるマンガは、ワクワクしたり、ドキドキしたり、元気が出たり、何か考えるきっかけになったり、とにかく人に喜んでもらっている作品です。
みなさんもこれからたくさんの作品を作ることになるでしょう。課題だったり、卒業制作だったり、思うようにいかなくて大変な思いもするかもしれません。でも、この視点
「人に喜んでもらう」
を忘れずに取り組めば、確実に成長します。そしてそれらの経験は、必ずサービス業、事務職、営業職に就いたときに発揮されます。顧客に喜んでもらおうと工夫したり、一緒に働く仲間のテンションが上がるように頑張っていたら、確実に成長するしかありません。
今、そしてこれから勉強する芸術の勉強は、単位のために勉強するのではありません。もちろん単位は取らなきゃダメですが、目的は芸術の仕事に就くことになっても、それ以外の仕事に就くことになっても芸大での学びは活かせるから勉強するのです。
次回以降も今日とは違う3種類の職種で考えていきます。なるべく具体的なエピソードを入れながら伝えていきたいと思います。よろしくお願い致します。
「人に喜んでもらう」
「ハマる」
これができるみなさんは、将来必ず活躍します。
ではでは最後に、講座に関する満足度アンケートです。
90.5%の学生が「役に立った」と答えてくれました。感謝です。次回も私なりに「芸大の学びと実際の仕事の関係性」を伝えていきます。