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できるスタッフは何が違う【この時代に飲食で働く提案】

ファミレスで13年以上勤めていた経験から、あえてキツイと評判の飲食業で働く提案をしています。いろいろな業界の話を聞くようになった今、確かに飲食業はキツイ部分もあると私も思います。しかし、同時に学べることも数多くチャレンジする価値が高いと今でも思っています。

 

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栃木県のキャリアコンサルタント、吉田です。

どこかのレストランの厨房で勤めているとして「▲▲をひとつ!」と調理指示を出されたときに、いちいちレシピを思い出していたらまったく間に合いません。レシピを覚えていたとしても、左手が直後にスッと使用する鍋に伸びなければ間に合いません。


ここで、右手で一旦鍋をつかんで、それから左手に持ち替えていたら

「最初っから左手でつかめよ」

とツッコミが入ります。
さらに左手が鍋をつかんだと同時に、右手が最初に使う食材やトングに伸びてないとやっぱり時間ロスです。


こうやって最初の一手さえスムーズに出れば、あとは加熱するだけの時間、混ぜるだけの時間を使って次の調理に移れます。
連続調理や複合調理が上手な人は、特別器用なわけではなく、特別暗記ができるわけでもなく「最初の一手が速いから、隙間時間をつくれる」だけです。

 

グランドオープンにも何度も関わらせてもらいましたが、新人研修は実際に調理するよりも圧倒的に「カラトレ」の時間の方が長いです。1回1回調理していたら時間も費用もかかってしまいます。相当な食材を捨てることになってしまいますね。「カラトレ」は言葉と動作だけで調理を行うもので、今風に言うと「エア調理」とでもなるのでしょうか。

 

この「カラトレ」ですが、レシピマニュアルを早口で言いながら、言葉と動作を一致させるのが最大の目的です。レシピマニュアルの言葉として覚えているだけじゃ意味がないので、実際に左右の手も動かしますし、動かす前に目線が先に動きます。

ここを徹底的に行います。記憶では1品の「カラトレ」を30秒で完了させることが目標です。もちろん実際の調理時間よりも相当短いのですが、それよりも短い時間で何回も繰り返すことで効果を高める仕組みです。

 

できるようになると、いざキッチンの担当セクションに立ったときにもスムーズに手が伸びて、迷うことなく商品が完成します。加熱時間や混ぜる時間も正確になり、調理手順の最後「バランスを整えます」まで忘れずに行えます。

私が何百人という新人を育てたり見てきた経験でも、「カラトレ」をスムーズに習得した新人は、確実に実際の調理もスムーズに仕上げます。同じ料理を何個も同時につくる複数調理や違う料理を同時につくる複合調理のように複雑なオペレーションになってもきっちり対応します。

 

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この「最初の一手」を磨く考え方は受験勉強もそうですし、どんな仕事にも通用します。仕事の生産性が確実に高まりますね。

 

飲食業、特にファミレス、チェーンレストランではレシピマニュアルが整備されていて、徹底的にオペレーションの訓練を受けますので、確実に仕事の進め方がアップデートするでしょう。アルバイトであっても本格的な転職であっても、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

参考にしていただけると幸いです。