習慣を変えれば良いことありそうですが、アプリをインストールしたかのようにガラッと変えるのって難しいですよね?
あなたは習慣を変えようとするときに、どんな工夫をしていますか?
キャリアコンサルタントとして1000名以上の方の転職支援をしてきた経験、学習塾教室長として生徒指導を行ってきた視点で「トリムタブ」の考え方を紹介しますので、参考にしていただけると幸いです。
何を習慣にして、何を変えるたいのか?
習慣が変われば日々の過ごし方が変わって、確実に何か良い変化があるはず…ってわかっているのに
・最初の一歩が難しい
・継続するのはもっと難しい
この難しさは、仕事も勉強も一緒です。
難しいので、いきなりやる気を爆発させてハードルを上げると疲れちゃって続かないですよね。最初は燃えるかもしれませんが、ハードルを上げない方が確実に踏み出しやすいです。
その一方で、ハードルを低く設定しても、効果が薄いと「本当に必要な習慣かな?」と疑問に感じて、元に戻ってしまう…誰しも経験していると思います。
「私は何を変えたい」と、しっかり気持ちを固めて
「そこに向かう、小さな一歩を習慣にする」
この流れが重要なわけですが、確実に実行に移して習慣化するためのフレームワークを紹介します。
トリムタブとは?
「トリムタブ」について、ポイントを絞って解説します。トリムタブとは、船や飛行機を操縦するにあたって欠かせない部品です。
大きな船の進行方向を変えるときに、プロペラの後ろにある巨大な舵を直接動かそうと思ったら大変です。舵自体が非常に重くなるので、舵の向きを変えるためには大きなエネルギーが必要です。
そこで、巨大な舵をスムーズに動かすために、巨大な舵の一部に小さな舵「トリムタブ」を取り付けてあげます。
すると、小さな舵「トリムタブ」であれば比較的軽いので、小さなエネルギーで向きを変えることができます。
小さな舵「トリムタブ」が向きを変えると、接続している巨大な舵も連動して向きが変わります。
このようにして、小さなエネルギーで大きな船の進行方向を変えることができます。
水流と歯車では仕組みが全然違うのですが、小さな歯車で大きな歯車を回すようなイメージですね。この「トリムタブ」の考え方を習慣化に応用します。
ちなみに「トリムタブ」は、自己啓発のバイブル「7つの習慣」でも紹介されているバックミンスター・フラー氏が提唱した内容です。小さな変化が巨大な変化を起こすことを指しており、氏の主張として頻繁に登場します。
仕事の場面では?
ビジネス初心者向けのサンプルですが、以下のような実践イメージです。
「営業から戻ったら報告書を書くことになるけど、どうしても後回しにしてしまう…」
その都度書いた方がラクなことはわかっているのに、面倒になってできない…こんな時ってありますよね。
・今日からは、事務所に戻ったら1時間には仕上げて報告する!
のように目標の決めても、ちょっとしたことでリズムが崩れてしまうと思います。習慣化するには、かなりハードルが上がります。
このような場面では、営業前に小さな一歩を進めておくことがオススメです。
・営業に行くときは、どうせ営業レポートを作成することになる
・行く前に入力できるところは進めちゃう
・そうすれば、営業先で何を聞けばいいのか明確になる
・しかも営業レポートを仕上げるのも早くなる
・すでに少しだけ入力してあるから、気分的にもラク
これであれば、営業先から戻ってもかなりスムーズに着手できるのはないでしょうか。ちょっとした習慣で、大きな成果を変えられると思います。
勉強の場面では?
・学校の授業を受けるときは、あらかじめ例題に目を通す
・練習問題も解いておく
・そうすれば、何が新しいのかわかる
・しかも何が難しいのか、わかってから授業を聞ける
ここまで習慣化できれば、そもそも勉強に困ることはないでしょうが
・関数の苦手意識を無くす
のような、ふんわりした目標設定よりも効果的です。
最初の小さな一歩を進めておく…これなら習慣化できそうですね。
先に行動を変える
仕事であっても勉強であっても、考え方は一緒です。一言で表すと
「小さな習慣によって、大きな成果を出す」
です。決して
・ラクをして結果を出す
・常にショートカットばかり考える
という意味ではないのですが、気合や根性論でとにかく猛烈にやるのではなくて、小さな習慣を変えることを意識しましょう。
話を戻して、先の例であれば
・営業レポートのwordを作成して、少なくともタイトルだけでも入れる!
・家で学校の準備をするときに、明日は何をやるのかパラパラ見ておく!
これなら毎回できそうです。こんな感じで小さい習慣を変えると良いです。
特に、学習塾で教えていると
・座る姿勢を直したら集中できた
・字の大きさを揃えたら計算ミスが減った
・アンダーラインを引いたら読み取れた
・カバンを整理したら忘れ物がなくなった
など、こんな現象がたくさん見られます。
生徒にとって必要なのは「言われたことを素直にやってみる」これだけです。講師にとって必要なのは「ちょっとした行動から変えさせる」これだけです。仕事にもまったく同じように応用できます。大人の仕事(勉強)も一緒ですね。
意欲を上げる!
考え方を磨く!
みたいな目標設定ではなく、具体的に小さな小さな行動から変えましょう。それが大きな行動の変化に繋がり、成果が変わります。
結果的に、意欲や考え方が変わっている!
こちらの方が、実感としても理解しやすいのではないでしょうか。
大きなことを変えるには
「どの一歩を変えればいいのか?」
アドバイスする人生の先輩は、この見極めが大事です。「トリムタブ」を意識して、小さな一歩を確実に踏み出してみましょう。