転職して成功する方とそうでない方がいます。私は人材紹介の転職エージェントとして、様々な求職者と企業のマッチングを支援してきました。転職後にはっきりと「今回の転職は成功でした!」と言っていただくこともあれば「入ってみたら、なんだか違いました…」となることもあります。残念ながら一定数は早期に退職してしまうこともあります。
私自身はもちろん転職成功するように支援しているのですが、求職者の方々にも意識、行動してほしいことがあり記事にしました。もしあなたが今後転職を検討しているのであれば参考にしてもらえるとうれしいです。
栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。
結論としては、あなた自身が
・自分の活躍パターンを知る
・ポータブルスキルを磨く
この2点が実現できれば、転職成功の確率はグッと上がります。
もちろん、受け入れ側である企業の環境も重要です。しかし今回は求職者としての意識、行動に絞った話題にします。ポータブルスキルは人材ビジネスの一部で使われる用語ですが、イメージしやすい用語だと思いますので、そのまま記事でも使わせてもらいます。
活躍パターンについてカンタンに解説します。
求職者の方々を見ていると、大きく分けて4つの活躍パターンがあります。
①ある特定の環境では活躍できる方
②どんな環境になっても活躍できる方
③どんな環境になっても活躍できない方
④まだ活躍を実感できない方
どれが良いとか悪いという話題ではないのですが、転職する場面においては自分がどの活躍パターンに当てはまるのか知っておくことが大切です。転職支援する立場からすると、②のパターンが理想的ですね。
①のある特定の環境では活躍できる方、これは
「上司が年上で、しかも優しい人柄だと力を発揮できる」
「周りが男性ばかりの方が働きやすい」
「報告書があまりなくて、自分でスケジュールを組めるスタイルの方が数字が良い」
みたいな働き方です。
大なり小なり、誰でも環境の影響は受けるでしょうが、これが大きいと企業選びが重要になります。どの企業を選ぶかによって、転職が成功するかどうか決まります。
企業理念や商品力も考えなければなりませんが、それ以上に幅広い情報収集がポイントです。雇用条件や社風みたいな労働環境全体をしっかり見極めて選ばないとミスマッチになりますね。
転職活動に関しては、基本的に時間がかかります。ひょっとしたら時間がかかって、さらに慎重になってしまうかもしれません。あなたが叶えたい条件の優先順位をしっかり決めて、その通りに判断して決めましょう。転職エージェントのアドバイスも参考になるはずです。客観的に判断基準を教えてくれることでしょう。
③のどんな環境になっても活躍できない方、これは自覚するのは厳しいかもしれません。
「成長意欲がない」「誰かのせいにしてしまう」に当てはまる求職者は、たとえ転職先が見つかったとしても苦戦しますね。最初はビギナーズラックだったり、周りも気を遣ってくれるのでどうにかなります。しかしながら、時間が経つにつれて周りの見る目が変わってくるはずです。
ちょっとでも問題が発生したときに、誰かのせいにしてしまったり、安易に何かのせいにしてしまうことが続くと成長意欲がない新人だと思われてしまいます。
そして思われている本人は、自分の会社のアラ探しみたいになって、どんどん悪いところばかり気になります。私が求職者の方々を見る限り
・転職前は両目でしっかり見極める → 入社したら片目をつぶる
こういう方は、あまり不平不満は言いません。そんなもんだろうと大人の対応ができる方です。
・転職前は片目で情報収集する → 入社したら両目で見極める
こういう方は、アラ探しをする習慣ができているので、当てはまる方は要注意です。
④のまだ活躍を実感できない方は、仕事に限らず何かに打ち込んだ経験を思い出しましょう。
まだ20代でなかなか仕事上の成果を実感したり、成功体験を積んで転職するというのは現実的ではないかもしれません。それほど活躍しているのであれば、多くの場合そのまま辞めない方が良さそうだからです。
誰か周りの方にアドバイスをもらうのもオススメです。もちろん転職エージェントやキャリアコンサルタントとの面談を通じて、あなた自身を再発見する方法もあります。
自分に自信がないと難しいかもしれませんが、採用する企業の気持ちを考えましょう。何かあなたの中のキラリと光る強みがあって、採用を決心するはずです。「この応募者のここに賭けてみよう」そう思わせる材料を整理してアピールします。
②のタイプ、どんな環境になっても活躍できるタイプは基本的に安心です。
このタイプの方は、応募書類に書ける以上の強みを持っています。資格、経験、成果も重要ですが、それをどこに行っても発揮できる能力を持っています。
それは例えば
・周りとのコミュニケーションを積極的に行い、仕事をしやすい環境を自ら整える
・常にネットワークを広げる意識があるので、顧客確保に困らない
・現場と数字を繋げて理解する能力が高く、自然と経営感覚で判断できる
このような能力は、ある環境で発揮する能力ではなく「ポータブルスキル」つまり「持ち歩けるスキル」という言い方をします。
こういう方は、自分で環境を変えられるし、環境に適応もできます。
毎日の仕事の中で、このポータブルスキルを磨くことが大切です。
将来、転職するときに非常に役に立ちます。自分の数字上の成果、表面的な成果のみを誇っていても変なプライドが芽生えて「こんなはずじゃないのに…」「前の会社ではこうだった…」みたいな発言が増えてしまいますね。
順番が戻りますが、面接の場でも自分のアピールポイントになります。
・なぜ3カ月クレームゼロが実現できたのか
・なぜその状況でみんな協力してくれたのか
・なぜ数字が上がらなくても頑張れたのか
こういう背景まで伝えないと、せっかく直接面接をしているのにもったいないですね。
ポータブルスキルがある方は採用する企業も安心です。
②どんな環境になっても活躍できるタイプを目指しましょう。
言うのはカンタンですが、これを意識して行動することが自分の職務経歴書を強力にします。